有事の金?金投資のメリットとデメリット
最近『金』の価格が高騰中です。
「有事の金」とも言われるように、金は景気後退期に強さを発揮します。
その金への投資のメリットとデメリットを調べてみました。
有事の際には頼りになる金ですが、頼りすぎは禁物のようです。
金のメリット リセッション時に株価と逆の動きをする
金の価格は株式と相関関係が低く、景気後退時には株価と逆の動きをする。
これが金投資の最大のメリットです。
株価と異なる動きをする資産=金をポートフォリオに組み込むことで、分散性を高めてリスクヘッジすることができます。
実際に過去の米国の景気後退期の時も、金の価格は上昇しています。
BlackRockより引用
過去のリセッション時の金、S&P500、債券クラスの騰落率です。
S&P500が大きく値を下げる中、金は逆に上昇しています。
金をポートフォリオに入れておけば、リセッション時に資産を守ってくれる可能性が高いです。
もう一つのメリットとして、金はインフレへの対策になることが挙げられます。
金は「モノ」なので、インフレで物価が上がれば、金の価格も上がりやすくなるからです。
現金はインフレによって相対的な価値が下がってしまいますが、その一部を金に投資しておけば、資産へのインフレの影響を弱めることができます。
金のデメリット 長期的なパフォーマンスは他の資産クラスに劣る
一方で、金のデメリットは長期では株や債券にパフォーマンスが劣ることです。
■株式、債券、金のトータルリターン推移
BlackRockより引用
これは過去30年のS&P500、金、債券のトータルリターンを比較したものです。
一番上がS&P500、真ん中が債券、一番下のグラフが金です。
長期で見ると、金が最もパフォーマンスが悪いですね。
株式は企業の価値が上がれば株価があがりますし、投資家に配当金が支払われます。債券も利息が支払われます。
このように株や債券がキャッシュフローを生み出すのに対し、金は何もキャッシュフローを生み出しません。
これが金のパフォーマンスが株や債券に劣る理由です。
金は需要と供給のバランスによって価格が変動するだけなので、インフレが弱くなったり、景気の先行きが明るくなると、途端に人気が無くなって価格が下がってしまうリスクがあります。
金への投資はバランスが重要
米国の資産運用会社 BlackRockは金をポートフォリオに組み込むことは分散性を高めるので有用だろうと述べています。
ただし、重要なのはバランスのようです。
先にも述べた通り、金は何もキャッシュフローを生み出しません。そこに資金を投入しすぎると、将来のリターンが寂しいものとなってしまいます。
ポートフォリオに加えるにしても、控えめの割合にしておくべきなのでしょう。
金は確かにリセッション時に価格が上がるという過去の実績があります。
なので、景気が悪くなりそうな時に金を多めに買っておけば、、、と思いたくなります。
ですが、株価もそうですが、金の価格がこの先どうなるかは誰にも分からないです。
これから景気が悪くなると予想して、株式の比率を下げて金への投資比率を大きくした場合、金の価格が上がらなかったら、大きな損失となってしまうでしょう。
せっかく貰えるはずだった株価の上昇や配当によるリターンを失ってしまいますから。
なので、金に投資するなら、自分の資産に対する最適な比率を予め見極め、その比率を上限に投資した方が良いのかなと思います。
景気の先行きを予想して、金の比率をむやみに引き上げるのは危険だなと思いました。
他の記事の紹介です。
金に頼らずとも20年待てば必ず利益を得られる。それが過去の米国株のパフォーマンスです。
景気後退期に備えて、ヘルスケア、生活必需品、公益セクターを中心に投資するというのも、資産防衛策としてありかもしれません。
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