【米国株】VDC,VHT,VPUの株価チャート,配当利回り,ポートフォリオ比較
『生活必需品』『ヘルスケア』『公益』
この3つは米国株の中でもディフェンシブなセクターとして知られています。
近いうちにリセッションを迎えると言われる米国経済。
差し迫る危機に備えてディフェンシブな投資をしたいという人は、これらのセクターの中から銘柄を選べば良いでしょう。
個別株は不安?
どの企業を買えば良いのか分からない?
そんな時はセクター別ETFを買って、そのセクター全体に投資するという手があります。
そんな希望を叶えてくれるのが、バンガードのセクター別ETF、『VDC(生活必需品)』、『VHT(ヘルスケア)』、『VPU(公益)』です。
これらのETFを買うと、どんな企業に投資することになるのでしょう?
ちゃんとリターンは出るのでしょうか?
各ETFのポートフォリオ、株価チャート、配当利回りをチェックしてみました。
- VDC,VHT,VPUのポートフォリオ
- VDC,VHT,VPUの株価チャートを比較
- VDC,VHT,VPUの配当利回り、トータルリターンを比較
- VDC,VHT,VPUはリセッションがあればこそパフォーマンスが良くなる
VDC,VHT,VPUのポートフォリオ
まずは VDC,VHT,VPUの上位10銘柄を見てみます。
■VDC 上位銘柄 (2019.05.31)
生活必需品セクターETF「VDC」の上位銘柄です。
首位はP&G。その後はコカ・コーラ、ペプシコが続きます。
日本でもお馴染みの企業が名を連ねますね。
フィリップモリスやアルトリアといったタバコ銘柄もこのセクターに入ります。
タバコは米国内の規制が強まっており、最近は株価も低迷しています。
この2銘柄がVDCの足を引っ張ってしまう可能性もあると思います。
■VHT 上位銘柄 (2019.05.31)
ヘルスケアセクターETF「VHT」の上位銘柄です。
米国株投資家に大人気のJohnson&Johnsonが首位です。2位のユナイテッド・ヘルスは医療保険を販売している会社です。
その後はファイザー、メルクといった大手製薬会社が続きます。6位のメドトロニックのような医療機器を開発する会社もこのセクターに入ります。
景気の影響を受けにくいヘルスケアセクターですが、当然ノーリスクと言うわけにはいきません。
最近は民主党が国民皆保険「メディケア・フォー・オール」法案を提出したことで、保険会社の株価が大きく下がる時がありました。
もし、来年の大統領選挙で民主党が買ったら株価暴落しちゃうかも?
■VPU 上位銘柄 (2019.05.31)
公益セクター「VPU」の上位銘柄です。
名前だけみても、何だかよく分かりませんね。。。
公益セクターは内需型企業で占められるので、日本人の私達にはなじみのない会社ばかりです。
1位のネクステラエナジーはフロリダにある大手電力会社です。
他の会社も全て電力、ガス会社ですね。
デューク・エナジー、ドミニオン・パワー、サザン・カンパニーあたりは高配当株で有名です。
VDC,VHT,VPUの株価チャートを比較
では、過去のパフォーマンスはどうだったのでしょうか?
VDC,VHT,VPUの株価チャートを比較してみました。
■VDC,VHT,VPU,IVV(S&P500)株価チャート比較 (2009年1月~)
2009年からの株価チャートの比較です。
青色がVDC、赤色がVHT、黄色がVPUです。黒はS&P500のETF 「IVV」です。比較のために入れました。
過去10年の株価の上昇率はVHTが最も高いです。VDC,VPUはS&P500に劣る結果となりました。
でも、この3つのETFに期待するのはリセッション時の耐性ですよね。
2009年のリーマンショック時の株価の動きはどうだったのでしょうか?
■VDC,VHT,VPU,IVV(S&P500)株価チャート比較 (2007年~2011年)
リーマンショック前後の株価チャートの比較です。
生活必需品セクターのVDCはかなり下落幅を抑えられています。VHT,VPUもIVVに比べると下落幅は小さいです。
この結果だけを見ると、リセッションに備えてこの3つのセクターの比率を高めるのも有りな気がします。
VDC,VHT,VPUの配当利回り、トータルリターンを比較
先ほどは株価だけの値動きを見てみましたが、株式のリターンには配当金も含まれます。
当然、VDC,VHT,VPUからも配当金が支払われます。
現在の配当利回りはこのようになっています。
・VDC(生活必需品)・・・配当利回り 2.80%
・VHT(ヘルスケア)・・・配当利回り 2.68%
・VPU(公益) ・・・配当利回り 2.95%
S&P500の配当利回りは2%前後なので、比較的高配当なETFと言えます。
この配当金を含めたトータルリターンを比較すると次のようになります。
■VDC,VHT,VPU トータルリターン(配当込)比較 (2009年1月~)
過去10年の配当込みのトータルリターンの比較です。
青がVHT、赤がVDC、黄緑がVPU、黒はIVVです。
配当込みのリターンでもVHTが一番高いですね。
株価だけの比較と比べると、VDCとVPUの差が殆どなくなっていました。
VDC,VHT,VPUはリセッションがあればこそパフォーマンスが良くなる
過去10年のリターンを比較すると生活必需品セクターのVDC、公益セクターのVPUは市場平均であるS&P500のリターンに劣っています。
VHTは上回っていますが、比較期間をここ3年くらいにしてしまえば、S&P500の方がリターンは高いです。
米国は過去10年間、景気後退期を迎えずに株価が右肩上がりに伸び続けていました。
このような好景気時には、景気敏感株を含むS&P500の方が大きなリターンを得られます。
生活必需品やヘルスケアの過去のリターンはS&P500を上回るとの話を良く目にしますが、それは比較期間にリセッションが含まれることが条件のようですね。
これらのセクターは景気に影響を受けにくいので、株価の下落を比較的小さく抑えることができます。
下落が小さく済めば景気回復時に元に戻る期間も短くなるので、他のセクターよりパフォーマンスが良くなるのでしょう。
リセッションが近いと噂される今、VDC,VHT,VPUを仕込んでおいて、株価の下落への耐性を高めるというのも悪くない手段なのかもしれません。
特に生活必需品セクターであるVDCは、日本人の私達にも馴染みのある会社が多く含まれるので、大きな抵抗なく投資できるのではないでしょうか。
他の記事の紹介です。
リセッションに強いセクターは生活必需品、ヘルスケア、公益です。
景気サイクル毎に強いセクターをまとめてみました。
5月に激しさを増した米中貿易摩擦による株価下落。この時は公益と生活必需品セクターが強かったです。
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