世界で進む高齢化社会 注目セクターはヘルスケアと不動産か
世界は未曽有の高齢化社会に突入しようとしています。
特に先進国の高齢化は顕著です。欧米では2045年頃に4人に1人が65歳以上、日本に至っては3人に1人が65歳以上になるとの予測もあります。
高齢化社会を迎えると消費や生産が落ち込んで経済が低迷するような印象がありますね。
しかし、消費については必ずしも高齢化によって低迷するとは限りません。
米国の資産運用会社 バンガードのリサーチによると、高齢者の消費は減少するのではなく、ヘルスケアや不動産へと消費対象がシフトするようです。
高齢化社会ではヘルスケアと不動産セクターが有利?
高齢者は給料をもらわなくなるので、支出を抑える必要がある。
こんなイメージから高齢化社会になると消費が弱まるような気がしますが、現実はそんなこともないようです。
■アメリカ世代別の消費内訳
これはアメリカの世代別の消費の内訳です。
73歳以上になっても消費は大して減っていません。大きく変わるのは消費の対象です。
高齢になると、服やレジャー、交通費への支出は大きく減少していきます。
また、飲食への支出も少しですが減っています。
その代わりに大きく増えているのが、ヘルスケアと不動産への支出です。
ヘルスケアについては簡単に想像がつきますね。高齢になれば、病院に行く機会も増えるので、医療費が増えてきます。
不動産が増えるのは少し意外な気がしますが、退職後に家を買ったりする他に、介護施設の需要が増えるためのようです。
このように高齢者の割合が増えると医療や不動産の需要が増えるので、ヘルスケア、不動産セクターに資金が流入する可能性がありそうです。
特定セクターへの投資はほどほどに
「じゃあ、ヘルスケアと不動産に多めに投資すればいいですか?」
と行きたくなりますが、バンガードは推奨していません。
こういった予測は往々にして、既に株価に盛り込まれている場合があるためです。
もしかすると今の株価は既に割高である可能性があります。
それに特定セクターの集中投資は危険です。
つい最近も「メディケア・フォー・オール(国民皆保険制度)法案」の提出によってヘルスケアセクターの株価が急落する時がありました。
ポートフォリオが特定のセクターに偏っていると、そのセクターに絡む突発的なイベント一つで資産が大きく損なわれる可能性があります。
結局は、幅広いセクターに分散投資することでセクター依存のリスクを抑えつつ、ヘルスケアセクターや不動産セクターの成長の恩恵を受けるのが最良な方法のようです。
個人的にはヘルスケアよりも不動産セクターの方が気になりました。
ヘルスケアセクターは私が保有するIVVやVYMといったETFにも多く含まれています。
セクター依存のリスクを抑えるためにも、これ以上増やす気になれません。
一方で、不動産の割合は非常に小さいです。
REITなら配当利回りも高いですし、分散投資の一環として購入を検討するのも悪くないかなと思いました。
まあ、最近はREITも価格が爆上げ中なので、買うのには勇気が要りそうですが。
買うにしてももう少し勉強してからですね。
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