ディズニー 2019年Q2決算 テーマパークの売上が好調で株価も絶好調?
新ストリーミングサービス「Disney+(ディズニープラス)」への期待で、株価が超絶好調なウォルト・ディズニー(DIS)。
そんな中で迎えた2019年Q2の決算はテーマパークの売上が好調。市場予測を超える結果となりました。
一方で、増え続けるストリーミングサービスの投資コストが利益を押し下げており、油断は禁物です。
ディズニー(DIS) 2019年Q2決算 テーマパーク事業の売上が好調で市場予測を超える。
ディズニーの2019年Q2の決算結果です。
■ディズニー(DIS) 2019年Q2決算
売上は前年度から3%増加。市場予測の143.6億ドルを越えました。
純利益は80%以上も増加しています。これは特別減税の効果とHuluの経営支配権を得たことで獲得した利益が計上されているためです。
一時的な利益の増加を除いたEPS(1株あたりの利益)は1.61ドルでした。前年度から減少しましたが、市場予測の1.58ドルは超えました。
売上が市場予測を超えて増収となったのは、テーマパーク事業が好調だったことが大きいです。
その一方で、ストリーミングサービスの投資コストが増えたことで営業利益、EPSが押し下げられました。営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローも下落しています。
各事業毎に業績を見てみます。
■Parks, Experiences and Products
テーマパークやグッズ販売を手掛ける部門です。
売上は5%増、営業利益は15%増と好調でした。
アメリカ国内のディズニーワールドの集客が増えたこと、チケットの値上げ等によって利益が上がったことが要因です。
海外では香港のディズニーリゾートが好調でした。
また、PlayStaion4のゲームソフト「キングダムハーツ3」のロイヤリティ収入も貢献したようです。
キングダムハーツ3!
ディズニーの決算報告書でこの名前を目にするとは。私、1~3までクリア済みです。
■Media Networks
「Media Networks」はテレビ事業を手掛けます。
売り上げは横ばい。営業利益は3%の減益です。
スポーツ専門チャンネルの「ESPN」では広告収入が増えました。
しかし、ABCテレビ等の放送事業の広告収入減少やコスト増加が響いて売上、営業利益が押し下げられました。
■Studio Entertainment
次は、映画事業を手がける「Studio Entertainment」です。
映画事業は減収減益です。
Q2は「キャプテン・マーベル 」がヒットしました。
しかし、前年度は「スターウォーズ 最後のジェダイ」や「ブラックパンサー」がそれ以上の成功を収めていたので、比較すると減収減益となりました。
ちなみに「アベンジャーズ/エンドゲーム」が世界歴代2位の興行収入を達成しようとしていますが、これもディズニー傘下のマーベルの映画です。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」の興行収入は次回の決算に反映されます。
Q3の「Studio Entertainment」部門は安泰ですね。
■Direct-to-Consumer & International
最後はストリーミングサービスを手がける「Direct-to-Consumer & International」です。
売上は増えていますが、営業利益は着実に赤字を積み重ねていますね。
ディズニーは既にスポーツ専門のストリーミングサービス 「ESPN+」を展開しています。
そして、今年の11月に新ストリーミングサービス「Disney+(ディズニープラス)」を立ち上げます。
さらにはHuluの経営支配権も手に入れています。
これらのストリーミングサービスへの投資コストが増えているので、赤字になっています。
ディズニーは「Disney+」が黒字になるのは2024年と見込んでいるので、もう暫くこの部門は赤字の状態が続くのでしょう。
ディズニー投資家は我慢を強いられますね。
ここまで、ディズニーのQ2の決算結果を見てきました。
ストリーミングサービスには膨大な投資コストが必要のようですが、それに伴う損失をテーマパーク事業で補うという、今のディズニーにとっては理想的な決算のように思えます。
今年のディズニー(DIS)の株価は絶好調も正念場はこれからか
今年のディズニーの株価は好調です。
■ディズニー(DIS) 株価チャート
4月にディズニープラスの詳細が発表され、Netflixより料金体系が安いことが分かった途端、株価が大きく跳ね上がりました。
今回の決算発表後も株価は安定しています。
今、米中貿易摩擦の雲行きが怪しくなったせいで株式相場は荒れていますが、ディズニー(DIS)はそこまで下がっていません。
今後もこの調子でいってほしいものですが、やっぱりコストがかさんで、営業利益やフリーキャッシュフローが下がっているのは気になります。
ストリーミングサービスで継続的な利益を得るために必要な投資なので、仕方ないと思いますが。
前述したとおり、ストリーミングサービスの黒字化は2024年頃を見込んでいるようなので、それまでは他の事業で損失をカバーする必要があります。
今後もテーマパークや映画といった既存事業が安定した収益を上げることが、ストリーミングサービス成功の鍵とも言えるでしょう。
もし、既存事業の業績が低迷してストリーミングサービスの損失が表立ってくると、株価が急落する気がします。これからが正念場なのかもしれません。
ただ、テーマパークや映画というと、ヒット作が出る・出ないに業績が依存するイメージがありますが、ディズニーはそこまで大崩れせず、安定した利益を出し続けると思います。
テーマパークは競合相手がほぼいないですし、映画については今後も「スターウオーズ」「アバター」「X-MEN」等、ヒットが期待できる人気シリーズが続々と公開されますから。
続編で稼ぎまくるディズニー。やっぱ、コンテンツを持っているって強いですね。
そして、ヒットした映画をディズニープラスで独占配信することで、ディズニープラスの加入者を増やす。そういった循環が上手くいってほしいと思います。
ちなみに、「アベンジャーズ/エンドゲーム」は今年の12月にディズニープラスで配信されることが決まっています。
果たして、加入者増加の起爆剤になれるでしょうか。
他の記事の紹介です。
ストリーミングサービスには期待していますが、競争が激しいという点でリスクもあると思います。
ディズニーは前回決算でもコストがかさんで営業利益、キャッシュフローが減少していました。
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