マルイ エポスカードで増益 EPSは過去最高 株価も上昇 中期決算
私はマルイの株を保有しています。日本株で唯一の保有銘柄です。
11月8日に第2四半期の決算が発表されました。結果は大手証券会社の予想を上回る好決算。これで4期連続の増益です。
好調の要因は時代の流れに合わせて姿を変えてきたこと。
「変わらなければ生き抜けない」
そんな言葉がお似合いの企業です。
- EPSは過去最高 4期連続の増益
- マルイ好調の要因 店舗のSC・定借化
- 合言葉は「モノからコト」「使用から所有」
- マルイの利益の柱 エポスカード
- エポスカードで家賃保証も好調
- QRコード決済も始めました
- 今後の課題は
- 決算発表を受けて株価は急騰 長期保有できるかな
EPSは過去最高 4期連続の増益
丸井の会計年度は現在2019年度です。19年第2四半期の決算結果です。
18年第2四半期 | 19年第2四半期 | 増減(%) | |
---|---|---|---|
EPS(円) | 41.1 | 56.9 | 38.4% |
売上(億円) | 1154 | 1233 | 6.8% |
営業利益(億円) | 159 | 198 | 24.5% |
経常利益(億円) | 155 | 192 | 23.9% |
EPS(1株あたり利益)は56.9円と前年比38%増で過去最大となりました。
営業利益も約25%増加で4期連続の増益。
そして、売り上げは4期ぶりに増加です。丸井はショッピングセンターの店舗を自社出店から賃貸型に切り替えを進めたので、売り上げが減少していましがが、ここに来て前年を上回ってきました。
セグメント別の営業利益を見てみます。
18年第2四半期 | 19年第2四半期 | 増減(%) | |
---|---|---|---|
小売(億円) | 28 | 47 | 67.9% |
フィンテック(億円) | 151 | 178 | 17.9% |
丸井の利益の大半は小売りではなく、エポスカードを中心としたフィンテック事業です。今期も増益です。
ですが、小売りの方も大きく増益しており、4期連続の増益に貢献しています。
マルイ好調の要因 店舗のSC・定借化
丸井は店舗を従来の自己出店型から、テナントに場所を貸し出すSC(ショッピングセンタ-)・定借化に切り替えを進めています。これが利益率の向上につながっています。
次の表は小売部門の売上の内訳です。
■小売 売上内訳(単位:億円)
2017/9/30 | 2018/9/30 | 増減(%) | |
---|---|---|---|
商品売上高 | 288.82 | 252.99 | -12.4% |
消化仕入売上高 | 79.73 | 51.29 | -35.7% |
賃貸収入等 | 156.16 | 196.14 | 25.6% |
関連事業収入 | 103.25 | 109.21 | 5.8% |
商品売上高は減ってますが、SC・定借化による賃貸収入が増えています。
自己出店型だと自分で企画した店・商品がその時の顧客ニーズに合わないと売り上げが落ちてしまいます。
丸井は常に変化していく顧客ニーズに合わせて自己出店を展開するのは安定した利益に結び付かないと判断しました。
そこで、他のテナントに売り場を提供するSC・定借化に切り替え、商品の売上ではなく賃貸料を優先することにしました。
テナントの売り上げが落ちても賃貸量は確実に入ってくるから安定した収益につながるということです。
合言葉は「モノからコト」「使用から所有」
また、「モノからコトへ」をスローガンに顧客に商品だけでなく、「体験」を提供することを進めています。ユーザの多様化するニーズに応える場所を提供し、売り上げの向上につなげようという取り組みです。
丸井 決算説明資料より引用
新宿のマルイではヨガイベントを実施してます。
他に「所有から使用へ」ということでシェアリングエコノミーにも取り組んでいます。
丸井 決算説明資料より引用
DRENIはレンタルドレスのお店
KARITOKEはブランド腕時計を月額でレンタルできるお店です。
こんな感じでかつての百貨店型ビジネスから、時代の流れに合わせてビジネスのやり方を柔軟に変えていけるのが業績好調の要因だと思います。
マルイの利益の柱 エポスカード
現在のマルイの事業の柱はエポスカードを使ったフィンテック事業です。
フィンテックとは金融(Financial)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語です。IT(情報技術)を駆使した革新的な金融サービスといったところです。
スマートフォンを使ったQRコード決済や仮想通貨に使われるブロックチェーンと言う技術もフィンテックの一部です。
私が丸井の株に興味を持ったのもフィンテックをキーワードに銘柄を物色していたのがきっかけです。
でも、正直に言うと、丸井のフィンテック事業は普通のクレジットカード事業にしか見えなかったですがけど(笑)
丸井のフィンテック事業の売上内訳です。
■フィンテック 売上内訳(単位:億円)
2017/9/30 | 2018/9/30 | 増減(%) | |
---|---|---|---|
割賦手数料 | 189.57 | 254.63 | 34.3% |
加盟店手数料 | 122.25 | 141.71 | 15.9% |
消費者ローン利息収入 | 118.82 | 122.04 | 2.7% |
サービス州んひゅう | 52.91 | 61.99 | 17.2% |
IT他 | 42 | 42.51 | 1.2% |
割賦手数料が大きく伸びてますね。これはリボ払いの手数料です。
リボ払い。私は絶対に使わない。
しかし、丸井の売上にリボ払いは大切! 皆でリボ払いしてくれ~。
このフィンテック事業の営業利益は毎期30~40億円増加を続けていて、マルイの成長を加速させています。
丸井 決算説明資料より引用
今期も47億円の増益を見込んでします。
他にエポスカード好調を示す内容として、
- 今期のショッピングクレジット取扱高は1兆8700億円を見込む。年平均伸長率は業界平均の7%を上回る19%
- 新規カード会員数は初めて80万人台を達成する見通し。
といったことを挙げています。
エポスカードで家賃保証も好調
フィンテック事業の売上の中に「サービス収入」がありますが、代表的なものはエポスカードでの家賃保証サービスです。
賃貸住宅を借りるときにエポスカードが連帯保証人の代行をするサービスです。
5年平均の売上伸長率は30%。今期も64億円を予測しています。
今年3月より「エイブル」、10月に「学生情報センター」でも取り扱いを開始し、さらなる成長が期待される事業です。
QRコード決済も始めました
全然フィンテックっぽくない事業を展開するマルイですが、最近QRコード決済サービス「EPOS Pay」を開始しました。
おお、僅かにフィンテックの香りがする。
丸井 決算説明資料より引用
QRコード決済は店側にクレジットカードの端末が要らないので導入のハードルが低く、キャッシュレス社会促進の鍵の一つです。
EPOS Payは2018年11月から東京都中野エリアでサービスを開始する予定です。
まずはマルイのホームタウンである中野区で試験的に始める感じでしょうか。
今後の課題は
業績絶好調なマルイですが、今後に課題が無いわけがありません。
まず、10月に日本政府が突然「カード手数料を値下げし、キャッシュレス化を促進」と言い出しました。これによってクレジットカード会社の株価は大きく下がりました。
マルイも大分下がりました。「余計なこと言わないでくれ!」と心の中で突っこんだ。
これに対してマルイは
「エポスカードはリボ・分割払いやキャッシングの利用が多く、加盟店手数料値下げの影響は限定的」
と予測しています。
また、政府が要請するカード手数料値下げは、加盟店を管理する会社(アクワイアラ)に支払う手数料であり、マルイのようにカードの発行・請求だけを行う会社(イシュア)への影響は限定的と思っているようです。
ほんとのところは、まだ誰にも分かりませんが。
最大の課題はやっぱり消費税増税かな。普通にショッピング取り扱い高が減りそうです。これはマルイだけが直面する問題ではないですけどね。
決算発表を受けて株価は急騰 長期保有できるかな
予想を上回る決算結果を受けて11月9日にマルイの株価は大きく跳ね上がりました。
9日は中国の株安を受けて日経平均が下がる地合いの悪さでしたが、踏ん張って前日から7%以上値上がりしました。
私は日本の個別株は今はマルイしか持っていないです。しかも1単元=100株だけ。
自分の投資資産のうち、日本株が占める割合は2~3%程度で丸井が殆どを占めています。
なんともアンバランスな状態ですが、日本のTOPIXに連動するインデックス投信を買い増す気にもなかなかならないので、暫くはマルイを見守る予定です。
マルイはフロー型のビジネスからSC・定借化やエポスカードを用いたストック型のビジネス、つまり継続的な安定収入が持ち込めるビジネスに転換しています。
日本企業には珍しく?株主への配当もしっかりしている企業です。現在は配当性向は40%を超えていて連続増配中です。
意外と長期保有できるる銘柄なんじゃないかな~と期待しています。
このまま利益を増やし続けて株価を維持してほしい。そうすれば末長い付き合いができそうです。
他の記事についてです。
丸井の配当について書いた記事です。株主優待も役にたちそうです。
日本株では、小野薬品で痛恨の一撃を食らったことがあります。。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
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