おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

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eMAXIS Slim新興国株式の国別比率 TOPはケイマン諸島 。ケイマン?

低コストなインデックスファンドを連発するeMAXIS Slimシリーズの中の『eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンド』。

これ一本で今後の成長を見込める新興国に投資できるインデックス投信です。

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eMAXIS Slim新興国株式の国別比率1位はケイマン諸島?

ところで、eMAXIS Slim新興国株式の月間レポートを見ていて気になることがありました。それは国別の組入比率です。

 

■eMAXIS Slim新興国株式の国別組入比率

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1位はケイマン諸島。そして新興国の中でも株式時価総額が大きいはずの中国が台湾より下位になっています。

このケイマン諸島って聞いたことがない人もいるかもしれませんね。

さらにeMAXIS Slim新興国株式の上位銘柄を見るとクエスチョンマークが増えてくるかもしれません。

■eMAXIS Slim新興国の上位銘柄

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ケイマン諸島の企業として「テンセント」「アリババ」「バイドゥ」があります。

「あれ?それ、中国の企業じゃないの?」

と思いませんか?

「テンセント」「アリババ」「バイドゥ」の登記上の拠点がケイマン諸島なので、間違いではいようです。

アリババ、テンセントの拠点は何故ケイマン諸島なのか?

「ケイマン諸島は中国と関連深い国だからとか?」

いいえ。ケイマン諸島はカリブ海のイギリス領土の地域です。

キューバとジャマイカの間あたり?にあります。

 

このケイマン諸島はタックスヘイブンとして有名で、企業の法人税は無しで済むようです。

ただ、アリババやテンセントがケイマン諸島を拠点としている理由は法人税を浮かせることが主な目的ではなく、中国特有の事情があります。

 

アリババやテンセントが設立されたころ、中国の企業は海外からの出資を受けるのが厳しく制限されていました。これを回避するためにケイマン諸島に持株会社を設立して外国からの出資を受けれるようにしました。

この持株会社が中国国内で事業を行うグループ企業を傘下に収めて経営していくスタイルです。

 

でも、ケイマン諸島にあるアリババは中国から見ると外資企業です。これだと規制で中国国内のグループ企業に出資できないように見えますが、中国には外資規制から除外されるWFOE(Wholly-Foreign Owned Enterprise)という業種があります。

 

アリババもこのWFOEに該当する企業を100%子会社として保有していて、この子会社に出資します。そして、WFOEに該当する子会社が他のグループ企業に融資をしたりして経営を行っています。

 

このような事情からアリババ、テンセント、バイドゥの所在地はケイマン諸島になっています。最近は上記のような外資規制も緩和されてきているようですけど。

 

アリババ、テンセントは中国に上場していない

アリババもテンセントも当然、中国でビジネスを展開していますが、持株会社は外資系企業扱いなので中国本土には上場できていないです。

アリババはニューヨーク、テンセントは香港に上場しています。なので、アリババやテンセントの株はアメリカのドルか香港ドルで買うことになります。

ちなみに、テンセントは音楽部門のテンセント・ミュージックがアメリカ上場へ向けて申請を進めています。

 

今年になってアリババやバイドゥが中国本土の市場にCDR(中国預託証券)の形で上場するというニュースがありましたが、その後実現したというニュースは目にしていません。どうなったんでしょうね。

 

eMAXIS Slim新興国株式の国別比率1位は中国です

eMAXIS Slim新興国株式の月間レポートで国別比率TOPはケイマン諸島でしたが、ケイマン諸島にある企業は持株会社であり、実際に企業としての活動はしていないでしょう。

実際に活動しているのは中国の企業なので、中国企業としてカウントした方が購入する人もイメージが付きやすいと思います。

このように考えるとeMAXIS Slim新興国株式の国別比率は次のようになります。

 

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これは何かと言うと「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」の月間レポートにある国別組入比率です。

eMAXIS Slim新興国株式もニッセイ新興国株式も採用する指数は同じ「MSCIエマージング・インデックス」なので、国別の組入比率も大体同じになります。

ニッセイはアリババやテンセントをケイマン諸島とせずに、中国としてカウントしていますね。

 

実際、MSCIエマージング・インデックス指数でもアリババやテンセントは中国としてカウントしています。

なんでeMAXIS Slimはケイマン諸島としてカウントしたんでしょうね。

別に嘘ではないですけど、ケイマン諸島と言われても購入する人はピンと来ないのではないのでしょうか。

組み入れ比率で中国が大きく見えるのが嫌だったのか?と思ってしまうのは考えすぎ?

 

新興国株式インデックスファンドの浮沈のカギは中国の株価?

ここまで見てきた通り、eMAXIS Slim新興国株式を始めとした新興国株式インデックスファンドの中国企業が占める割合は多いです。浮沈のカギは中国企業が握っています。

 

■上海総合指数

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これは上海総合指数のチャートです。今年になってずっと下降線ですが、先週は反発してきました。このまま浮上してくれるでしょうか。

 

でも、よくよく考えるとこの上海総合指数に「アリババ」も「テンセント」も「バイドゥ」も含まれないってことですよね。

個別株の方も見ておいたほうがいいかも。

■テンセント 株価チャート

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香港市場に上場しているテンセント株のチャートです。上海総合指数と似てますね。昨日は9%以上上昇していました。

■アリババ 株価チャート

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NY市場に上場しているアリババのチャートです。こっちも下がってますね。

 

今まで気にしたことなかったんですけど、今年はアリババもテンセントも株価は苦戦しているんですね。

中国は政府が企業に余計な規制をかけてくるんじゃないかとか、何となく不安な点はあります。ですが、超巨大なマーケットを国内に持っているので、中国に全く投資しないということは、今後の成長の恩恵を逃がすことになりかねません。それも、ある意味リスクだと思います。

でも、当面は株価のアップダウンが激しそうなので、「eMAXIS Slim新興国株式」で控えめな比率で積立しておいて、将来、安定して上昇基調に乗ってきたら積立額を少し増やす、下落基調になったら積立額を減らすというのもありでしょうね。

 

最後に関連記事の紹介です。

 

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)でも新興国は買えますが、新興国比率を自分で変えれないので私の好みではないです。ところで、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の組入比率にもケイマン諸島って出すのかな?

私はSBI新興国株式を購入しています。こちらは韓国が含まれていないので、東アジアへの比率偏りが少し解消されます。


 

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