おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

その個別株は長期投資に向いているのだろうか。チェックしたい株主還元力。

「一度手にしたものは手放さない。」

「時は私の味方。お気に入り企業の株を永久保有して、投資を成功させよう。」

 

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常に結果を求められる機関投資家と違い、私たちは時間を味方につけることができます。

そのせいか、株式を長期間保有する長期投資がおすすめとされることが多いです。

 

でも、その個別株は本当に長期投資に向いているのでしょうか?

同じ個別株でも、長期投資に向いているもの、向いていないものがあると思います。

 

株価は思ったように上がらない

個別株への投資を始める際、自分に馴染みのある企業、将来有望と思える企業に投資することを考えるケースが多いと思います。

私も個別株を始めた際は「AI」「IoT」「フィンテック」等、自分が好きな分野に力を入れている企業を探していました。

 

でも、将来性ある事業を手がける企業の株価が必ずしも上がるとは限りません。

 

一般的に株価が上がる企業は、多くの人たちの期待が集まる企業だと思います。

私たちが魅力的だと思った企業も、他の機関投資家、個人投資家の期待が低ければ株価は上がらないでしょう。

 

日本の個別株をやっていたころ、「Yahooファイナンス」の掲示板で次のような意見を見ました。

 

「小野薬品は世界中の人たちの命を救っている素晴らしい企業。だから株価も上がるはず。」

 

本当にそういう優しい世界であってほしいのですが、この頃の小野薬品の株価は低迷していました。

 

以前の小野薬品はガンの免疫治療薬である「オプジーボ」への期待によって、株価が上昇を続けていました。

ある時、アメリカの製薬会社であるメルクが、同じガンの免疫治療薬である「キイトルーダ」の治験で「オプジーボ」より良い結果を得たという報道が出ました。

その途端、メルクの方に期待が集まってしまったので、小野薬品の株価は下落することになりました。

 

■小野薬品 株価チャート

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当時の小野薬品の株価チャートです。

〇の箇所が「キイトルーダ」の治験結果によって株価が下落した瞬間です。

私も巻き込まれたんですけどね。。。

 

どれだけ自分にとって魅力的と思える会社でも、その他大勢の人の期待を集めないと株価は上がりません。

期待を集めていても、小野薬品のように突如として期待を奪われ、株価が下がってしまう可能性もあります。

 

個別株の株価は不特定多数の人の期待や周囲の環境によって大きく左右されます

そのような株を長期保有していて、利益が確実に出るものでしょうか。

 

自分の期待が的中して、いつか株価が上がる可能性もあります。

長期保有することで、その瞬間に立ち会える可能性を高めることはできます。

でも、期待だけでは確実性は低いと思います。

他にも拠り所となる材料が欲しいところです。

 

長期投資するなら株主へ確実に利益を還元してくれる企業

個別株に長期投資するのであれば、周囲の期待ではなく、その企業自身の力で株価を支える、補えることのできる企業の方が良いと思います。

 

一つは自社株買いを継続的に行っている企業です。

企業が自身の株式を購入・償却することで、市場に出回っている株式の数を減らします。

それによって、株式の価値が高まり、株価が引き上げられます。

 

自社株買いに積極的な企業であれば、不特定多数の人の期待で変動する株価に、企業自身の力で対抗することができます。

自社株買いを行わない企業と比べて株価が継続的に上昇する可能性が高く、長期投資向きではないかと思います。

 

もう一つは配当金を継続的に増やしてくれる企業、連続増配企業です。

例え株価が下落しても、その企業が減配しない限り、もらえる配当金の額は減りません。

その配当金を継続的に増やしてくれる企業であれば、株価の上下を気にせずに長期保有することで、配当金による収入(インカムゲイン)を確実に手にすることができます。

 

さらに、その確実な収入が多くの人の期待を集めることで株価が安定することも期待できます。

連続増配企業への投資も長期投資に最適だと思います。

 

株価は不特定多数の人の期待によって上昇するもの。そこに確実性はありません。 

一方で、自社株買いと配当金は、企業の利益を確実に株主に還元するものです。

企業の利益を株主にしっかりと配分してくれる企業の方が、長期投資のリターンをより確実なものにできると思います。

 

自分の保有株が長期投資に向いているのかチェックしたい

ここまで、長期投資するなら 自社株買いや増配に積極的な企業と書いてきました。

だけど、それ以外の企業に投資すべきではないとは思いません。

 

新興企業の中には株主への還元を後回しにして、売上の大半を事業への投資につぎこむ企業があります。少し前のAmazon のような企業ですね。

そういった企業は市場平均を爆発的に上回る成長を遂げることがあるので、そこに投資すれば大きな利益を得ることができるでしょう。それも魅力的です。

 

ただ、長期間特定の企業に投資していれば、何らかの要因で株価が急落する場面に必ず出くわします。

この時、自社株買いや増配に積極的でない企業は、ものすごい勢いで株価が下がるものだと思います。市場の期待が下がってしまうと、株価がなかなか上がらない状況にもなりかねません。

 

こういう企業は長期保有というより、こまめに利益確定や損切を実行して、確実なリターンを得られるように自分で注意する必要があるんじゃないか。そんな風に思いました。

 

「株を買ったら、とにかく長期保有しなきゃ」

と考えるのではなく、自分の持っている個別株が長期投資に向いている企業なのかを一度チェックしたいです。

 

単に「将来有望だから長期保有」というのは危険な気がします。

自分が投資している企業は、株主還元を継続的に行っているのかを改めてチェックしたいなと思いました。

 

 関連記事の紹介です。

 米国企業の配当金や自社株買いの利回りは「MorningStar」のサイトで調べられます。

 

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