おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

VYMに投資する楽天・米国高配当株式インデックスで配当金を自動再投資

株式を保有することで得られる配当金。

株価が下がっても変わらないリターンを得られるため、相場が不調な時も確実な収入を得ることができます。

 

その配当金を雪だるま式に増やす有名な方法として、米国の高配当株に投資し、その配当金を再投資する手法があります。

アメリカの企業は株主の利益を優先するため、減配のリスクも比較的低く、配当金を増やす投資先として最適な選択肢ということでしょう。

 

この米国の高配当株への投資を簡単に実現してくれるのが

楽天・米国高配当株式インデックスファンド

通称『楽天VYM』です。

 

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ここでは楽天VYMのポートフォリオ、実質コスト、パフォーマンス、メリットについて掲載します。

 

 

楽天VYMはバンガード社のETF VYMに投資する投資信託。つみたてNISAでも購入可能。

楽天VYMは「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」という、米国の配当利回りの高い株式で構成する指数への連動を目指すインデックスファンド。

 

その実体は、アメリカのバンガード社が販売する、米国の高配当企業へ投資するETF『VYM』を買い付けるインデックスファンドです。

 

VYMに投資することで、高配当株からの配当金による安定したリターンが期待できます。

弱気相場の時には配当金が株価の下落を下支えして、パフォーマンスの低下を抑えることも期待できるでしょう。

 

そんな魅力的なVYMを少額で購入することを可能にしたのが、『楽天VYM』です。

つみたてNISAの対象にもなっています

これからつみたてNISAを始める人で、高配当企業への投資に興味がある場合は、是非チェックしておきたいインデックスファンドです。

 

楽天VYMのポートフォリオ

では、「楽天VYM」はどのような企業に投資しているのでしょうか?

 

「楽天VYM」のポートフォリオを見てみましょう。

ここでは、本家VYMの上位10企業と業種別比率を掲載します。

 

■VYM 上位10企業 

VYMが投資する上位10社です。

 

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 高配当株と言うと、エネルギーや金融、通信事業者が多いイメージですが「インテル」や「Cisco」といった、ハイテク企業も上位に入っています。

さすがに「エクソンモービル」や「ベライゾン」、「AT&T」といった高配当株の代名詞とも言える企業の配当利回りは高いですね。

株価が低迷している影響もあると思いますけど。

ちなみに、VYM自身の配当利回りは3.43%(2019年2月28日時点)と、ETFとしては充分高い配当利回りです。

『楽天VYM』を買えば、この高配当ETFに投資することができます。

 

先の表を見てもわかる通り、VYMは色々な業種の企業に分散されます。 

次のグラフは業種別の構成比率です。

■VYM 業種別構成比率

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金融やヘルスケア、生活必需品セクターが多いです。

意外とエネルギー株の比率は低いですね。

バランスよく分散されているイメージです。 特定の業種の株価が大きく変動しても、リスクを分散してくれるでしょう。

 

楽天VYMの実質コスト

次に『楽天VYM』の実質コストをチェックしてみましょう。

優秀なVYMに少額から投資できるといっても、『楽天VYM』のコストが高すぎると、VYMのパフォーマンスが目減りしてしまいます。

 

■楽天VYMの信託報酬

『楽天VYM』の交付目論見書によると、信託報酬は次のようになっています。

 

  ・運用管理費用 ・・・ 年0.1296%

       ・VYMの経費  ・・・ 年0.08%

           合計  ・・・ 年0.2096%

 

年間0.2096%程度と、充分低コストと言えるインデックスファンドです。

 

しかし、インデックスファンドの運用には、信託報酬以外のコストも発生します。

この隠れコストも、インデックスファンドのパフォーマンスに影響します。

 

隠れコストも加味した実質コストを、『楽天VYM』の運用報告書から計算してみます。

 

■楽天VYMの信託報酬以外のコスト   

 

  ・売買委託手数料 ・・・年0.085%

       ・有価証券取引税 ・・・年0.000%

       ・その他費用   ・・・年0.064%

                合計      ・・・年0.149%

 

これは、2018年1月10日~2018年7月17日の189日間で発生した楽天VYMの隠れコストです。

単純に1年=365日に換算すると、0.149×365/189 ≒ 0.2878%になります。

 

信託報酬と合計すると 0.2096+0.2878 = 0.4974%

 

楽天VYMには年間0.4974%の実質コストが発生します。

 

少し高いですね。

同じようにバンガードのVTIに投資する『楽天VTI』でも実質コストは0.3%程度なので、もう少しコスト改善して頂きたいところです。

 

 

 楽天VYMのパフォーマンス 楽天VTIと比べるとどっちが優れている?

 続いて、『楽天VYM』のパフォーマンスについてです。

 

『楽天VYM』や本家VYMを購入する際に悩むのが、同じバンガード社が販売しているVTIやVOOとのパフォーマンス差です。

 

VTIはアメリカの株式全体に投資できるETF、VOOはアメリカの大型株500銘柄で構成するS&P500指数への連動を目指したETFです。

 

日本のインデックスファンドでも、『楽天・全米株式インデックス(楽天VTI)』でVTIに、『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』でS&P500に投資できます。

 

『楽天VYM』が高い配当利回りで安定した運用が期待できると言っても、VTIやS&P500のパフォーマンスに大きく劣るのであれば、購入をためらってしまいます。

 

では、それぞれのパフォーマンスを比較してみましょう。

と言っても『楽天VYM』や『楽天VTI』は設定から1年程度しか経っていないので、長期的なパフォーマンスは比較できません。

 

そこで、本家VYM、VTI、VOOの長期チャートを比較してみました。

 

■VYM,VTI,VOOの株価比較チャート(2010年1月~2019年2月)

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 一番上の黄緑色の線がVTI、次の赤色の線がVOO、青色がVYMです。

2010年1月からの株価を比較しています。

VYMはVTIやVOOと比べて、パフォーマンスがかなり劣っています。

特に2017年から差を付けられていますね。

 

これでは、VYMを買う意味が無いでしょうか?

そうとも限りません。

先ほどのチャートは「株価の値上がり」のみを比較したものです。配当金 で得られるリターンは含まれていません。

 

VYMは高配当株に投資が売りですから、配当金込みで比較してみましょう。

 

 ■VYM,VTI,VOOのトータルリターン(配当金込み)の比較

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2010年からの配当金を含めたトータルリターンの比較です。VTIやVOOとの差が縮まりました。

切り出す期間によっては、VYMがVOOを上回る時もあります。

配当金込みでのリターンであれば、VYMはVTI、VOOと遜色ないパフォーマンスを発揮できます。

 

楽天VYMの最大のメリット 配当金再投資がお手軽にできる

ここまで『楽天VYM』のポートフォリオ、コスト、パフォーマンスを見てきました。

『楽天VYM』の実質コストに少し不安が残りますが、本家のVYMは投資先として魅力的なETFだと思います。

 

では『楽天VYM』を買うメリットは何なのでしょうか。

『楽天VYM』のコストが高いのであれば、本家のVYMを直接買った方が良いのでは?と思ってしまいますね。

 

『楽天VYM』の最大のメリットは、高配当株への配当金再投資を少額から可能にしてくれる点にあると思います。

 

仮に、投資の元手として10万円があったとしましょう。

この元手で本家のVYMを購入したとします。

配当利回りが3%とすると、得られる配当金は年間で3,000円程度です。

VYMは1株当たり86ドル=約9,500円なので、この程度の配当金ではVYMに再投資はできません。

 

では、元手を増やして100万円でVYMを購入したとします。

得られる配当金は年間で3万円程度。

これだとVYMを購入できますが、今度は外国株の購入手数料が壁として立ちはだかります。

例えば、SBI証券で外国株を購入する場合、購入代金の0.45%が手数料としてかかりますが、最低手数料というものが定められています。

どんなに少額購入しても5ドル以上は必要となります。

3万円でVYMを買って5ドルの手数料を払う。購入代金の1.6%以上を取られます。完全に手数料負けです。

 

手数料負けしないためには、貰った配当金に10万円程度の資金を追加したうえで、VYMを購入する必要があるんです。

 

つまり、本家VYMや個別株で配当金再投資を行う場合、常に10万円以上の投資資金を出せるだけの資金力が必要になります。

人によりますが、10万円はかなり大きいですよね。若い人には高いハードルだと思います。

 

『楽天VYM』は、この高いハードルを低くしてくれます。

『楽天VYM』には購入手数料はかかりません。そして、VYMから得られた配当金はファンド側が勝手にVYMへ再投資してくれます。

 

ファンド側はみんなから集めた資金で大量のVYMを買う。

得られる配当金で、ファンド側がまたVYMを買い付ける。

ファンド側にさらに多くの配当金が入る。

また、VYMを買い付ける。

 

こんな感じで、みんなの力を合わせてVYMへの配当金再投資を行い、その利益を分かち合う形です。

 

楽天VYMは今のところ分配金が出ていないので、本家VYMや個別株と違って、目に見える形、つまり現金では配当金は得られません。

ですが、その裏では配当金をVYMに再投資し、配当金を雪だるま式に増やす営みがされています。

 

VYMは株価の値上がりだけでは、VTIやS&P500には及ばないかもしれません。

そのせいか『楽天VYM』はS&P500に投資する「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」や「楽天VTI」と比べると、人気がありません。

 

しかし、長期間にわたって高い利回りの配当金を再投資すれば、安定した資産形成ができると思います。 

『楽天VYM』はこの配当金再投資への入り口を広げてくれる、優れたインデックスファンドです。

 

惜しいのは、実質コストが他のインデックスファンドに比べて高い点です。

この実質コストの改善が見られれば、長期投資に最適なインデックスファンドの一つになり得るのではないでしょうか。

 

『楽天VYM』のコスト改善に期待したい。今後の行く末を注目しましょう。

 

関連記事の紹介です。

 

この記事を書いていたらVYMを買いたくなってしまいましたが、私は楽天VTIを中心に投資しています。


eMAXIS Slim米国株式と悩みましたが、楽天VTIの方が好みです。


 

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