S&P500,ダウ,VTI 米国株インデックスファンドの利回り、組入銘柄を比較
(2019.03.10 ポートフォリオ、利回り、チャートを更新)
アメリカの株価は時折訪れる急落を乗り越え、右肩上がりの上昇を続けてきました。
その力強いパフォーマンスの恩恵を簡単に受けられる投資方法があります。
米国株式のみに投資するインデックスファンドです。
このタイプのインデックスファンドは、大きく分けて次の3種類があります。
・ S&P500に連動するインデックスファンド
・ NYダウに連動するインデックスファンド
・バンガード社のVTIに投資する楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)
どれを選ぶか悩みどころです。
では、それぞれのポートフォリオや利回り、コストはどうなっているのでしょうか?
ここでは代表的なインデックスファンドの最新情報を掲載します。
掲載する情報は「純資産」「実質コスト」「ポートフォリオ」「利回り」。
長期の値動きを把握するために、米国の株式指数の「株価チャート」も掲載します。
対象のインデックスファンドは以下の5つにしました。
- 楽天・全米株式インデックス(楽天VTI)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)インデックス
- iFree S&P500インデックス
- iFree NYダウ インデックス
- たわらノーロード NYダウ インデックス
「楽天・全米株式(楽天VTI)」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、つみたてNISAでもトップクラスの人気ファンドですね。
- 純資産と実質コストの比較 純資産では楽天VTIが優位
- 最新ポートフォリオ(2019.03.08)
- 各ファンドの利回り
- 各株式指数の株価チャート(2019.03.08)
- まとめ ~採用指数の違いにご注意を
純資産と実質コストの比較 純資産では楽天VTIが優位
まずは純資産と実質コストの比較です。
純資産が大きいファンドの方が繰上げ償還のリスクが小さく、安定した運用を期待できます。
実質コストは信託報酬以外の経費も含めた運用コストです。パフォーマンスに影響するので、低コストのファンドを選びたいところです。
■純資産、実質コスト比較 (2019.03.08)
「楽天VTI」の純資産が350億円を突破しました。
「eMAXIS Slim米国株式」と「iFree NYダウ」は100億円を突破しています。
実質コストは「iFree NYダウ」が0.3%を切っています。優秀な数値です。
「eMAXIS Slim米国株式」は年間の運用報告書がまだ出ていないので、実質コストは分かりません。
「eMAXIS Slim米国株式」の実質コストが0.3%を切るようであれば、人気が加速すると思います。
最新ポートフォリオ(2019.03.08)
米国に投資するインデックスファンドは、どのような企業に投資しているのでしょうか。
各インデックスファンドの組入銘柄を見てみます。
これは採用する指数によって異なります。
各ファンドの採用指数は次の通りです。
◆S&P500
・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
・iFree S&P500
S&P500は米国の大型株 500銘柄で構成される指数です。
◆NYダウ
・iFree NYダウ
・たわらノーロード NYダウ
NYダウは代表的な30社の銘柄で構成されます。
◆CRSP USトータルマーケット・インデックス
・楽天・全米株式(楽天VTI)
CRSP USトータルマーケット・インデックスは米国の大・中・小型株を含む4,000以上の銘柄で構成され、バンガード社のETFであるVTIの指数に採用されています。
楽天・全米株式インデックスはこのVTIを買うだけのファンドです。
VTIとS&P500の組入れ銘柄の上位は殆ど同じなので、ここではS&P500とNYダウのポートフォリオを掲載します。
S&P500 最新ポートフォリオ
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の採用指数であるS&P500のポートフォリオです。同じS&P500をベンチマークとする「iShares Core S&P500 ETF」のデータから引用します。
■ S&P500上位10銘柄
首位はマイクロソフトです。その後をApple、Amazonが追いかけます。
最近はこの順位が続いています。
他にもFacebook、Google等、上位10社にはIT企業が多いです。
次に、S&P500の業種別の内訳を見てみます。
■S&P500 セクター別構成比
1位は情報技術。2位はヘルスケア、3位が金融です。
世界全体では金融が時価総額で1位ですが、アメリカでは情報技術とヘルスケアが金融を上回っています。特に情報技術が突出していますね。
NYダウ 最新ポートフォリオ
次に「iFree NYダウ」の採用指数であるNYダウのポートフォリオです。
こちらら「SPDR ダウ工業株平均 ETF 」のデータから引用します。
■ NYダウ 上位10銘柄
S&P500は「株価の時価総額」を指数化して順位を付けていますが、NYダウは「株価の平均価格」で順位を付けています。
現在はボーイングが首位です。
2位は医療保険のユナイテッドヘルス、3位はコングロマリット企業の3Mです。
S&P500とは上位銘柄が大きく異なりますね。
業種別の内訳もS&P500とは異なります。
■NYダウ セクター別構成比
1位は資本財セクターです。
2位は情報技術、3位は金融と続きます。
資本財セクターが1位だと、中国経済に大きく影響を受ける気がします。
ボーイングのイメージが強いせいでしょうか。
各ファンドの利回り
各インデックスファンドの利回りの推移を見てみます。・
S&P500、NYダウ、VTI。投資対象によって、利回りに差はあるのでしょうか?
■年間の利回り比較(2019.02.28)
比較のために全世界に投資する「楽天・全世界株式インデックスファンド」も載せました。
2019年2月は楽天VTIの利回りが最も大きかったです。
楽天VTIには小型株が含まれます。12月の株安で値下がりした分の反発が大きかったのだと思います。
1年間を通してみると、NYダウに連動するインデックスファンドの利回りが最も大きいです。
大差がついているわけではないので、この辺の順位は見る時期によって変わると思います。
どのファンドも、全世界に投資する「楽天・全世界株式」より高い利回りを出していることがポイントです。アメリカ経済の強さを物語っています。
各株式指数の株価チャート(2019.03.08)
最後に長期の値動きを株価チャートで見てみましょう。
次のチャートは、S&P500の10年チャート(月足)です。
S&P500をベンチマークとする「iShares Core S&P500 ETF」のチャートを掲載しました。
■S&P500(iShares Core S&P500 ETF) 10年チャート(月足)
黄色い線が12ヶ月の移動平均線。青は24ヶ月、赤は60ヶ月です。
年が明けてから株価が反発し、2月は12ヶ月、24ヶ月の移動平均線を超えてきました。
3月に入ってからは、株価が下がっています。
欧州や中国等、世界経済の減速が懸念されているためです。
次はNYダウをベンチマークとする「SPDR ダウ工業株平均 ETF 」の月足10年チャートです。
■NYダウ(SPDR ダウ工業株平均 ETF)10年チャート(月足)
NYダウもS&P500と同じような値動きです。
3月に入ってから下がっていますね。これからも下がり続けるのか注目です。
ちなみにVTIの方も同じような値動きになっています。
VTIの長期チャートは次の記事に乗せています。
参考:VTとVTI ポートフォリオとパフォーマンスを最新データで比較
まとめ ~採用指数の違いにご注意を
ポートフォリオや年間パフォーマンスを見ると分かりますが、S&P500やVTIとNYダウでは構成銘柄が大きく変わるので、利回りに差が付くことがあります。
個人的には資本財が上位を占める「iFree NYダウ」や「たわらノーロードNYダウ」は、中国経済の影響を強く受けそうなので避けています。
そうなると「楽天VTI」「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「iFree S&P500」から選ぶことになります。
人気があるのは、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「楽天VTI」です。
私は小型株を含む「楽天VTI」の方が、長期的なパフォーマンスは良くなると期待して「楽天VTI」を定期的に買っています。
「小型株は値動きが激しそうだからいらない」という場合は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」で良いと思います。
どちらも利回りは大きく変わらないでしょう。
長期チャートを見ると分かりますが、アメリカの株価は時折下落しても、暫くすると右肩上がりの上昇に戻ります。
米国株に投資するインデックスファンドを地道に買っていれば、その恩恵を受けることができます。
長期投資に最適な手法の一つだと思います。
関連記事の紹介です。
アメリカを始めとした先進国に投資するタイプのインデックスファンドも人気があります。代表的なファンドを比較した記事です。
私がeMAXIS Slim米国株式(S&P500)より楽天VTIを選んだ理由です。
長期で見ればVTIの方がパフォーマンスが良いです。
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