American Water Works(AWK) 2019年Q2決算 株価が上昇に転じる
公益株なのにS&P500を凌駕するパフォーマンスを見せつけている『American Water Works(AWK)』。
彼らは北米最大の民間水道会社です。
2019年Q2の決算も地味~に堅調な結果となりました。
再び緊張が走る貿易摩擦を背景に株価も反発し、過去最高値へ再チャレンジします。
AWK 2019年Q2決算 悪天候で売上が鈍るもEPSは前年から2桁成長
American Water Works(AWK)の2019年Q2の売上高とEPSです。
EPSは94セントと前年から13%以上増加。市場予測とほぼ同じ値です。
売上高は8.8億ドルで、これは市場予測に届きませんでした。
利益増加の要因は、オーガニック・グロースと契約者の増加、2018年の「Pivotal Home Solutions」というホーム・ワランティ保険を扱う企業の買収効果によるものです。
一方で、アメリカ北東部と中西部の悪天候が影響して水道の利用が減少し、売り上げが伸びなかったことも報告されています。
部門別に見ると、一般家庭に上下水道を提供する『Regulated Businesses』部門の調整後純利益は1.56億ドル。前年同期から約3%の増加でした。
2019年に入って、契約数が37,200件増加したことが成長に繋がっています。
その中には、イリノイ州オールトンの下水道サービスの契約数23,000件の増加が含まれます。
これ以外にも38,200件の契約増加が後に控えており、地味ながらも売り上げが増えることが予想されます。
もう一つの部門である『Market-Based Businesses』。
これは、軍、自治体、石油・ガス採掘場に水道を提供したり、保険等のサービスを提供する部門ですが、この部門の純利益は2,100万ドルでした。
「Regulated Businesses」部門に比べると小規模ですが、純利益は前年から60%増加しています。
前述したホーム・ワランティ保険を扱う「Pivotal Home Solutions」の買収効果がメインです。
株価反発は米中貿易摩擦が原因。今後はコスト改善目標を達成できるか注目。
毎度のことながら華やかさのかけらもない、だけど堅実な決算のAmerican Water Works(AWK)ですが、8月1日は株価がかなり上昇しました。
■AWK 株価チャート
最近ずるずると下がっていましたが、8月1日は反発。前日から2%近く上昇しました。
これは決算が好感されたから、、、、ではなくて、トランプ大統領のおかげです。
中国に関税を追加すると発表し、米中貿易摩擦が再び盛り上がってしまったので、公益セクターの銘柄が買われました。
このまま過去最高値を更新してほしいですが、あまり嬉しくない株価上昇ですね。
米中貿易摩擦が原因で、公益セクターのAmerican Water Works(AWK)の株価は年初からS&P500を上回るパフォーマンスを続けていますが、この上昇がいつ崩れるのか少し不安です。
ただ、AWKの株を売却するなら、貿易摩擦のような外的な要因でなく、AWKの事業が上手くいっているかどうかで判断したいものです。
AWKにはコスト削減という目標があります。
公益セクターは設備の維持に大きなコストが必要です。そのコストを効率化でければ、利益の向上に大きく寄与するからです。
そのために、AWKは「O&M efficiency ratio」という設備投資コストを売上で割った数値を2023年までに31.5%にすることを目標として掲げています。
この数字が予定通り減少していなければ、AWKに少し慎重になった方が良いのかもしれません。
今回の決算では「O&M efficiency ratio」が35.4%と発表されました。
Q1では35.5%だったので、前期から0.1%の削減率です。年々、削減率が小さくなっているので、目標達成できるか微妙なところかも。
この「O&M efficiency ratio」が増えてしまうようなことがあれば、売ってしまうというのも売却基準の一つとしてありかな?と思っています。
現時点では貿易摩擦の中で強固な守備力を発揮してくれているので、完全に手放す気にはなれないですけどね。
他の記事の紹介です。
米中貿易摩擦が盛り上がると強さを発揮する公益セクター。今年はそんな動きが続いていますね。
AWKは営業キャッシュフローマージンも優秀です。
水道でそんなに稼いでいいんでしょうか。。。
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