SBI・新興国株式インデックスの実質コストがeMAXIS Slim並みだった
SBIアセットマネジメントが販売する「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」。愛称:雪だるま(新興国株式)。
新興国の株式指数であるFTSEエマージング指数に連動するインデックスファンドです。
1月18日に第1期の運用報告書が交付されました。
その実質コストは「eMAXIS Slim新興国株式」に引けを取らない内容でした。
SBI・新興国株式はeMAXIS Slim並みの低コスト
「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」はFTSEエマージング指数に連動するETFである「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF(SCHE)」を買い付けるインデックスファンドです。
2017年12月に設定されました。
今回交付された第1期の運用報告書から「SBI・新興国株式インデックス」の実質コストを計算してみます。
現在の信託報酬は年間「0.0648%」。これにETFの信託報酬「0.13%」が加算され、実質的な信託報酬は「0.1948%」程度です。
(SBIの信託報酬安すぎですね。バンガードか何かですか?)
運用報告書では信託報酬以外のコストが掲載されています。次のようになっています。
■信託報酬以外のコスト
項目 | 比率(%) |
---|---|
売買委託手数料 | 0.083 |
有価証券取引税 | 0.000 |
保管費用 | 0.062 |
監査費用 | 0.018 |
その他 | 0.000 |
合計 | 0.163 |
信託報酬以外のコストは0.163%でした。
これは2017年12月6日から2018年11月12日の342日間のコストです。
年間に換算すると0.163%×365/342≒0.17396%。
これに信託報酬「0.1948%」を足すと、年間の実質コストは
0.1948+0.17396=0.36876%
かなりの低コストです。
新興国に投資するインデックスファンドではMSCIエマージング指数に連動する「eMAXIS Slim新興国株式」に人気が集まっています。
この「eMAXIS Slim新興国株式」の実質コストを同じように計算すると0.38666%でした。
わずかですが「SBI・新興国株式インデックス」の方が低コストです。
他のファンド、例えば「たわらノーロード新興国株式」や「楽天VWO」の実質コストは0.6%付近ですから、「SBI・新興国株式」がどれだけ低コストなファンドなのかが分かります。
SBI・新興国株式とeMAXIS Slim新興国株式で人気を二分できるか?
現在の「SBI・新興国株式」の純資産は11.5億円程度です。「eMAXIS Slim新興国」の119億円に大きく水を空けられています。
eMAXIS Slimに劣らず低コストであることを証明した今、この差は縮まっていくのでしょうか?
コストに大きな差が無いので、「eMAXIS Slim新興国」の人気は揺らがない気がします。
ただ、コスト以外の面で「eMAXIS Slim新興国」より「SBI・新興国株式」の方が好みという人もいるのではないでしょうか。
この2つは採用する指数が異なります。「eMAXIS Slim新興国」はMSCIエマージング指数。「SBI・新興国株式」はFTSEエマージング指数です。
大きな違いはMSCIの方には韓国が含まれ、FTSEの方には含まれない点です
次のグラフは両指数の国別構成比率です。
■MSCIエマージング 国別比率
■FTSEエマージング 国別比率
MSCIエマージングは中国、韓国、台湾の東アジアで過半数を占めます。
FTSEエマージングは韓国が抜けるので、東アジア以外の国の比率が少し高くなります。
この差が与える心象は大きくはないでしょうか?
私は新興国投資は将来の急激な経済成長に期待して投資するものだと思っています。日本と同様に高齢化社会を迎えると言われる韓国にそれを期待する必要はないので、FTSEエマージングに連動する「SBI・新興国株式」を買っています。
実際のところMSCIエマージングとFTSEエマージングで将来のパフォーマンスに差が出るのかは分かりませんが、好みが分かれる点ではあると思います。
FTSEエマージングを指数とするインデックスファンドは少ないです。そこに低コストで投資可能と証明した「SBI・新興国株式」にそれなりの需要が出てもおかしくない。
なので、
・MSCIエマージングに投資したい場合は「eMAXIS Slim新興国株式」
・FTSEエマージングに投資したい場合は「SBI・新興国株式」
といったように、低コストファンド同志で人気を二分していってほしいです。
せっかくの低コストでも、純資産が増えないと繰り上げ償還の可能性がありますからね。
先行してしまったファンドに追いつくのは難しいかもしれませんが、保有している者としては期待したいのです。
他の記事の紹介です。
同じく新興国に投資するニッセイ新興国株式インデックスの実質コストも判明しました。保管費用が高すぎ。
新興国のインデックスファンドのパフォーマンスを纏めています。MSCIとFTSEのパフォーマンス差も掲載。
え?愛称:雪だるまでは人気は呼べない?
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