確定拠出年金 企業型とiDeCoの違い。併用は可能?おすすめ商品は?
未来の年金資金を自分で運用できる『確定拠出年金』。
この確定拠出年金には企業型と個人型の2種類があります。個人型の方はiDeCo(イデコ)です。
最近は企業型とiDeCo併用の制限を緩和しようという動きもあり、利用のチャンスが増える可能性があります。
と言うわけで、企業型確定拠出年金とiDeCoの特徴、選ぶべき商品を整理してみました。
確定拠出年金 企業型とiDeCoの違い これから併用可能になるか?
確定拠出年金は自分で資産を運用して将来の年金を作っていく制度です。
企業型と個人型のiDeCoがありますが、両者には次のような違いがあります。
■確定拠出年金 企業型と個人型(iDeCo)の違い
企業型は会社側が掛金を拠出し、運用会社も会社が指定したものを用います。口座手数料も会社が負担するケースが殆どでしょう。
個人型のiDeCoは自分で運用会社を選んで、掛金を自分で出します。口座手数料がかかるのは少し痛いですね。
確定拠出年金の掛金には上限があって、企業型は55,000円です。
一方でiDeCoは職業によって異なります。
■iDeCoの掛金上限
iDeCoの掛金の上限はこのようになっています。
会社員は、企業年金が無い場合は上限が23,000円です。
企業型確定拠出年金に入っている人でも、iDeCoを利用することができます。
企業型確定拠出年金だけに入っている人は、上限20,000円。
確定給付年金と企業型拠出年金の両方に入っている人は、上限12,000円です。
この企業型とiDeCoの併用には少し大きな障壁があります。
企業側が企業年金規約でiDeCoとの併用を認めている必要があるためです。
企業側は労使と合意して企業年金規約を変える必要があるので、実際には併用できない人も多いです。
かく言う私も、勤め先で企業型確定拠出年金を行っていますが、iDeCoとの併用は認められていませんでした。
iDeCoが始まった時、やる気満々で会社に聞いてがっくりした記憶があります。
ですが、この障壁が取り除かれるかもしれないというニュースが最近聞かれるようになりました。
厚生労働省は企業型とiDeCoとの併用を労使との合意を省略して実現できるような法案を検討しているようです。
そうなると、私もiDeCoを使えるかもしれないので少し期待しています。
何で期待しているかというと、確定拠出年金には節税メリットがあるからです。
このメリットは企業型もiDeCoも共通です。
まず、運用で発生した利益の税金が免除されます。これはつみたてNISAと同じですね。
つみたてNISAと違うところは、掛金の税金も節約できる点です。
企業型の場合、掛金は企業が拠出します。これは給与と見なされないので所得税がかかりません。
iDeCoも掛金の全額が所得控除の対象になるので、所得税や住民税が軽減されます。
さらに、受取時の税金にも優遇制度があります。
確定拠出年金は60歳以降に受け取ることができます。この時の受け取り方は2種類あります。
退職金のように一括で受け取る「一時金方式」と、年金として分割で受け取る「年金方式」です。
一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金控除」が適用され、幾らかの税金が控除されます。
自分で資産運用をして年金原資を増やすことができて、さらに税制面のメリットもある。
この制度を使わないのはもったいないです。利用資格がある人は有効活用すべきでしょう。
確定拠出年金で選ぶ商品は米国株を中心に
確定拠出年金で投資できる商品には定期貯金等の原本保証型と、株や債券に投資する投資信託があります。
原本保証型の商品を買っても資産は増えないので、拠出上限の大部分は投資信託に振り分けていいと思います。
特に自分の勤め先に確定給付年金がある人でiDeCoをやっているという人は、iDeCoの方は全部投資信託でもいいのではないでしょうか。
投資信託の中でおすすめなのは米国や先進国の株式指数に投資する投資信託ですね。
過去の株式市場では米国の株価が最も安定して右肩上がりに成長しています。
貴重な年金原資を預けるのであれば、実績のある米国株を中心に投資するべきでしょう。
■米国の株式指数 S&P500の株価チャート
これが米国の株式指数であるS&P500の株価の値動きです。過去10年間、右肩上がりに上昇しています。
時折下落していますが、長期間保有していれば確実に利益を得ることができる値動きです。
特に若い人は60歳までかなりの時間があります。
その間に株価が低迷する時期も来ると思いますが、米国株に投資する商品を積み立てておけば、時間が味方をして確実に利益を増やすことができると思います。
iDeCoであれば「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」で米国の株式に投資することができます。
もし、米国だけでは不安ということであれば 「eMAXIS Slim先進国株式」や「DCニッセイ外国株式インデックス」がいいでしょう。
これらは米国を始めとする22ヵ国の先進国の株式指数に投資する商品です。
これも米国株が60%以上を占めるので、複数の国の株式に分散投資をしながら資産を増やせます。
逆にやめた方がいいと思うのは、新興国に投資する商品です。
高い経済成長が期待される新興国ですが、株価の値動きが激しく、米国のように右肩あがりの株価上昇とはいきません。
投資をする以上、60歳で受け取る時に価格が大きく値下がる可能性はどの商品にもあります。しかし、その中でも新興国に投資する商品は、価格下落のリスクが最も高いということを肝に銘じなければなりません。
せっかく運用益が非課税になるのだから、確定拠出年金で投資する商品はより確実性の高い米国株に投資する商品を中心に選ぶべきだと思います。
私は企業型確定拠出年金では「みずほ信託外国株式インデックス」という商品を積み立てています。先進国の株式指数に投資する投資信託です。
以前は原本確保型も積み立てていましたが、最近はこの商品に全振りしています。
本当は米国株だけに投資する投資信託が欲しかったんですが、そんな商品は用意されていませんでした。残念。。。
企業型よりiDeCoの方が選べる商品の幅は広そうな気がします。
早くiDeCoできるようにしてくれないでしょうか。
できるようになったら「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を積み立てたいです。
他の記事の紹介です。
iDeCoでも投資可能なeMAXIS Slim米国株式(S&P500)について書いた記事です。
マイクロソフト、Apple、Google、Facebook。米国の優良企業にまとめて投資できる素晴らしい商品です。
長期投資で最も安定した値動きを期待できるのは米国株です。大切な年金を預ける確定拠出年金だからこそ、米国株を中心に考えたいです。
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