全世界株式インデックスファンドの長所は? 未来の備えと新興国の株価対策
インデックスファンドの中には、1本で全世界の株式に投資できるファンドがあります。
「楽天VT」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「SBI・全世界株式・インデックス」あたりが代表的なファンドです。
ここ数年は米国以外の国の株価が不調なため、全世界の株式に投資するインデックスファンドの成績はあまりよくありません。
ですが、例えパフォーマンスがイマイチでも、全世界株式型インデックスファンドの利点は確かにあると思います。
その利点とは
・予測不能な将来への備え
・新興国の株価変動への備え
の2点です。
全世界株式インデックスファンドは米国株が不調になった時の備えになる
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天VT」といった全世界株式に投資するインデックスファンドは米国を含む先進国と新興国にまとめて投資することができます。
先進国と新興国の内訳は以下のようになっています。
米国 ・・・55%
米国を除く先進国 ・・・35%
新興国 ・・・10%
米国株:55%、米国以外の株:45%で構成されています。
最近は米国以外の国の株価が不調です。米国の株価が上がっても他の国の株価がその上昇を相殺してしまうことが多いです。
それが理由で、全世界株式型のインデックスファンドは米国のみに投資するインデックスファンド、例えば「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」や「楽天VTI」よりパフォーマンスが悪いです。
でも、これは"今"の話です。
この先も常に米国株のパフォーマンスが他国を上回るという確証はどこにもありません。
過去を振り返っても、ここ10年間は米国株が優勢の状態ですが、その前の2003年から2009年は米国以外の国の方がリターンが高い状態が続いていました。
この先もこれと同じようなことが起きる可能性はあるでしょう。
投資対象を米国株だけに絞っていたら、その時に世界経済の上昇の恩恵を充分に受け取れないことになります。
その状態が1年くらいなら大した影響はないかもしれませんが、3年、5年、、、、と続いたらどう思うでしょうか?
「あ~。他の国にも投資をしておけば。。。」
と後悔の念にさいなまれるかもしれません。
そんな後悔をするくらいなら、最初からある程度の金額を色々な国の株式に振り分けておいた方が良いと思います。
その対策を簡単にしてくれるのが、全世界株式型のインデックスファンドです。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天VT」、「SBI・全世界株式・インデックス」のどれか一本を買っておけば、世界中の株式に資金を分散することができます。
先進国と新興国の投資比率も株価の時価総額に応じて勝手にリバランスしてくれます。自分でポートフォリオを考える必要がありません。
全世界株式型のインデックスファンドを一本買うだけで、何が起こるか分かない未来へのリスクヘッジを簡易に実行することができます。
新興国投資は全世界株式インデックスファンドの方が安心
全世界株式インデックスファンドのもう一つの利点は、新興国投資へのハードルを下げてくれることです。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天VTI」には新興国の株式が10%含まれています。
新興国の株式は先進国と比べて値動きが大きく、最近は上がったり下がったりの繰り返しです。
■新興国株式の値動き
これは新興国に投資するETF「VWO」の過去10年間の値動きです。
大きく下がる時もあれば、上がる時もあります。そして、過去10年では右肩上がりの成長とは言えません。
この新興国株の値動きは、全世界株式のインデックスファンドのパフォーマンスを停滞させる要因の一つです。
米国株の上昇を新興国株の値動きが打ち消してしまことがあるからです。
ですが、長所と短所は表裏一体です。
見方を変えれば、新興国株の値動きの激しさを、先進国の株価が相殺してくれるとも言えます。
将来の成長を期待して新興国に投資をする人の中には、新興国だけに投資するインデックスファンドやETFを買う人も多いと思います。私もその一人です。
しかし、先のチャートが示す通り、最近の新興国の株価は上がったり下がったりの繰り返しが続いています。
新興国のみに投資するインデックスファンドやETFを持っていると、その値動きの激しさと直接向き合わねばなりません。
ようやく株価が上がって含み益になったと思ったら、その直後に急落。
「いつまで落ちるんだ?もう売ろうかな。。。」
と、思った矢先に急上昇。
そんな日々を過ごしていたら、新興国の成長の恩恵を受ける前に株を手放したくなるかもしれません。
しかし、全世界型のインデックスファンドを通じて投資をしていれば、新興国の株価を直接見ずに済みます。
目にするのは、米国や他の先進国と混じり合った株価の値動きです。
新興国だけに投資する投資信託、ETFより遥かに穏やかな値動きです。
いちいち新興国株の上下に右往左往する必要はありません。
どちらのパターンでも新興国に投資をしていることに変わりはありません。
しかし、全世界型のインデックスファンドであれば、新興国の株価の値動きに惑わされずに新興国への投資を行えます。
その心理面の効果は決して小さくないでしょう。
プロでもない私たちが投資で成功するには、投資を長期間にわたって継続し、世界経済の成長の恩恵を受ける必要があります。
途中で心が折れて投資をやめてしまったら元も子もなく、心理面にもたらす効果は軽視できません。
こんな理由から、米国以外の株式、特に値動きの激しい新興国に投資する手段として全世界株式インデックスファンドは有用だと思いました。
米国株が好調な現状を見ていると、米国以外の国への投資に疑問を持つことが多いですが、それでも将来の株価は誰にも予測することができません。
「今の米国株優勢の状態っていつまで続くの?」
「今は不安定な新興国も、将来は大きな利益を生むんじゃないか?」
そんな不安や期待と、これからも向き合い続ける必要があります。
その備えとして全世界株式型のインデックスファンドに資金を振り分けるのは、一定の意味のあることだと思います。
他の記事の紹介です。
全世界株式に投資するインデックスファンドだけでは、パフォーマンスが寂しいものになりがちです。
米国に投資するインデックスファンドを追加して、米国株の比率を上げた方がよいでしょう。
eMAXIS Slimシリーズであれば、2本のインデックスファンドを買うだけです。
米国の株価が他国のパフォーマンスを下回った時、自分はどのような行動を取るだろう?この点を考えて、米国以外の国にも投資をしています。
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