おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

新興国インデックス投資ならeMAXIS Slim新興国よりSBI・新興国株式だ?

将来の成長が期待される新興国。

先進国には無い経済成長力に期待して新興国への投資を考える人も多いでしょう。

 

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その新興国に投資するインデックスファンドでは「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」が一番人気です。

だけど、私は「SBI・新興国株式インデックスファンド」の方がおすすめだと思っています。

 

コストもeMAXIS Slim並みに低コストですし、何よりも「SBI・新興国株式」の方が利回りが良くなると期待しているからです。

その鍵は両ファンドの投資対象国の違いにあります。

 

 

SBI・新興国株式の採用指数「FTSEエマージング」は韓国を含まない

「SBI・新興国株式」の採用指数は「FTSEエマージング・インデックス」です。

この「FTSEエマージング」はフィナンシャル・タイムズ社とロンドン証券取引所が共同で算出している新興国株式の指数です。

 

「SBI新興国株式」はこの指数に連動する「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF(Schwab Emerging Markets Equity ETF)」というETFを買い付ける投資信託です。楽天VTIと同じ方式ですね。

 

一方で「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の採用指数は「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」です。

新興国に投資するインデックスファンドは、MSICエマージングを採用指数としているものが多いです。

 

「FTSEエマージング」と「MSCIエマージング」の違いは投資対象となる国・地域です。

 両指数の国別比率と上位銘柄を見てみましょう。

 

■ FTSEエマージング 国別比率(2019.03.29)

20190413123401

 

■ FTSEエマージング 上位10銘柄(2019.03.29)

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■MSCIエマージング 国別比率(2019.04.11)

20190413123550

 

 ■ MSCIエマージング 上位10銘柄(2019.03.29)

20190413125549

 

「FTSEエマージング」と「MSCIエマージング」の最大の違い。それは、MSCIの方には韓国が含まれることです。

これによってMSCIは全体の55%が中国、韓国、台湾の東アジアで占められてしまい、バランスの悪さを感じます。

 

そもそも、私たちは新興国に何を期待して投資するのでしょうか。

近い将来、先進国を上回る株価上昇を果たすポテンシャルがあると期待して投資をする人が多いと思います。私もそうです。

 

この未来のポテンシャルを考えた時、韓国が15%近く含まれている「MSCIエマージング」よりも「FTSEエマージング」の方が有利だと思います。

韓国にはサムスンやLGのようなな国際的な大企業があるので、現在の株価時価総額は高いです。他の新興国よりは経済が成熟している感があります。

 

しかし、韓国はこれから日本と同じように、いや、日本以上の高齢化社会に突入すると言われています。将来の"爆発的な"経済成長を期待できるかは非常に疑わしいです。

 実際、FTSEでは韓国は先進国扱いになっています。だがら「FTSEエマージング」の方には韓国は含まれないのです。

 

「FTSEエマージング」は韓国が抜けている分、今後も人口増加が続き、中国に匹敵する経済成長を果たすと言われているインドを始めとした、他の新興国の比率が大きくなります。

新興国の爆発的な経済成長に期待するのであれば、MSCIエマージングを指数とする「eMAXIS Slim新興国」より、FTSEエマージングを指数とする「SBI・新興国株式」の方が理にかなっていると思います。

 

SBI・新興国株式の実質コストはeMAXIS Slim新興国株式に引けを取らない

「eMAXIS Slim新興国株式」が人気である最大の理由はコストの低さにあります。

しかし、低コストでは「SBI・新興国株式」も負けていません。

 

「eMAXIS Slim新興国株式」の信託報酬は0.20412%

それに対して「SBI・新興国株式」の信託報酬(ETFの経費込み)は0.1948%

「SBI・新興国株式」の方が信託報酬は低コストです。

 

信託報酬以外のコストを含めた実質コストでも、「SBI・新興国株式」は優秀です。

2019年1月に公布された「SBI・新興国株式」の運用報告書では、信託報酬以外のコストは以下のようになっています。

項目 比率(%)
売買委託手数料 0.083
有価証券取引税 0.000
保管費用 0.062
監査費用 0.018
その他 0.000
合計 0.163

これは2017年12月6日~2018年11月12日の342日間のコストです。

1年間=365日間に単純換算すると0.17396%です。

 

これに信託報酬の0.1948%を加算すると、実質コストは0.36876%となります。

同じように計算した「eMAXIS Slim新興国」の実質コストは0.38666%です。

 

「SBI・新興国株式」と「eMAXIS Slim新興国」の間にコスト差は殆ど無いと言っていいです。

 

なお、この辺りの計算の過程は以下の記事に記載しています。

参考:SBI・新興国株式インデックスの実質コストがeMAXIS Slim並みだった

 

SBI新興国株式とeMAXIS Slim新興国株式の利回りに差はあるのか

では、「SBI新興国株式」と「eMAXIS Slim新興国株式」の成績に本当に差はあるのでしょうか?

FTSEエマージングとMSCIエマージングの過去10年間の株価を比較してみました。

 

■FTSEエマージングとMSCIエマージングの比較チャート

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青は「SBI・新興国株式」が投資する、FTSEエマージングに連動する「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF(SCHE)」です。

赤はMSCIエマージングに連動する「iShares MSCI Emerging Markets ETF」です。

 
う~ん?殆ど変わらなかったです。。。

 

 ちなみに、過去1年の「SBI・新興国株式」と「eMAXIS Slim新興国株式」のリターンを比較すると、次のようになっています。

 

■年間リターンの比較(2019.03.31時点)

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若干ですが、 「SBI・新興国株式」の方が良いですかね。

短期で見るとパフォーマンス差が出ている時がありますが、今の段階では両ファンドに大きなパフォーマンス差は無いようですね。

 

SBI・新興国株式インデックスの将来に期待したい

現時点ではパフォーマンスに大きな差はついていませんが、将来に期待するのであれば「SBI・新興国株式インデックス」の方が良いと思っています。

実質コストに差がない以上、人口減少国である韓国が含まれていない「SBI・新興国株式」の方が新興国の経済成長の恩恵を強めに受けれると思えるからです。

これからパフォーマンスに差が出てくるのではないかと期待しています。 

 

懸念事項は人気の無さでしょうか。

実質コストが発表されても「eMAXIS Slim新興国」の人気に迫っているようには見えません。

 純資産が増えないと繰上償還のリスクも出てきます。それだけは避けて頂きたい。 

 

もっと人気出てもいいと思うんですけどね。これがネームバリューの差でしょうか?

超えられない壁、eMAXIS Slim?

 

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先進国に投資するインデックスファンド、アメリカに投資するインデックスファンドの比較データも掲載しています。

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