長期投資で株式投資のリスクを減らせるのは米国株。必要期間は20年。
私たち個人投資家の最大の強みは『時間』を味方にできることと言われます。
株価は様々な理由によって上昇と下降を繰り返しますが、長期的に見れば右肩上がりに上昇する可能性の方が高いです。
長期にわたって株式を保持していれば、その恩恵を受ける可能性が飛躍的に上昇します。
短期に結果を求める必要のない個人投資家にとっては、時間を味方につける「長期投資」が最適な手法と言えるでしょう。
でも、長期投資の長期ってどのくらいの期間を指すのでしょうか?
米国の資産運用会社であるバンガードによると20年は必要のようです。
ただし、これは米国限定の話なのかもしれません。
長期投資に必要な期間は20年?
米国の資産運用会社であるバンガードは、株式投資のリスクを抑える有効な方法として「投資対象の分散」とともに「時間をかけること」を挙げています。
投資期間が長ければ長いほど損失を出す確率が低くなると、過去の実績が証明しているからです。
1924年から2014年までの米国の主要株式数の値動きを集計した結果、1年の投資期間で含み損となった年は、集計期間の内の1/4にも達しました。
投資期間が1年の場合、25%の確立で損をしてしまうということです。
しかし、この投資期間を10年に延ばすと、含み損が出る確率は集計期間中の4%にまで下がります。
さらに投資期間を20年に延ばすと、含み損が出る確率は0%になります。
■S&P500 1996年~2019年
これはS&P500の1996年から2019年までの株価チャートです。
2000年のITバブル崩壊後、株価が戻るのは7年後の2007年です。
しかし、直後の2008年にリーマンショックが発生し、再度株価が下落します。
その後、ITバブル崩壊前の株価を超えたのは2013年です。
確かに2度の株価暴落を挟んでも、20年間投資していれば利益を得られていますね。
長期投資を始めるとなった場合、20年を大きな節目と捉えておいた方が良さそうです。
20年で利益を出せるのは米国株だけ?
だけど、ここで一つ忘れてはならないことがあります。
バンガードはアメリカの会社であり、先のデータもアメリカの株式指数によるものということです。
では、他の国の株式に長期投資した場合も同じことが言えるのでしょうか?
■日経平均 1991年~2019年
1991年からの日経平均株価のチャートです。
なかなかの酷さですね。。。20年投資しても利益を出してくれるとは限りません。
2012年から上昇基調になっていますが、これから右肩上がりの株式指数に変貌を遂げてくれるのでしょうか?
実績が無いものは不安ですね。
■ドイツ株価指数(DAX) 1991年~2019年
■イギリス株価指数(FTSE100) 1984年~2019年
ドイツとイギリスの株式指数です。
ドイツは長期投資していれば報われそうですが、イギリスは微妙な感じです。
1999年から殆ど上がっていないです。
■上海総合指数 1995年~2019年
上海総合指数です。
これまた恐ろしい値動きですね。。。報われるのは束の間かもしれません。
株式市場の時価総額がアメリカの次に大きいのは、日本です。その後をイギリス、ドイツ、中国あたりが続きます。
インデックスファンドで国際分散投資を行おうとすると、これらの国の株式が少なくない割合で含まれることになります。
だけど、イギリス、ドイツ等の欧州勢はともかく、日本や中国の株式市場に長期投資してもリスクを抑える効果を発揮した実績はありません。
長期投資をすれば必ずリスクを抑えられるのではなく、長期投資に適した市場に長期投資することで初めてリスクを抑えることができるのだと思います。
今現在、最も長期投資に適した株式市場は前述したデータが示す通り米国です。
米国株への投資は長期投資に欠かすことができません。
もし、米国だけだと不安という場合は、米国以外の先進国(ただし日本は除く)をサブ投資先とするのが無難かなと思いました。
少なくとも20年という長きにわたって大事なお金を預けるわけですから、確実性の高い長期投資先を慎重に選びたいものですね。
他の記事の紹介です。
長期投資先を米国に選んでも、個別株投資で銘柄選定に誤っては意味がありません。長期投資をするならインデックス投資が無難な手法です。
フィデリティ証券の調査によると、米国株のみより、米国株の比率を70%とした方がリスクを抑えられるようです。
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