新興国投資はeMAXIS Slim新興国だけではダメ?東南アジアの比率に注目
「21世紀はアジアの時代だ!」
そんな言葉が表す通り、今後の世界経済の成長を引っ張るのはアジアの新興国と言われています。
それなら新興国にも少しは投資をしておきたい。
「じゃあ、eMAXIS Slim新興国でも積み立てておきますか~?」
と行きたくなります。
でも、「未来の成長」と言う側面から見ると、eMAXIS Slim新興国だけでは不充分かもしれません。
鍵となるのは東南アジアの割合です。
未来の世界経済の成長は東南アジアが引っ張る?
今後20年の世界経済の成長率は、今より減速する可能性が濃厚です。
フィデリティ証券の調査では、過去20年の世界のGDP年間平均成長率は2.7%でした。
それが、今後20年では2.1%程度になると予測されています。
それでも、国によっては経済成長率が大きく減速することなく、高い成長率を維持するところもあります。
■過去20年と今後20年のGDP成長率の比較
www.fidelity.comより引用
これは過去20年のGDP成長率と次の20年のGDP成長率の予測を、主要な国ごとに比較したものです。
青の棒グラフが次の20年のGDP成長率。赤いひし形は過去20年のGDP成長率です。
これを見ると、次の20年で経済成長率が高いのはインドとインドネシア、フィリピン、マレーシアといった東南アジア勢です。
中でも、インドネシア、フィリピン、マレーシアは現在の高い経済成長率を維持し続けると予測されています。
一方で中国の経済成長率は過去と比べて大きく低下しています。
東南アジアが高い経済成長を維持し、中国が低下すると予測される原因は労働人口の増減にあります。
労働人口の減少は生産力の低下を招くので、GDP成長率の減速にダイレクトに響いてきます。
中国は一人っ子政策の影響なのか2012年頃から労働人口が減少し、今後も高齢化が進んでいきます。
それに対し、東南アジアは今後も労働人口が増加します。
■東南アジアの労働人口予測
三菱総合研究所のレポートより引用
これが東南アジアの経済成長率を押し上げると予測されています。
eMAXIS Slim新興国は東南アジアの比率が小さい
経済成長率や労働人口の増加率を考えると、新興国に投資するならインドや東南アジアの比率を大きめにしておきたいところです。
しかし、「eMAXIS Slim新興国株式」のような新興国に投資するインデックスファンドではそれが実現できません。
■MSCIエマージング指数 国別比率
これは「eMAXIS Slim新興国株式」の採用指数であるMSCIエマージング・インデックスの国別構成比率です。
「eMAXIS Slim新興国株式」は中国、韓国、台湾といった東アジアが50%以上を占めます。
ちなみに韓国も中国同様、今後は高齢化社会に突入します。
一方で、東南アジアはタイが最も多く2.9%程度です。
インドネシアやフィリピンは上位10位に入っていませんね。
インドネシアの比率は2.1%程度で、マレーシアとほぼ同じ。フィリピンについては1.1%程度です。
「eMAXIS Slim新興国株式」のようなインデックスファンドは現在の株式時価総額をもとに組み入れ比率が決まります。
どれだけ将来の経済成長が期待されている国でも、その国の株式の時価総額が大きくならないと、組入れ比率は上がりません。
でも、新興国に投資する理由って何でしょうか。
せっかくリスクを負って新興国に投資するのであれば、今の実績より未来の成長に期待したくならないでしょうか?
そんな人には「eMAXIS Slim新興国株式」だけでは不充分なのかもしれません。
未来の成長が期待できるインドネシア、フィリピン、マレーシアの比率を引き上げてみたいところです。
インドネシア、フィリピン、マレーシアにはETFで投資をすることが可能です。
【インドネシア】
iシェアーズ MSCI インドネシア ETF (EIDO)
経費率 : 0.62%
配当利回り : 3.22%
【フィリピン】
iシェアーズ MSCI フィリピン ETF(EPHE)
経費率 : 0.62%
配当利回り : 1.33%
【マレーシア】
iシェアーズ MSCI マレーシア ETF(EWM)
経費率 : 0.49%
配当利回り : 3.48%
何れもBlackRockが販売するETFです。経費率もそこまで高くはありません。
インドネシアやマレーシアは配当利回りも高めですね。
未来の経済成長に期待する新興国投資。
eMAXIS Slim新興国株式を積み立てるだけでなく、東南アジアに投資するETFで東南アジアの比率を引き上げることで、その経済成長を取り込める可能性が上がります。
私は「SBI・新興国株式インデックスファンド」で新興国に投資していますが、それにEPI(ウィズダムツリー インド株収益ファンド )というインドに投資するETFを加えてインドの比率を上げています。
インドも労働人口が増加し、高い経済成長が予測されていることがその理由の一つでした。
同じ理由で、次はインドネシアやマレーシアのETFを買うのも面白いかもと思っています。
新興国の比率を上げすぎるのも危険なので、買う時期は慎重に考えたいですけどね。
他の記事の紹介です。
私は新興国株式にも投資していますが、最も投資比率が高いのは中国ではなく、インドです。
EPIというインドの高収益企業に投資するETFでインドの比率を上げています。
「SBI・新興国株インデックス」は「eMAXIS Slim新興国株式」と違って韓国に投資しません。少しだけ東アジアへの偏りが解消されるので、私はこちらに投資しています。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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