ディズニーの株価がDisney+(ディズニープラス)で急上昇。期待と不安が交錯
2019年11月12日。ついにディズニーの新ストリーミングサービス「Disney+(ディズニープラス)」が始動します。
サービス開始発表後の株価は一時10%以上も上昇と、市場の期待も高まっています。
しかし、この先に待ち受けるのは期待と不安が交錯する未来かもしれません。
Disney+(ディズニープラス)はNetflixより低価格。日本でのサービス展開は?
ディズニー(DIS)は4月11日に開催したInvestor's meetingで、独自のストリーミングサービス「Disney+」を11月12日に開始すると発表しました。
気になる料金プランは月額6.99ドル。ライバルとなるNetflixの標準プランは月額12.99ドルなので、かなり野心的な料金設定です。
この「Disney+」では、Disney、ピクサー、マーベルの作品やスターウォーズシリーズ等、500本の映画、7,500本のテレビシリーズが順次公開されていくようです。
その中には21世紀フォックスの買収で獲得した、アニメシリーズ「ザ・シンプソンズ」全30シーズンの公開も含まれます。
「Disney+」の強みは、この「シンプソンズ」のような子供向け、家族向けのコンテンツが豊富であることと言われています。
Netflix等は見たい作品があるときに会員登録し、見終わったらすぐに契約を解除してしまうユーザが増えているようです。これだと翌月まで契約を続けてくれないので、継続的に手数料を得ることができません。
ですが、子供が毎日見れるコンテンツがある「Disney+」であれば、小さな子どもを持つ家庭がずっと会員でいてくれる可能性が高いです。
この点で、子供に人気の「シンプソンズ」を獲得した21世紀フォックスの買収の意味は大きいです。
他にも今年公開される「ライオンキング」「トイ・ストーリーズ4」「アナと雪の女王2」も見れるようになる等、非常に強力なラインナップを持つサービスになります。
「Disney+」は最初はアメリカだけでのスタートですが、その後2年間で世界中に展開される予定です。
2024年までに6,000万~9,000万ユーザの獲得を目指していて、そのうちの3分の2は海外のユーザを想定しています。
でも、日本でサービスが展開されるかは微妙ですね。
2019年3月にNTTドコモがディズニーのコンテンツを配信する「Disney DELUXE」を開始したからです。
「Disney DELUXE」もDisney、ピクサー、マーベル、スターウオーズの各作品が順次配信される予定です。
NTTドコモと提携して「Disney DELUXE」を始めた矢先に「Disney+」を展開させることも無い気がします。
日本では「Disney DELUXE」にコンテンツを提供し、ドコモからライセンス料金を得る形を続けるのではないでしょうか。
ディズニー(DIS)の株価は高騰。でも、成功するかは不透明。
Netflixより低価格、かつ強力なコンテンツが歓迎されたのか、「Disney+」発表後のディズニーの株価は大きく跳ね上がりました。
■ディズニー(DIS) 株価チャート
ぴょ~ん。と一気に過去最高値を更新です。
。。。大丈夫ですか、これ?(笑)
来月決算発表なんですけどね。決算悪かったら爆下げしそうです。
株価が上がるのは嬉しいですが、ディズニーの未来がバラ色と言うわけではなさそうです。
確かにディズニーのコンテンツが見放題な「Disney+」は魅力的なサービスです。だけど、長期投資の対象として魅力的かは別問題です。
ストリーミングサービスは膨大な投資コストが必要で、先行しているNetflixでもフリーキャッシュフローが未だにマイナスな状態です。設備投資の金額を、サービスの利益で回収しきれていないということです。
これはディズニーにとっても同様です。
ディズニーは「Disney+」が2024年まで利益を出すことはないと見込んでいます。それまで、損失を計上しつづけることになります。
さらに、自身の作品を「Disney+」で独占配信するために、Netflix等へのコンテンツ提供を停止しているので、ライセンス収入が減少します。
その金額は1億ドルとされています。
安定した利益を出してくれるテーマパーク事業が、損失をある程度穴埋めしてくれるとは言え、ディズニーのキャッシュフローは暫く悪化するのではないでしょうか。
配当金を増やしてくれなくなる可能性もあります。
価格競争も気になります。Appleもストリーミングサービスへの参入を発表しましたが、まだ料金プランは発表していません。
他のライバル、Netflix、Amazon等もディズニーを意識した料金プランを出してくる可能性があります。
ディズニーの強みの一つに、テーマパーク事業で独占的な強さがあり、価格をある程度勝手に決められる点があると思います。
絶対的な人気があるから、少しばかり値上げしてもゲストは減りません。
ストリーミングサービスは、それとは正反対の市場な気がします。他のライバルたちと値下げ合戦になったら、なかなか利益が出ないのではないでしょうか。
この点はディズニーの"オンリーワン"なコンテンツが、何とかしてくれると信じたいですけど。
いずれにせよ「Disney+」の成功・失敗が分かるのは、今年でも来年でもありません。もっと先の話です。
ディズニーに投資する場合はその長い期間、「Disney+」が株主にも嬉しいサービス、つまり継続的な株主還元が可能なキャッシュフローをもたらすサービスとなる事を信じ続ける必要があります。
さて、その覚悟が私にあるのでしょうか??
まあ、個別株の割合は低くすることに決めているので、仮にディズニーが爆下げしても致命傷ではないでしょう。
暫く株価のスプラッシュマウンテンを楽しみながら見守りたいと思います。
他の記事の紹介です。
この前ディズニーの株価は退屈と書いたのですが、スリリングな展開になってきましたね。
ディズニーの次回決算発表は5月8日です。
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