おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

ノーベル賞で株を買ってもいいですか?~私の失敗 小野薬品

小野薬品工業の株価が年初来高値を更新しました。

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凄い出来高の増え方ですね~(下の棒グラフが出来高)。

ノーベル賞で小野薬品が注目される

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この日、京都大学の本庶佑特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことがきっかけです。本庶氏は免疫細胞(T細胞)の働きにブレーキをかけるタンパク質「PD-1」を発見しました。更にこのPD-1の働きを阻害することで、免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくし、がんの増殖を抑える薬を小野薬品と共同研究しました。それが小野薬品の超主力製品、免疫チェックポイント阻害剤の「オプジーボ」です。本庶氏がノーベル賞を受賞したことでオプジーボが脚光を浴び、小野薬品の株を買う人が増えたということです。

 「え?それで上がっちゃうの?」

日本の研究者の成果が正当に評価された。それは勿論素晴らしいことです。ですが、小野薬品や同じく免疫治療薬に力を入れている「テラ」の株価急騰のニュースを聞いて思ったのは、

  「なんて単純!」

ということです。ノーベル賞は本庶氏とそのチームの基礎研究を評価したもの。本庶氏がノーベル賞を取ったからと言って、小野薬品のオプジーボの将来の利益を保証するものでも何でもありません。

この株価の動きを見たとき、

 「日本の市場ってやっぱり投資ではなくて投機なの?」

とひねくれた見方をしてしまいました。

 ですが、チャートを見るとその日は長い陰線です。翌日以降は株価が下がっていますね。これはノーベル賞と企業の業績に何も関係がない、ということを多くの人が知っているのでしょう。デイトレーダに利用されただけかもしれませんね。

小野薬品の株は強かったけど

私も少し前に小野薬品の株を持っていました。日経平均が弱くても上がり続ける小野薬品さんに頭が上がらない時期もありましたよ。私は日本株の短期取引も少ししているので、

 「困った時は小野薬品!」

と思っていました。

ですが、今は持っていないです。

例えオプジーボが好調で、その開発のトリガーとなった研究がノーベル賞を取っても小野薬品に強気になれない理由があります。それは米国株の取引をしている人の方が詳しいのかもしれません。

オプジーボのライバル キイトルーダ

 製薬会社間の新薬の開発競争は激しいです。当然のようにオプジーボにも競合となる新薬が今はあります。それはアメリカの製薬会社 メルク(Merck)のキイトルーダです。キイトルーダもオプジーボと同じ免疫チェックポイント阻害剤です。今年の4月、メルクはキイトルーダで肺がん患者を対象とした臨床試験で、キイトルーダを使わない場合の患者に比べて生存率を5割上昇させる結果を得たと発表しました。また、小野薬品より先に肺がんの一次治療薬として承認されました。これを受けて4月に小野薬品の株価は急落しました。

その時のチャートを見てみましょう。

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〇で囲っているところが「メルクアタ~ック」、「キイトル~ダショ~ック」です。なんて見事なナイアガラなのでしょうか。

はい。私が小野薬品を手放したのはこれに巻き込まれたからです。。。

朝起きてメルクの株価急騰を知り、日本市場の寄りで絶望しました。まさか自分の保有株が東証値下がり1位になるなんてね!

でも、ずっと持っていれば下がる前の値段に戻ったんですね。株式取引は難しいな~(このチャート見たくなかった~)。

小野薬品の課題はオプジーボ以外にあるのか

現在の小野薬品は四半期の決算が好調で株価が上がっていますが、オプジーボの先行きが明るいわけではないでしょう。世界中で売り上げ好調だったオプジーボですが、今年中にキイトルーダに追い抜かれる見通しが強いとのことです。

小野薬品の1Qの決算を見るとオプジーボの売り上げは228億円で15%増加。次に売り上げが高い薬品は71億円でこちらは0.7%の増加です。オプジーボが圧倒的な売り上げを誇っていますが、競合に迫られている以上はそれ以外の核となる新薬が出るかが今後の継続的な成長のカギなんでしょうね。

オプジーボを生み出した研究開発力で海外の製薬会社と渡りあってほしいです。

 

私が保有している日本株の記事です。増配継続中のアステラス製薬を保有しています。

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製薬会社は米国のジョンソン&ジョンソンとゾエティスの株も保有しています。

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