【米国株】公益セクターAmerican Water Works(AWK)は利下げ局面で強い?
対中関税の引き上げをきっかけとして、5月のアメリカの株価は下落しました。
そんな中、堅調だったのが公益セクターの銘柄です。
私が保有している水道株「American Water Works(AWK)」も株価が大きく上昇しました。
公益セクターは利下げ局面に有利と言われています。
と言うことは、年内の利下げ観測が強まる今後も期待が持てるのでしょうか?
でも、利下げ局面に有利な理由を探ってみると、喜ばしいことばかりでもないようです。
頻繁な設備投資を必要とする公益セクターは負債を多く抱えるからです。
American Water Worksを例に見てみましょう。
American Water Works(AWK)の株価は5月に上昇。中国の影響が少ないことが好材料
2019年5月、アメリカが中国に対する関税を引き上げるとの発表を受けて、米国の株価は下落に転じました。S&P500は5月だけで7%近く下がりました。
しかし、公益セクター American Water Works(AWK)の株価は逆に上昇しています。
■AWK 6ヶ月チャート
AWKの株価チャートです。5月は株価が約5%上昇しました。
AWKのような公益セクターの企業は中国の影響が極めて小さいです。
米中貿易摩擦の激化を嫌った投資家の資金が、公益セクターの銘柄に流れていったのでしょう。
この好調は今後も続くのでしょうか?
公益セクターは利下げ局面に有利と言われているので、年内に利下げが行われるのであればAWKに有利に働くのかもしれません。
でも、何で利下げが公益セクターにとって有利なのでしょうか。
債券の利回りが下がるので、高配当銘柄が多い公益セクターが買われやすくなるというのが理由の一つです。
他の理由として、公益セクターには負債を抱える企業が多いという点にもあるようです。
公益セクターは借金持ち。利下げ=借入金額の削減で経営効率アップ?
公益セクターの特徴はフリーキャッシュフローを見ると分かりやすいです。
次のグラフはAWKの営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローの推移です。
■AWKの営業キャッシュフローとフリーキャッシュフロー
本業で稼いだ現金を示す営業キャッシュフローは伸びていますが、企業が自由に使える現金であるフリーキャッシュフローは常にマイナスです。
稼いだ現金より、投資に回しているお金の方が多いということです。
これはAWKがダメと言うわけではなく、公益セクターの企業は大体こんな感じです。
公益セクターはその事業の特性上、大きな投資コストが必要になるからです。
AWKの場合は水道設備のメンテナンスコストですね。
アメリカの上下水道設備は古いらしく、AWKは今後25年で1兆ドル(!)のメンテナンスコストが必要だと試算しています。
そんな事情もあって、公益セクターの企業は銀行から調達した融資を設備投資に充てて、稼いだお金で融資を返済する経営になっているところが多いようです。
ここで利下げが有利に働きます。
利下げが行われれば、銀行に返す利息が少なくなり、経営的には楽になります。
FRBが利下げを敢行すれば、AWKのフリーキャッシュフローもプラスに転じるかもしれませんね。
でも、負債を抱えないといけない企業に投資するというのは、長期的に見てどうなんでしょうね。
いつかその負債が重しとなって、配当金を増やせなくなるといったことはないのでしょうか。
そうなると長期的なリターンに期待が持てなくなります。
公益セクターの企業は他の業種より売り上げの予測が立てやすいから、借金もコントロールしやすいのかもしれませんが、少し不安です。
やっぱりキャッシュを多く持っている企業の方が、長期投資先としては安心できる気がします。
ディフェンシブ銘柄とは言え、公益セクターの保有比率は程々にしておきたいと思いました。
他の記事の紹介です。
AWKの前回の決算をまとめた記事です。AWKはメンテナンスコストの削減を目標に掲げています。
AWKの営業キャッシュフローマージンは40%超です。
それでもフリーキャッシュフローがマイナスとは。。。
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