ニッセイ外国株式とニッセイ新興国株式の実質コスト 驚きの結果に
1月17日、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」と「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」の運用報告書が交付されました。
宿命のライバル「eMAXIS Slimシリーズ」とコスト争いを繰り広げてきたニッセイ。
実質コストに注目が集まりそうですが、「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」は驚きの結果を見せました。
ニッセイ外国株式の実質コストは0.2%
まず、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」の実質コストです。
「ニッセイ外国株式」は先進国の株式指数であるMSCIコクサイ指数と連動するインデックスファンドです。純資産1,000億円以上と大人気のファンドです。
現在の信託報酬は「0.11772%」です。
今回交付された第5期の運用報告書で、信託報酬以外のコストが掲載されています。
■ニッセイ外国株式 信託報酬以外のコスト
項目 | 比率(%) |
---|---|
売買委託手数料 | 0.005 |
有価証券取引税 | 0.019 |
保管費用 | 0.051 |
監査費用 | 0.005 |
その他 | 0.008 |
合計 | 0.088 |
信託報酬以外のコストは0.088%です。
2017年11月21日~2018年11月20日までの365日間、ちょうど1年間のコストです。
これに現在の信託報酬「0.11772%」を足すと、実質コストは
0.11772+0.088 = 0.20572%
となります。
かなりの低コストと言えるのではないでしょうか。
「ニッセイ外国株式インデックス」については、特に驚きな結果ではないです。
同タイプのインデックスファンドで、最大のライバルである「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の実質コストは約0.19711%です。
eMAXIS Slimよりは若干高い結果になりました。
「ニッセイ外国株式」は保管費用がeMAXIS Slimより高く、差を付けられています。
ですが、年間で0.009%程度の差なので、気にすることはないのでは?というのが感想です。
ニッセイ新興国株式の実質コスト 衝撃の1%超?
次に「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」の実質コストです。
こちらは新興国の株式指数であるMSCIエマージング指数と連動するインデックスファンドです。
2017年10月に設定された後発のファンドなので、純資産は10億円にも満たないです。
信託報酬は「0.20412%」です。
今回交付された運用報告書が第1期のものです。信託報酬以外のコストを見てみます。
■ニッセイ新興国株式 信託報酬以外のコスト
項目 | 比率(%) |
---|---|
売買委託手数料 | 0.174 |
有価証券取引税 | 0.046 |
保管費用 | 1.216 |
監査費用 | 0.012 |
その他 | 0.099 |
合計 | 1.547 |
合計1.547%です。
これは2017年10月13日~2018年11月20日の404日間のコストなので、365日間=1年間のコストに単純換算します。
1.547%×365/404 ≒ 1.39495% です。
信託報酬「0.20412%」を加算すると
0.20412+1.39495= 1.59907%
になっちゃいました。
。。。アクティブファンド?
これ、本当なんですかね。
あまりの高コストに自分の目を疑います。計算が間違っているのでしょうか。。。
にしても、保管費用1.2%って随分突出していますね。
ちなみに、このタイプのインデックスファンドで人気の「emaxis slim新興国株式インデックス」の実質コストは約0.38666%です。
本当に同じタイプのインデックスファンド?
わけが分からない。
まとめ~ニッセイ外国株式は安心。謎を呼ぶニッセイ新興国株式。
人気を二分する「ニッセイ外国株式」と「eMAXIS Slim先進国株式」の実質コストにはそれほど大きな差はつきませんでした。
パフォーマンスに大して影響しないと思うので、どちらを購入しても問題ないでしょう。
この2つのどちらを購入するか悩むよりは、先進国株式に投資するインデックスファンドの資産構成が自分に合っているかを考えた方がいいと思います。
先進国に投資するインデックスファンドの45%程度はアメリカ以外の先進国、そのうち大部分をヨーロッパが占めます。ヨーロッパの株価は低迷を続けていますし、イギリスのEU離脱等でこの先もごたごたしそうです。
そのヨーロッパの株価に今後も期待するのか。それとも、他のインデックスファンドを買って米国の比率を引き上げたり、日本や新興国の株式を組み入れるのか。それによってパフォーマンスが変わってきます。
大差無いインデックスファンドのコストより、こういった資産の組み合わせを考えた方が有意義でしょうね。
と言っても、考えて正解が分かるわけでは無いのですが。
何れにせよ、「ニッセイ外国株式」は低コストでの投資を実現してくれるインデックスファンドであることを証明してくれました。
今後も「eMAXIS Slim先進国株式」に負けずに人気を保ってほしいです。
気になるのは「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」の高コストっぷりです。
何をどうやったらこういう結果になるんでしょう?
保管費用の高さについて、そのうち説明を出したりするのでしょうか。
とりあえず、近づかない方がよさそうですね。
MSCIエマージングを指数とする新興国投資なら、低コストな「emaxis slim新興国株式」が鉄板のようです。
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