バンガードとIMFの世界経済見通し 米国は2020年に減速 新興国は復活?
アメリカの利下げ、米中貿易交渉、イギリスのEU離脱、日本の消費税増税。
2019年後半は、世界各国の経済にインパクトを与えるイベントが相次ぎます。
これからの世界の経済成長はどうなるのでしょうか?
米国の資産運用会社 バンガード、そしてIMF(国際通貨基金)が発表した世界経済の見通しをチェックしてみました。
米中貿易摩擦の影響で新興国とヨーロッパの経済成長は減速
バンガードが発表した2019年の経済成長率の予測です。
Vanguardより引用
括弧内の数値は今年初めに出した予測です。
殆どの地域で成長率の予測を下方修正しています。
特に中国(China)の経済成長の減速を大きなトピックとして挙げています。
6.2%は過去30年で最も低い成長率です。
大きな懸念事項は、やはり米中貿易交渉の激化です。
2020年も減速傾向は続き、経済成長率は5.8%~6%まで落ちるかも?と予測しています。
中国の影響を受けやすい他の新興国市場(Emerging markets)も4.4%の成長に下方修正していますね。
新興国以上に下方修正されているのがEU(Euro area)です。これも原因は中国の減速にあります。
中国はEUにとって最大の輸入相手であり、2番目に大きい輸出相手と中国経済の影響を受けやすいからです。
イギリスの合意無きEU離脱による影響も懸念事項に挙げています。
桁違いな低成長率を発揮するのは日本です。今年の経済成長率は0.6%に下方修正されました。
オリンピック関連の需要はあるものの、世界の貿易摩擦の影響で輸出が減少し、経済成長率は落ちるだろうと予測されています。
多くの地域が下方修正される中、アメリカは2.0%に据え置かれています。
他の国より貿易の影響を受けづらいことが理由のようです。
この予測を見ていると、「やっぱり米国株が安定?」のような感想を抱いていしまいます。
IMFの経済成長見通し 2020年に新興国とヨーロッパは持ち直す?
一方で、IMF(国際通貨基金)が発表した世界経済見通しでは、2020年にヨーロッパと新興国の経済成長は持ち直すとされています。
■先進国の経済成長見通し
ニッセイアセットマネジメントより引用
先進国ではEU、イギリスの経済成長率が2020年に持ち直しています。外需の回復が予想されているためです。
アメリカは減税等の財政政策の効果が落ちるので、2020年に成長が鈍ると予測されています。
それでも他の先進国よりは高い成長率を誇っているので、やはり投資先としてはアメリカが安心でしょうか?
日本は、、、見る影もないですね。消費税増税の景気への影響は避けられないと見られているようです。
■新興国の経済成長見通し
ニッセイアセットマネジメントより引用
新興国では中国の経済成長は減速しますが、インドや東南アジア、南米は2020年に好転するとされています。
お?これは新興国への投資チャンスか?
でも、この2020年の好転には前提があって、
「貿易摩擦やイギリスの合意無き離脱、イランの緊張等が各国の経済政策を阻害しないこと」
が条件のようです。
何か好転しない気がしてきました。。。
最近のこういうレポートを見ると、世界経済は減速するとされていることが多く、投資を続けていて大丈夫か?と不安になってしまいがちです。
でも、投資のゴールは2020年ではなく、もっと先にあることを心がけたいですね。
減速・下落の後には回復・上昇が待っているはずです。その恩恵を受ける最低条件が「投資を止めないこと」だと思います。
そう考えれば、これからの経済成長の減速も受け入れる価値があると思えるでしょう。
目先の予測に右往左往せず、粛々と投資を継続するメンタルを育みたいです。
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