株式と相関が低い分散投資先はJリート?効果のある分散投資を考える。
「リスクを抑えるために分散投資を心がけよう!」
良く使われる言葉ですが、やみくもに複数の商品に分散投資をしても効果は得られません。
例えば、先進国株と新興国株に分散投資をしたとします。
世界の株価の値動きは連動する傾向にあるので、同時に価格が下がることが多く、リスクを抑えられるとは言い難いです。
リスクを抑えた分散投資を成功させるには、できるだけ値動きが異なる商品を組み合わせる必要があります。
果たして株式と組み合わせるべき投資商品は何なのか?
分散効果の点から調べてみました。
先進国株式と相関係数が低い投資先は国内債券とJリート
投資商品の値動きの傾向の近さを示す指標として「相関係数」と呼ばれるものがあります。
相関係数は投資対象が異なる2つの投資商品が、似た値動きをするほど「+1」に近づき、逆の値動きをするほど「-1」に近づきます。
この相関係数が低い投資商品を組み合わせれば、高い分散効果を期待することができます。
私の投資資産の大部分は米国を始めとした先進国株式です。
なので、先進国株式と他の投資商品の相関係数を調べてみました。
やはり、先進国株式と新興国株式は相関係数が0.87と高いです。海外リートも値動きが近いですね。
先進国株式と新興国株式、海外リートを組み合わせても、それほど大きな分散効果は得られなさそうです。
先進国株式と相関係数が低い、つまり値動きの傾向が違う投資先は国内債券と国内リート(Jリート)ですね。
先進国株式とこの2つを組み合わせれば、比較的高い分散効果を期待できそうです。
先進国株式と組み合わせるならJリート?
先進国株式と相関係数が低い投資先は国内債券とJリートのようですが、分散投資先としてはJリートの方が良いと思います。
Jリートが良いというより、国内債券を投資対象とするのは難しいと思うからです。
国内債券はインデックスファンドやETFで手軽に投資できますが、現在の日本はマイナス金利政策を続けていることもあり、政策金利が非常に低い状態にあります。
国内債券インデックスファンドやETFは、金利が上がれば価格が下がることになるので、将来、日本の政策金利が上がることがあれば、原本割れしてしまう可能性があるでしょう。
利回り自体が低いので、得られる利益よりリスクの方が高い気がします。国内債券に投資するなら、現金で持っておいた方がよいと思います。
そうなると、分散投資先の第一候補はJリートになります。
Jリートの分配金利回りは約4%と高い水準を保っています。低利回りの国内債券に代わる投資先としても人気を集めています。
このJリートの利回りの源泉は不動産の賃貸収入料です。
「これから人口が減少する日本で、不動産って大丈夫か?」
と思うこともありますが、Jリートが投資する物件の殆どは東京にあります。
日本の地方では人口が減少してますが、東京は人口が増加する傾向が続いていて、オフィスの空室率も低い水準を維持しています。
訪日外国人が増加すればホテルやお店の増加も期待されるので、しばらくは有望な投資先として期待できるのではないでしょうか。
その期待のせいでしょうか? 国内株式指数であるTOPIXが年明けから殆ど上昇していないに関わらず、東証リート指数は年初来で17%以上も増加しています。
■東証リート指数(過去1年間)
一方で米国のS&P500は年初来で13.5%の上昇です。
この間に円高が進んでいるので、円換算の利回りはもっと低いです。
なので、今年はJリートのパフォーマンスがS&P500を圧倒している状態です。
世界の株式が上がったり下がったりを繰り返している中、Jリートは全然違う値動きで上昇を続けていました。
米国株や先進国株式に集中投資するより、Jリートにも分散投資をしていた方が良い結果を得られたことになります。
私は今まで、ほぼ株式のみで資産運用をしてきました。
米国株を中心に、先進国株、日本株、新興国株を組み合わせて、いわゆる「国債分散投資」をしていましたが、大きく下がる時は共倒れすることが多いです。
株式の国際分散投資は各国の成長を取り逃さないために行うものであり、株価の下落リスクを抑える効果はあまり無いと感じています。
株価の下落リスクを抑えるのであれば、値動きが違うものに分散投資する必要があります。
Jリートはその分散投資先の第一候補になり得るかなと思いました。
Jリートは為替リスクが無いことも、先進国株と組み合わせる投資先として魅力的です。
ただ、リートは債券と異なり、株式と同じくらい価格変動が大きいです。
投資金額を増やしすぎるとリスクを高めてしまう結果につながります。
その点は注意が必要ですね。
リスク資産に対するリートの比率が大きくなりすぎない程度に投資してみようかと思っています。
他の記事の紹介です。
ノルウェー政府年金基金のポートフォリオの3%は不動産です。リートもこの程度にしておいた方がいいかもしれません。
株式の国際分散投資をする理由は、米国株優位の状態が崩れた時の予防策です。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
良ければクリックお願いします。