【米国株】リセッションに強いセクターは生活必需品、ヘルスケア、公益
景気にはサイクルがあり、その局面に応じて株が買われるセクター(業種)が入れ替わると言われます。
「今は景気サイクルのどの辺り?」
「その時、買わる株は何?」
それを知ることは、私たちの投資生活に大きなヒントを与えてくれるのではないでしょうか。
フィデリティ証券のレポートをもとに景気サイクルとセクターの関係性を見てみます。
景気は4つのサイクルに分類される
フィデリティ証券のレポートでは、景気は4つのサイクルに分類されるとされています。
次のようなサイクルです。
拡大期(early phase)⇒ 成熟期(mid phase) ⇒停滞期(late phase) ⇒ 後退期(recession phase)
各フェーズの特徴を見てみましょう。
・拡大期
リセッションから回復する時期です。
経済活動が活発な状態に転換し、企業の売上や利益は成長を続けます。
・成熟期
リセッションからの急回復が一段落して、緩やかな経済成長が続く時期です。
・停滞期
景気がピークを迎え、経済成長が減速する時期です。
インフレ圧力が弱まったりして、企業の収益を圧迫し始めます。
・後退期
リセッションの時期です。企業の収益が減少し、株価も。。。。
私のお金が大きく目減りする時期でしょうか。
今の米国経済は停滞期に位置していると言われています。
いつリセッションを迎えるのかが専らの話題です。
■景気は4つのサイクルに分かれる
www.fidelity.comより引用
では、停滞期の今、そしてこれから迎えるであろう後退期(リセッション)に強いセクターはどこなのでしょうか?
各フェーズで買われやすいセクターをチェックしておきましょう。
景気サイクルとセクターの関係 生活必需品、ヘルスケア、公益に注目
まずは拡大期です。
景気拡大期は幅広いセクターが買われますが、特に強いのは「一般消費財」「不動産」「金融」です。
これらは、消費者の購買力上昇の恩恵を受けやすいセクターだからです。
同様の理由で「資本財」「情報技術」セクターの株価も復活していきます。
続いて成熟期です。
この時期は特別強いセクターがあるわけではないですが、過去のデータで最も強かったのは「情報技術」セクターです。
景気が安定してきた安心感から企業の設備投資が増え、半導体やハードウェアを扱っている企業の株が買われやすくなります。
次は停滞期です。今の米国経済はこのフェーズに位置しているようです。
この時期は「エネルギー」や「素材」が強いそうです。
景気がピークを迎えてるということは、インフレ率が相対的に高い状態であることが多いです。
物価が高い時期なので、現物の価格が収益に大きく影響する「エネルギー」「素材」セクターの株が良く買われます。
他に「ヘルスケア」や「生活必需品」、「公益」セクターも良く買われます。これは差し迫るリセッションにそなえて、ディフェンシブな銘柄を物色する人が多くなるためです。
この辺りは今の米国市場にも当てはまりますね。
最後は後退期、リセッションです。
停滞期の箇所で答えが出ていますが、リセッション時は相対的に「ヘルスケア」「生活必需品」「公益」セクターが強いと言われています。
景気に関係なく需要があるためです。
不景気だろうが、医療や食品、日用品は必要だし、電気・ガス・水道は普通に使いますからね。
それに、これらのセクターは高配当株が多いので、確実に利益を得られる配当金目当てで投資する人が増えます。
各フェーズ毎にどのセクターが強いかをまとめると、こんな感じになります。
■景気サイクルとセクターの関係
これから景気後退期に向かうとされる今は、「生活必需品」「ヘルスケア」「公益」を重視した方が良いということでしょうか。
ちなみに「通信サービス」は2018年に大きな銘柄入れ替えがあり、Facebook、Google、Disneyといった企業が入っていますので、過去の実績は通用しません。
情報技術と同様、景気拡大期にも買われそうですね。
保有銘柄がどの景気フェーズに強いのかチェックしましょう
セクターローテーションという投資手法があります。
これからやってくる景気フェーズを予測して、その時に強いセクターの銘柄に投資対象を入れ替える手法です。
確かに効果が高いように思えますが、実行するのは難しそうですね。
どれくらい待てば次のフェーズに移るのかなんて分からないですし、そもそも今はどのフェーズにいるのかといったことも、普通に生活していたら意識しませんから。
私達が最初にすべきことは、
・保有銘柄が強いフェーズはどこに該当するか?
・それは特定フェーズに偏っていないか?
をチェックすることでしょう。
例えば「生活必需品」「ヘルスケア」ばっかり買っていると、今は良いかもしれませんが、景気拡大期での上昇が小さくなってしまうかもしれません。
逆に「情報技術」「一般消費財」あたりに集中していると、次にやってくるリセッションで悲鳴を上げることになるでしょう。
そんな悲劇を避けるためにも、景気拡大期に強いセクター、景気停滞・後退期に強いセクターの銘柄をバランス良く保有しておくことを、まずはチェックすべきだと思います。
そのうえで、定期的にリバランスしていくのが無難な手法でしょうか。
例えば、景気後退期には「情報技術」セクターの保有比率が大きく下がると思います。
リバランスして「情報技術」セクターの株数を増やしておけば、景気拡大期に大きな恩恵を受けられるかもしれません。
今のアメリカは年内利下げの可能性が強まり、次の景気フェーズ(リセッション?)に移るような空気を醸し出しています。
そんな今だからこそ、自分の保有銘柄がどの景気局面で買われやすいのか、しっかりとチェックしておきたいものです。
セクターローテーションのような難しい投資手法を実行しなくても、この時期はどのセクターが人気・不人気という予備知識があれば、株価の上下に心を乱される回数を減らせるのではと思いました。
他の記事の紹介です。
長期投資において、定期的なリバランスは割安時に株を仕込むことにもつながります。
セクターローテーションなんて関係ない。とにかく20年待てば確実に利益が出る。それが米国株です。
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