新興国株式 インデックスファンドの実質コスト、利回り、チャートを比較
(2019.3.11 ポートフォリオ、パフォーマンスを更新)
未来の成長が期待される新興国。
今から投資をしておけば、私達に大きな利益をもたらしてくれるかも?
「でも、どこに投資したら良いか分からないな」
「リスク高そうだし、あまりお金をかけたくないな」
そんな時は新興国に投資するインデックス型の投資信託を積み立てるのが第一歩だと思います。
では、どのインデックスファンドを選ぶのが良いのでしょうか?
ここでは、新興国に投資するインデックスファンドの「利回り」「実質コスト」「純資産」「ポートフォリオ」を見ていきます。
長期の値動きを把握するために、新興国の株式指数の「株価チャート」も掲載しました。
対象は以下のインデックスファンドです。
・emaxis slim新興国株式インデックス
・ニッセイ新興国株式インデックス
・たわらノーロード 新興国株式
・楽天・新興国株式インデックス(楽天VWO)
・SBI・新興国株式インデックス
- 純資産と実質コストの比較 純資産は「eMAXIS Slim新興国株式」が他を圧倒
- 各ファンドのポートフォリオ
- 各ファンドの利回り
- 各株式指数の株価チャート(2019.03.11)
- まとめ~新興国は「eMAXIS Slim 新興国株式」か「SBI・新興国株式」を選ぼう
純資産と実質コストの比較 純資産は「eMAXIS Slim新興国株式」が他を圧倒
まずは純資産と実質コストの比較です。
新興国のインデックスファンドのコストは先進国より高めです。
できるだけ、低コストのファンドを選びたいところです。
また、純資産が大きい方が将来の繰上償還のリスクが小さくなります。
■純資産、実質コスト比較(2019.03.11)
純資産は「eMAXIS Slim新興国株式」が140億円を突破。独り勝ちの状態ですね。
他のファンドとは差が開くばかりです。
実質コストは「SBI・新興国株式」と「eMAXIS Slim新興国株式」が0.3%台と、他のファンドよりかなり低いコストを実現しています。
でも、「SBI・新興国株式」の人気は上がってこないですね。これがネームバリューの差でしょうか。
各ファンドのポートフォリオ
次に各ファンドのポートフォリオを見てみます。
これは採用する株式指数によって決まります。
今回取り上げたファンドの採用指数は、次のようになっています。
◆MSCIエマージング・マーケット・インデックス
・emaxis slim新興国株式インデックス
・ニッセイ新興国株式インデックス
・たわらノーロード 新興国株式
◆FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)
・楽天・新興国株式インデックス(楽天VWO)
◆FTSEエマージング・インデックス
・SBI・新興国株式インデックス
大まかに違いを説明すると、次のようになります。
・MSCIエマージングには韓国が含まれます。
・FTSEエマージングには韓国は含まれません。
・FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップは小型株にも投資します。
なお、「楽天・新興国株式(楽天VWO)」はバンガード社のETF「VWO」を購入するだけのファンドです。現物株式に投資しているわけではありません。
同じように、「SBI・新興国株式インデックス」もチャールズ・シュワブ社の「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティETF(SCHE)」を購入するファンドです。
では、「MSCIエマージング」、「FTSEエマージング」、「VWO」のポートフォリオを見てみましょう。
※MSCIエマージングは同じ指数を採用している「iShares MSCI Emerging Markets ETF」のデータを掲載しています。
投資対象国の比率
まずはどの国に投資しているのかを見てみます。
MSCIエマージング (2019.03.08)
「eMAXIS Slim新興国株式」が採用するMSCIエマージング・インデックス。
投資対象国は以下の24ヵ国です。
■MSCIエマージング 投資対象国
上位10ヵ国は次のようになっています。
中国、韓国、台湾で56%を占めます。
新興国全体に投資すると言っても、東アジアに大きく偏ることが特徴です。
「eMAXIS Slim新興国」を買う場合は、東アジアの株価に大きく左右されることを意識しておいた方がよいです。
FTSEエマージング (2019.02.28)
「SBI・新興国株式」の採用指数であるFTSEエマージング。
投資対象国は以下の23ヵ国です。MSCIエマージングから韓国が抜けています。
■FTSEエマージング 投資対象国
上位10ヵ国の比率です。
韓国が抜けるので、東アジアの比率はMSCIエマージングより小さくなります。
それでも中国、台湾で46%を占めます。この2か国の株価に大きく影響を受ける点は変わりません。
私はどちらかというと、FTSEエマージングの国別構成の方が好みです。
これからも人口が増加し続け、急激な経済成長が期待できるインドの比率がMSCIエマージングより大きくなるからです。
VWO(2019.01.31)
次は「楽天・新興国株式(楽天VWO)」の投資対象であるVWOです。
VWOの投資対象国はFTSEエマージングの23ヵ国と同じです。
上位10ヵ国の比率だけ見てみましょう。
こちらも中国、台湾で半分近くを占めます。FTSEエマージングと大きく変わりません。
組入れ銘柄上位
新興国株式インデックスはどのような企業に投資しているのでしょうか。
組入銘柄のTOP10を掲載します。
MSCIエマージング (2019.03.08)
「eMAXIS Slim新興国株式」の採用指数であるMSCIエマージングの上位銘柄です。
■MSCI エマージング上位銘柄
大半を中国企業が占めます。
テンセント、アリババといった世界的にも有名な中国企業が1,2位。
韓国のサムスン電子が3位に続きます。
5位のナスパーズは南アフリカのインターネット・メディア企業です。
世界130ヵ国以上でサービスを展開しています。
10位のリライアンス・インダストリーズはインドのコングロマリット企業。石油・ガス開発やバイオテクノロジーなどを扱っています。
FTSEエマージング (2019.02.28)
続いて「SBI新興国株式」の採用指数であるFTSEエマージングの上位銘柄です。
■FTSE エマージング上位銘柄
FTSEエマージングには韓国が含まれないので、サムスン電子が入りません。
それ以外の上位はMSCIエマージングとほぼ同じですね。
10位に中国で最大の検索エンジンを提供している、バイドゥが入っています。
VWO(2019.01.31)
「楽天・新興国株式(楽天VWO)」の投資対象であるVWOの上位銘柄です。
■VWO 上位銘柄
上位銘柄はFTSEエマージングとほぼ同じです。
10位のペトロブラスはブラジルの石油会社です。
各ファンドの利回り
各インデックスファンドの年間利回りの推移を見てみます。
「MSCIエマージング」と「FTSEエマージング」でパフォーマンスに差があるのか、気になるところです。
■年間の利回り比較(2019.02.28)
比較のため、米国のみに投資する「楽天・全米株式インデックスファンド」と世界中に投資する「楽天・全世界株式インデックスファンド」も載せました。
2月はMSCIエマージングを指数とする「eMAXIS slim新興国株式」と「たわらノーロード新興国株式」が最も良い利回りでした。
過去6カ月、1年間ではFTSEエマージングに連動する「SBI・新興国株式」の利回りが大きくなっています。
新興国のインデックスファンドは2018年は低調でしたが、2019年になってから株価の上昇が続いています。
このまま上昇を続けて、年間の利回りをプラスで終えることができるでしょうか。
各株式指数の株価チャート(2019.03.11)
最後に長期の値動きをチャートで見てみます。
掲載するのは、MSCIエマージングを指数とする「iShares MSCI Emerging Markets ETF」と「VWO」の10年チャート(月足)です。
■MSCIエマージング(iShares MSCI Emerging Markets ETF)
■VWO
1月は反発しましたが、その後は伸び悩んでいます。
新興国の株価は長期で見ると右肩上がりとはいかないところが、投資するか迷うところです。
当面は2018年始めにつけた価格を追い抜くのが目標になりそうです。
まとめ~新興国は「eMAXIS Slim 新興国株式」か「SBI・新興国株式」を選ぼう
新興国の株価は長い間、一転範囲内を推移しており、継続的な成長とはいかない状態が続きます。
それでも将来を見れば、インドや中国はアメリカのGDPを追い抜くと予想されていますし、投資を続けていれば報われる可能性もあると思います。
成熟しきった日本やヨーロッパよりは上昇余地が大きいのではないでしょうか。
そんな新興国に投資するなら、実質コストとパフォーマンスの両面で優位に立つ「eMAXIS Slim新興国株式」と「SBI・新興国株式」の2択だと思います。
前述した通り、この2つのファンドの違いは韓国が含まれているか、含まれていないかです。
サムスン電子等の韓国企業にも投資しておきたいという人は「eMAXIS Slim新興国株式」。
韓国企業は入れずにインドや南アフリカ等、他の国の比率を少し上げたいという場合は「SBI・新興国株式」がいいと思います。
私はインドの比率を少しでも上げたいので、「SBI・新興国株式」を買っています。
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