おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

iFree S&P500 楽天全米株式に実質コストと資金流入額で完敗か

米国のS&P500指数に連動する「iFree S&P500インデックスファンド」の運用報告書が発行されました。気になる実質コストを見てみましょう。

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iFree S&P500の実質コストは0.37%  楽天VTIを上回る

2017年8月31日から2018年9月7日の372日間の費用明細です。

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信託報酬以外のコストは0.132%です。これを1年間に換算すると

0.132×365/372≒0.130%です。

年間の信託報酬は0.243%なので、実質コストは0.373%くらいですね。十分低コストに見えます。

ですが、iFree S&P500同様、米国のみに投資する「楽天・全米株式インデックス(楽天VTI)」と比べるとあまり良くない結果です。

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こちらは楽天VTIの運用報告書に記載されているコストです。2017年9月29日から2018年7月17日の292日間のコストです。

同じように信託報酬以外の年間コストを計算すると約0.133%です。

楽天VTIの信託報酬は年間0.1296%、VTIの経費が年間0.04%かかるので、年間の実質コストは

0.1296+0.04+0.133 =  0.3026%です。

楽天VTIの方が若干低コストです。

何となく信託報酬以外のコストはiFreeの方が低コストになるのかなと思っていたのですが、大して変わらないようですね。そうなると信託報酬の差がそのままコスト差につながってしまいます。

最上位銘柄はETFのまま

iFree S&P500は設定当初、現物ではなくiShares Core S&P500 ETFが25%以上を占めていました。最近はETFの比率も減ってきましたが、現在も最上位銘柄はETFのままです。

 ■iFree S&P500 上位銘柄

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現在もiShares Core S&P500 ETFが4.2%を占めています。5位のS&P500 EMINI FUTは現物ではなく先物です。ETFを保有していることはコストに影響しないんですかね。比率が小さいので問題なしでしょうか。

iFree S&P500は資金流入額も低迷

iFree S&P500は人気の面でも苦戦しています。下のグラフはiFree S&P500と楽天VTIの資金流入額の推移です。

 

■iFree S&P500の資金流入額

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■楽天VTIの資金流入額

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楽天VTIが設定されてからiFreeの資金流入額が減っています。

直近では楽天VTIが1ヶ月で30億円流入に対し、iFreeは3億円程度です。

また、7月にはiFree S&P500と同じようにS&P500に連動する「eMAXIS Slim米国株式」が設定されました。eMAXIS Slimの方も1ヶ月に10億円以上流入と、iFreeは大差をつけられています。

iFree S&P500に残された手は信託報酬引き下げのみか

iFree S&P500にとって痛いのは楽天VTIよりも「eMAXIS Slim米国株式」が出てきたことだと思います。

iFree S&P500と楽天VTIは採用する指数が違います。楽天VTIはアメリカの中小型株も含めた殆ど全ての株式に投資します。

楽天VTIとの比較であれば、多少のコスト差が出てもS&P500に投資したい人とVTIに投資したい人で棲み分けができたかもしれません。S&P500に投資できるインデックスファンドとして存在意義を保てた可能性があります。

しかし、「eMAXIS Slim米国株式」は採用する指数が同じなため、完全なコスト勝負になります。「eMAXIS Slim米国株式」の実質コストはまだわかりませんが、信託報酬は0.1728%とiFreeより遥かに低コストです。

実質コストでも大きく差を付けられると、iFree S&P500の存在意義がかなり霞んでしまうのではないでしょうか。

現時点で資金流入額で大きな後れを取っているので、信託報酬を引き下げでもしない限り存続が危ぶまれそうな気がします。繰上償還しちゃったりして。。

米国株式ファンドは楽天VTIの人気が続く

iFreeがコスト面で楽天VTIより優位に立てなかったので、米国株のみに投資するインデックスファンドは楽天VTIの人気が続きそうですね。

eMAXIS Slim米国株式の実質コストが大きく下回るのであれば、eMAXIS Slimの人気が更に加熱しそうですが、その結果が分かるのはまだ先の話ですから。

それまでの間、米国株のみに積み立て投資したい場合は楽天VTIにしておくのが無難だと思います。

 

私は全米に投資する楽天VTIを積み立てています。eMAXIS Slim米国株式より押しています。VTIの方がパフォーマンス良くなるかもしれないと思ったからです。

 

米国だけでなく国際分散投資したい場合はeMAXIS Slim先進国株式かニッセイ外国株式をおすすめします。両ファンドの特徴、メリットを書きました。

 

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