マコーミック(MKC) IBMと共同研究 AIを使ってフレーバーを開発し始める
一人の青年が作業に没頭している。
彼の名前はマーコック(MKC)。仕事は香辛料の開発・販売だ。彼の作る香辛料はすこぶる評判がいい。
今日も仕事にいそしむ彼を一人の客が訪れる。
?? 「やあ、マーコック。元気かい?」
マーコック「アイビーじゃないか?珍しいね。君がここに来るなんて。」
訪問者の名前はアイビー(IBM)。世界的に有名なIT企業で研究している。
優秀な人物だが、若くて勢いのある同業者(AMZN,FB,Google etc etc、、、) に押されがちだ。
最近おしゃれに目覚めたのか、赤い帽子(Redhat)を買おうとしているらしい。
しかもかなりの高値で。大丈夫か?うまく着こなせるのだろうか?
アイビー「君の香辛料は相変わらず評判いいみたいだね。」
マーコック「まあね。おかげさまで売れ行きも上々だよ」
アイビー「でも、新しい商品の開発とか大変だろ?消費者の好みを見極めるのも大変そうだ」
マーコック「そうなんだよな。納得のできる調合には時間かかるし、時間かけてもお客様の好みに合わない時があるんだよ」
アイビー「どうだい?消費者の好みをアドバイスしてくれる人がいたら助かると思わないかい?」
マーコック「そりゃ、助かるけど。そんな人いるのかい?」
アイビー「それがいるんだよ。正確には人ではないけどね。」
マーコック「?」
アイビー「AI。人工知能だよ。僕が作ったんだ!」
マコーミック(MKC) IBMとAIでフレーバを開発
世界最大のスパイスメーカーであるマコーミック(MKC)。
IBMとAIを使ってフレーバーの開発を共同研究していることを発表しました。
マコーミックの製品開発者はIBMの開発したAIシステムを使うことで、より効率的かつ迅速にフレーバの開発を行うことができます。
AIが知覚化学や消費者の好み、フレーバの種類等、多岐に渡る数百万のデータをもとに新しいフレーバの組み合わせを学習・予測してくれたりするようです。
マコーミックはこのAIプラットフォームを"ONE"と名付けました。2019年半ばまでに立ち上げる計画です。
既に"One"を用いて
「トスカーナチキン風味」
「ポークひれ肉バーボン風味」
「ニューオリンズソーセージ風味」
といったフレーバを開発しているようです。
美味しいのかいまいちイメージ湧きませんが、マコーミックが40年以上蓄積してきた味や知覚のデータとIBMのAI、機械学習をコラボレーションさせて開発した商品とのことです。
2021年までに全世界で展開。豊富なデータを使って開発スピードの向上につなげる。
マコーミックは自社の製品開発チームが世界中で積み重ねてきたデータとIBMのAIが組み合わさることで、フレーバの研究開発スピードが最大で3倍向上することを期待しています。
この技術は2021年までに全世界で展開される予定です。
最近の欧米の消費者が健康志向な食事にシフトしているように、食品会社にとって消費者の好みの変化を察知するのは重要です。
AIや機械学習を使ってよりスピーディーに消費者の好みを予測できるようになれば、売り上げの向上にも繋がるということでしょうか。
マコーミックは世界中でスパイスを販売していますから、スパイスはもちろん、世界の消費者の味の好みに関するデータを蓄積しているのかもしれません。
その豊富なデータバリエーションがAIや機械学習によって最大限に有効活用され、利用者の好みを完璧に予測してしまう時代が来るのかも?
~冒頭の寸劇へ~
マーコック「面白そうじゃないか。是非やろうよ!」
アイビー「そう来なくちゃ。君なら乗ってくれると思ってたよ」
マーコック「昔からの方法に固執しているとライバルに負けちゃうからね。新しい技術を取り入れなくちゃ。」
アイビー「君と僕が組めば怖いものなしさ。これで僕たちの評価も上がること間違いなしだ!」
あ。ついでに株価も上げてもらえますか?
他の記事の紹介です。
マコーミックの2018年Q4決算。市場予測に届かず、株価は急落しました。
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