フェイクミート関連株は?ユニリーバやネスレも参入。市場規模は100兆円
今、食品業界では『フェイクミート』が注目を集めています。
「人工肉」「代替肉」とも呼ばれるもので、大豆等の植物由来の原料を使って見た目や味を限りなく肉に近づけた商品です。
このフェイクミート市場にはユニリーバやNestle(ネスレ)といった大手企業も続々と参入してきています。
何故フェイクミートは注目されているのでしょうか?
その理由と関連企業を調べてみました。
健康志向で注目されるフェイクミート 15年後の市場規模は100兆円
欧米では牛肉の売上が減少し、代わりにフェイクミートの需要が増えています。
大きな理由は「健康志向」と「環境保護」です。
◆健康志向
欧米では健康志向な食品を好む人が多くなっているので、植物由来のフェイクミートが牛肉に代わる食品として選ばれています。
ニールセンと言う調査会社によると、アメリカ人の約35%は生活に何らかの代替肉を取り入れています。
◆環境保護
環境面の考慮も大きな理由の一つです。
牛肉の生産過程では大量の温室効果ガスが発生するとされています。世界の温室効果ガスの18%は畜産業から排出されます。その中でも牛肉の生産による排出量が最も大きいです。
牛が食べる餌の生産や輸送でも二酸化炭素が発生しますし、牛1頭から出るおなら、げっぷから出るメタンガスは1日160~320リットルにも及びます。メタンガスは二酸化炭素よりはるかに高い温室効果を持っています。
このような理由から、牛肉を避けてフェイクミートを選ぶ人が欧米を中心に増えています。
特にフェイクミートの需要が増えて牛肉の消費が減ると環境に優しいという点は注目ポイントです。
環境保護の観点から、欧米の政府がフェイクミートに関する投資を企業に促すことに繋がる可能性があるからです。
フェイクミートの現在の市場規模は195憶ドル、日本円で約2兆円です。
JPモルガンは、この市場規模が15年以内に1,000億ドル、日本円で約100兆円規模にまで拡大すると予想しています。
フェイクミート関連株? ユニリーバやNestle等、大手企業も続々と参入
ビジネスチャンスに溢れていそうなフェイクミート市場。
フェイクミートを扱う企業は着実に増えていて、最近では大手企業が続々と参入しています。
世界最大の食品会社「Nestle(ネスレ:NESN)」は2019年4月にフェイクミートの販売を開始しています。
アメリカの「バーガーキング(QSR)」も4月にフェイクミートを使ったハンバーガーの試験販売を開始しています。
これは「インポッシブル・フーズ」というフェイクミートのベンチャー企業と共同開発したものです。
「マクドナルド(MCD)」もシカゴの第一号店でポテトと豆で作ったパティを使ったハンバーガーを投入したりしています。
日用品大手の「ユニリーバ(UL)」もフェイクミートに参入しています。
ユニリーバは2018年12月に「ベジタリアンブッチャー」というオランダ企業を買収しました。
「ベジタリアンブッチャー」は、フェイクミートの専門店を世界で初めてオープンした会社で、世界17ヵ国、4000以上のお店でフェイクミートを使った商品を販売しています。
「ベジタリアンブッチャー」はユニリーバの販売網を使って、自分たちの事業を世界中に拡大することを狙っています。
あと、忘れてはいけないのは「ビヨンド・ミート(BYND)」ですね。
2019年にニューヨーク市場に上場を果たしました。
株価は順調に上昇していますが、先に挙げた他社との競合が懸念されています。
日本ではユニリーバ傘下のベジタリアンブッチャーが商品を販売していて、6月にも新商品を投入しました。
ビヨンド・ミートも日本進出の話があったのですが、立ち消えになったようです。
こんな風にフェイクミートに絡んでくる企業はたくさんありますが、いざ「フェイクミートに投資したい!」となったら、投資対象はフェイクミート専業のビヨンド・ミートくらいでしょうか?
同業のインポッシブル・フーズもIPOの可能性があるようですが、現在は上場していません。
ただ、ビヨンド・ミートは新興企業なので投資にはリスクがあります。現在は期待が株価を引き上げています。
当たればでかいと思いますが、何かあったら株価が暴落する可能性もあるでしょう。
そういうのが怖い人はNestle(ネスレ)やユニリーバのような安定した企業に投資し、その企業の売上にフェイクミートが貢献することを期待する程度が良いと思いました。
他の記事の紹介です。
ユニリーバの前回決算はあまり良くない結果でした。決算レポートに「ベジタリアンブッチャー」の名前が登場する時はくるのでしょうか?
マクドナルドは前回の決算でも好調。安心して投資できる銘柄です。
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