おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

高配当株ETF VYMに投資するメリットはリターンの高さではない

VYMは米国の高配当株に投資できるETFです。

私は最近になってVYMに投資するようになりましたが、このVYM、株価の上昇ではVTIやVOOには及びません。

では、そんなVYMに投資する理由は何でしょうか?

 

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それは、配当金によって投資の成果を体感しやすくなること、それが狼狽売りの予防策になるかもと考えたからです。

 

VYMの株価はVTIに負ける

最近になって買い始めたVYMですが、私の保有銘柄では唯一含み損を抱えている銘柄です。

ドル換算では含み益になっていますが、円換算後の利益はいまだにマイナスです。

まだ、円高が進んだ分の損失を取り返せていません。

 

このことからも想像がつきますが、VYMは株価の上昇ではVTIやVOOに及びません。

 

■VYMとVTIの株価チャート比較 (2009年~)

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VYMとVTIの過去10年間の株価チャートの比較です。赤色がVTI、青色がVYMです。

株価の上昇だけでいえば、VTIがVYMを大きく上回っています。

 

これだけ差が付くのは、もちろんVYMの構成銘柄が理由です。

VYMは高配当銘柄しか組み込まれないので、株価の上昇は市場平均ほど大きくなりません。

 

■VYMの上位10銘柄

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2019年5月末時点でのVYMの上位10銘柄です。上位は高配当株として人気の銘柄がそろっています。

ここ数年の米国株の上昇を牽引したFANGやVisa,Mastercard等の無配・低配当な銘柄は含まれないので、株価の上昇はVTIやS&P500と比べると控えめになります。

 

さらに、高配当株中心だから不景気には強いかというと、そうでもない気がします。

■VYMの業種別比率

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 VYMのセクター別の比率です。

金融セクターが最も大きいです。不景気になって米国が利下げを敢行すれば、金融セクターの株価は落ちるでしょう。

 

なので、VYMの株価は近いうちにやってくると言われるリセッションの時でも、強さを発揮するわけでは無いと思います。

S&P500と同じくらい落ちるのではないでしょうか。

 

VYMに投資するのは株価の下落から目を背けたいから

株価だけ見るとVYMに投資することに意味が無いように思えます。

では、何でVYMに投資する気になったのでしょうか?

 

それは、配当金の存在に魅力を感じたからです。

これはVYMの配当込みのリターンがVTIより優れている、、と言うことではありません。

配当金が株価急落時時のメンタルケアに役立つのではないか?と思ったことが大きいです。

 

私は2015年頃から株式投資を真面目に始めました。

これまでの間、何回か大きめの株価の下落に直面しました。

投資を始めたばかりの2016年頭は中国の景気減速が懸念されて株価が下落、その後は英国のEU離脱の国民投票でも株価が下落。

2018年も年初と年末に株価が急落しました。

 

その度に保有している投資信託や個別株の一部を売却し、上がり始めたら買い戻すという行動をしていました。

しかし、買い戻しが完了した時の金額は、売却時の金額より高くなっていることが殆どで、振り返ってみれば無駄な行為です。

 

売らずにずっと保有していれば、結果的にはトータルリターンは今より大きくなっていたことでしょう。

長期投資においては売買するタイミングより、株価が下落しても保有し続け、次の上昇機会を逃さないことが遥かに重要だと感じています。

 

でも、頭では分かっていても、実際に株価が急落すると不安になってしまいがちなんですよね。

現金は充分な額を確保しているにも関わらずです。

 

それは何でかと考えたのですが、保有している株価が急落すると、それまでの投資に要した時間が無駄になってしまう、過去に戻ってしまうかのような感覚に陥ってしまうからだと思いました。

 

せっかく時間をかけて成長した利益が、一瞬にして1年、2年前の状態に戻ってしまった時、

「やばい。今までの時間が無駄になってしまう!!」

と思って利益確定に走る、、、そんな思考・行動パターンに陥っていたように思えます。

 

であれば、過去の投資行動が意味のあるものだと、株価下落時も強く体感できるようにしておけば、そんな行動を減らせるのではないか?と思いました。

 

配当金は株価が下落しても3ケ月に1回は振り込まれます。

例え、VYMの株価が急落しても、変わらない金額の配当金が3ケ月後には振り込まれます。

株価急落時も過去の投資行動の成果として体感できるので、「今までの投資が無駄になってしまう」という思考に行かずに済む気がしました。

 

来るべき株価の下落に備えて、過去の投資の成果を実感できるようにしておきたいと思ったのが、VYMに投資する最大の理由です。

 

まあ、この理由なら、

「VTIやVOOにも配当金が出るので、敢えてVYMの必要はないんじゃない?」

と思う時もあるのですが、少しでも大きめの配当金をもらった方が心が安らぐと思って、VYMも買うことにしました。

 

VYMのトータルリターンは捨てたものではない

これが、配当金=インカムゲインを最重視するのであれば、VYMではなく、高配当な個別株を中心にした方が良いのだと思います。

ですが、私の場合はあくまでも株価下落時のメンタルケアが目的です。

株価の上昇はなるべく犠牲にせずに、配当金を少し多くしたいと考えました。

 

そんな私にとって、VYMは非常にバランスのよいETFだと思います。

VYMとVTIの配当込みのトータルリターンを比較してみます。

 

 ■VYMとVTIの年間平均リターンの比較

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VYMとVTIの過去の年間平均のリターンを比較したものです。

VYMの過去10年の年間平均リターンは、VTIに少し劣る程度です。

株価上昇の乖離分を配当のリターンで補っている形です。

 

VYMは高配当銘柄に投資しますが、幅広いセクターに分散されていて、株価の上昇力が強い情報技術セクターも10%以上あります。

株価もそこそこ上がるので、配当のリターンでVTIとの差を埋めることができているようです。

 

自分で高配当銘柄を選んでも、こんな絶妙なポートフォリオは作れません。

「配当金が欲しいけど、株価も上がってほしい。」という人にとって、VYMは優れたETFだと思います。

 

先にも書きましたが、長期投資において重要なことは、株価下落時に有望な銘柄を投げ売りせず、上昇機会を逃さないことにあると思っています。

VYMがもたらす配当金が株価急落時の投げ売りの予防策となると信じて、これからも一定の割合をVYMに投資していきたいです。

 

さすがにVYMに全振りするとリターンが下がりそうな気がするので、米国株の15~20%程度に留めておくつもりですが。

 

他の記事の紹介です。

株価下落時の投げ売りによって、その後の上昇機会を逃すとトータルリターンは大きく損なわれてしまいます。

eMAXIS Slim米国株式等のインデックスファンドも投げ売りは厳禁です。


VYMを販売するバンガードも、投資においては耐えることが重要と説いています。

 

 

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