eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)が信託報酬を引き下げ。楽天VTを圧倒。
いったい、何度目の値下げなのでしょうか?
またもやeMAXIS Slimシリーズが信託報酬の引き下げを発表しました。
今回の引き下げ対象のファンドには、全世界に投資ができる『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』も入っています。
実質コストを見ても、競合である『楽天VT(楽天・全世界株式インデックス)』の存在意義を大きく脅かしそうな勢いです。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)等、計3ファンドの信託報酬を引き下げ
eMAXIS Slimシリーズを販売する三菱UFJ国際投信は、8月9日から以下の3つのファンドの信託報酬を引き下げると発表しました。
・eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
・eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
3ファンドとも現在の0.15336%(税込)から0.1296%(税込)に信託報酬が下がります。
特に、全世界に投資する「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」のコストがここまで下がるのは凄いですね。
バンガードの世界全体に投資するETFである『VT』の年間経費は0.09%です。その差はわずか0.04%しかありません。
日本の投資信託のコストがバンガードのETFに追いつく。そんな時代がいつか来たりするのでしょうか?
こうなると、そのVTに投資する「楽天VT(楽天・全世界株式インデックス)」との差はかなり大きくなります。
楽天VTの信託報酬は、本家VTの年間経費を合わせると0.2196%です。
これでも十分に低コストだと思いますが、eMAXIS Slimと比較すると何だか高く感じてしまいますね。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は実質コストでも楽天VTを圧倒
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、信託報酬以外の経費を含めた実質コストでも楽天VTを圧倒しそうです。
両者の実質コストを比較してみましょう。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、7月1日に交付された運用報告書からおおよその実質コストを算出できます。
■オール・カントリー 信託報酬以外の経費率
運用報告書に掲載されていた、信託報酬以外の経費率です。
2018年10月31日~2019年4月25日の177日間のコストなので、単純に365日換算すると、約0.0990%です。
信託報酬の0.1296%を加算すると、実質コストは約0.2286%ですね。
もう、この時点で楽天VTの信託報酬0.2196%とほぼ同じです。
一方で、楽天VTは四半期毎に運用経費をホームページ上で公表しています。
第3四半期時点の運用経費は以下の通りです。
■楽天VT 信託報酬以外の経費率
これは274日間の経費率です。365日換算すると約0.0919%です。
信託報酬と合計すると実質コストは約0.3115%あたりです。
期末になれば、運用報告書の交付・印刷費用等もかかるはずなので、実際の実質コストはもう少し上がると思います。
そうすると、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と楽天VTの実質コスト差は0.1%くらいに広がるのではないでしょうか。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は楽天VTの純資産を追い越せるか
どちらも全世界に投資可能な、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と楽天VT。
パフォーマンスには大差がないはずですが、人気の面では楽天VTの方が上回っています。
現在の純資産は楽天VTが238.9億円に対し、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は48.4億円程度です。
楽天VTの方が運用開始が早いので当然ですが、最近は資金流入額でも楽天VTの方が優勢な状態のようです。
■eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリ-) 月次資金流入額
■楽天VT 月次資金流入額
最近の楽天VTは毎月10億円以上の資金が流入していますが、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の月次資金流入額は10億円に達したことはありません。
ただ、これはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の実質コストがどうなるのかを様子見していた人が多いからかもしれません。
その実質コストは7月1日の運用報告書で低コストであることが証明されました。
そして、今回発表された信託報酬の更なる引き下げ。
これによって、楽天VTとの経費率に0.1%程度の差が発生することを考えると、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の優位性は明らかな気がします。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と楽天VTの投資先であるVTが採用するインデックスは同じではないです。
でも、大部分の投資対象は同じで、株価のパフォーマンスは殆ど変わりません。
両者の優劣はコスト差によって決まる部分が大きいです。
それであれば、例え0.1%程度の差でも、わざわざコストの高い方の楽天VTを選ぶ必要もないでしょう。
投資信託1本でお手軽に全世界に投資したいという場合は、迷わずeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を買っておけば良さそうです。
他の記事の紹介です。
米国株の購入手数料の制限が改善された今、SBI証券の「米国株式・ETF定期買付サービス」で本家のVTを積み立てると言う手段もあります。
VTが好きな場合は、楽天VTよりこっちの方が良いかもしれません。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)も期待を裏切らない低コストでした。
楽天VTIとどっちを選ぶか悩みますね。
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