マイクロソフト(MSFT)の配当金が11%増配 豊富なフリーキャッシュフローがもたらす株主還元
「株主に降り注ぐはマネーの雨?」
マイクロソフト(MSFT)が11%の増配と新たな自社株買いプログラムを発表しました。
AzureやOffice365で稼ぎまくった現金を株主にしっかりと還元。
この企業には米国株の魅力が詰まっています。
マイクロソフト(MSFT)の配当金が11%上昇。400億ドルの自社株買いも発表
9月18日、マイクロソフトは四半期毎の配当金を1株あたり0.51ドルに増額することを公表しました。
前期から0.5ドル、11%の増配です。12月12日に支払われる予定です。
マイクロソフトはよく比較されるAmazonやGoogleと違って、株主に配当金を積極的に還元してくれる企業です。
以前は高配当株式のETFである「VYM」にも組入れられていました。
今は株価が高くなったことで高配当株とは言えないですが、配当に対する姿勢が変わったわけではありません。
前年度の増配率は9.5%、過去5年の増配率は10.4%程度です。
2019年の増配率は前述の通り11%なので、配当金の増加を加速させていることが見て取れます。
■マイクロソフト(MSFT)の配当金の推移
過去10年間のマイクロソフトの配当金の推移です。
毎年、配当金を増やしています。今回の増配で18年連続増配企業となりました。
マイクロソフトは配当金だけでなく、自社株買いにも積極的です。
今回の増配と同時に、新たな自社株買いプログラムも発表されました。
自社株買いの総額は400億ドル。日本円で4兆3,000億円(!)程度です。
いつまでに実行するかは特に定められていません。
自社株買いは市場に出回っている株式の数を減らし、株主が保有している1株あたりの価値を高めるため、株価の上昇につながります。
マイクロソフトは2017年度に118億ドル、2018年度に107億ドル、2019年度は195億ドルの自社株買いを行っています。
今後も継続的に自社株買いを行って、株価を下支えしてくれそうですね。
マイクロソフト(MSFT)の株主還元の強さの源は豊富なフリーキャッシュフロー
マイクロソフトが増配や自社株買いを続けられる理由は豊富なフリーキャッシュフローです。
AzureやOffice365でサブスクリプショナル型のビジネスモデルへの転換に成功したマイクロソフトは、現金を稼ぐ力が上がっています。
■マイクロソフト(MSFT)の営業キャッシュフローの推移
これはマイクロソフトの営業キャッシュフローの推移です。 営業キャッシュフローは企業が本業で稼いだ現金の額です。
Azureの売上が急激に伸び始めたのは2016年頃です。そこを境に営業キャッシュフローも急上昇しています。
■マイクロソフト(MSFT)のフリーキャッシュフローの推移
これはマイクロソフトのフリーキャッシュフローの推移です。
フリーキャッシュフローは営業キャッシュフローから設備投資に使った金額を差し引いた額で、企業が自由に使えるお金です。
これも2016年を境に、フリーキャッシュフローが伸びています。
AzureやOffice365によって現金の稼ぎ=営業キャッシュフローが増えたことで、自由に使える現金=フリーキャッシュフローが増えました。
それを配当金や自社株買いの原資として使うことで、株主に利益を還元し続けることができています。
日本では現金を稼いでも、内部で貯めまくってどこにも還元しない企業が多いのが課題となっていますが、米国はその現金を株主に還元する企業が多いです。
それが世界中の投資家の資金が米国企業に流れていく理由の一つだと思います。
マイクロソフトは、その株主還元力の強い米国企業の代表的な存在と言えます。
これからも手放すことができない銘柄となりそうです。
他の記事の紹介です。
マイクロソフトの2019年Q4の売上は過去最高でした。この好調な業績が今回の増配に繋がっています。
米国企業の過去の営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローはMorningstarのサイトで簡単に調べられます。
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