【新興国投資】インドの下院総選挙の結果と株価の行方は?
2019年5月、世界中の株価が米中貿易摩擦で荒れています。特にアジアの株価は大きく下がっている印象があります。
そんな中、今月はもう一つ注目すべきイベントがあります。
中国と並ぶ期待の新興国、インドの下院総選挙です。
インド下院選挙の開票は5月23日。モディ政権の継続が優勢か?
インドでは5年に1度の下院選挙の真っ最中です。日本と違って、投票は7回に分けて行われます。
4月11日に1回目の投票があり、5月12日で6回目の投票が終了しました。
残りは5月19日の投票です。この投票後に出口調査の結果が出るようです。実際の開票は5月23日に予定されています。
注目は経済改革を進めるモディ首相率いるインド⼈⺠党(BJP)を中心とする与党連合の国民民主同盟(NDA)が政権を維持できるかです。
以前は農村部の不満等から与党の苦戦が予想されていました。
しかし、パキスタンとの軍事危機への強気な対応等からモディ首相の支持率が上がり、今は与党が優勢となっているようです。
■2019年4月の世論調査の結果
「イーストスプリング・インベストメンツ」という調査会社がまとめた、インドの世論調査の結果です。
与党のNDAが野党連合のUPAと他の政党を大きくリードしています。
ただ、モディ首相のBJPだけで過半数の272議席を取るのは難しく、NDAのように他の政党と連立政権を樹立するとの見方が強いです。
まあ、インドの世論調査の精度がどの程度のものか不明なのですが。。。
ちなみに、インドでは同じ人が何度も投票するのを防ぐために、こうやって指にインクを付けるみたいです。
「そんなの消せば分からないでしょ!?」
と突っこみたくなりますが、特殊なインクで2-3週間は落ちないらしいです。
どんなインクなんでしょうね。。。妙な新興国パワーを感じてしまいます。
インド総選挙の開票結果次第で株価がさらに下落するのか?
2018年は新興国から資金が流出する年でした。インドも外国人投資家の46億ドル相当の資金が流出したようです。
しかし、2019年2月以降は外国人投資家が戻ってきて、4月までに約99億ドルの資金が流入しています。
インドの代表的な株式指数であるSENSEX指数も4月16日に過去最高値を更新しました。
ところが、このまま株価が好調な状態で選挙を乗り越えられるか?と思ったところに、アメリカと中国の貿易摩擦が再燃してしまいました。
そのせいでインドの株価もかなり下がっています。
■EPI(ウィズダムツリー インド株収益ファンド)2年チャート(週足)
こちらは私が保有しているEPI(ウィズダムツリー インド株収益ファンド)というインドの高収益企業に投資するETFの2年チャートです。
米国のETFなので、株価の他にドル対ルピーの為替差も反映されます。
5月から大きく下がり始めていますね。
恐らく投資家は総選挙の結果を待っているので、開票日までにインドの株価が大きく上がる可能性は低いでしょう。この状態で5月23日の開票を迎えそうです。
インドの株価はモディ首相のBJPが政権に残ることが盛り込まれているはずです。
もし、それに反して野党が過半数を取った場合、インドの株価はさらに大きく下落してしまうかもしれませんね。
昨年の株価に舞い戻ったりしないでしょうか?またEPIが含み損状態になると思うと悲しいです。。。
eMAXIS Slim新興国株式等の新興国に投資するインデックスファンドも、インド株式が10%近く入っているので、それなりに影響はあるでしょう。
新興国に投資している人は、5月23日にインドからどのようなニュースが入ってくるのか注目しておいた方が良いと思います。
でも、インドにとってはどういう結果が良いのでしょうね。
外国人投資家からすると経済政策を進めるモディ首相の続投が望ましいのでしょう。
ですが、モディ首相が率いるBJPはヒンドゥー教至上主義で反イスラム教色が強いとか、経済政策を進めている割には農村部の生活は一向に改善されないとか、色々と不満も渦巻いているようです。
そういうニュースを見ると、与党が選挙に勝つことがインドの長期的な成長に本当につながるのか?と疑問にも思えます。
どこも似たようなものかもしれませんけど、新興国にはその国特有の政治的なリスクが潜んでいるように思えます。
一つの新興国に過度に期待して資金を投下しすぎるのは、リスキーかなと改めて思いました。
他の記事の紹介です。
中国を上回る経済成長が続くインド。EPIはそのインドの企業に投資できるETFです。
インデックス投資をするなら、将来も新興国より米国の方が優位だと思います。理由は株主還元力の強さにあります
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