【米国株】利下げ局面で買うETFはどれ?公益、不動産に注目
ニュース記事に『利下げ』の文字が躍る。
6月20日、アメリカのFRBが年内の利下げの可能性を示唆しました。
これが良いことなのか、悪いことなのかは分かりませんが、こういう時って何に投資すれば良いのでしょうね?
Nasdaq.comというサイトが、利下げに強いETFを紹介してくれていたのでチェックしてみました。
公益セクター、不動産、高配当ETF、新興国ETFあたりが注目のようです。
公益セクター、不動産にとって低金利は有利に働く
低金利が有利となるセクター(業界)の代表格は公益セクターと不動産です。
どちらも金利負担の減少が支えになるからです。
公益セクターは設備投資のために銀行からの多額の融資を必要とします。金利の低下は負債の減少に繋がり、経営の助けになります。
不動産が有利になるのは、低金利になることでローンを組みやすくなった人たちが不動産を買うためですね。
公益セクターには「VPU(Vanguard Utilities ETF)」や「XLU (Utilities Select Sector SPDR)」といったETFで投資可能です。
米国の不動産に投資するETFには「VNQ(Vanguard Real Estate ETF)」等があります。
では、VPUとVNQの株価を見てみましょう。
■VPU,VNQ,VOO 6カ月チャート(2019.06.21時点)
青が公益セクターのVPU、赤が不動産のVNQ、黒はS&P500に連動するVOOです。
過去6カ月のチャートです。
今のところ、VNQはS&P500と同程度の上昇です。
VPUはS&P500と比べて大したことないですね。実際に利下げが始まれば、立場が逆転するのでしょうか?
高配当株、新興国にも注目
利下げ時に注目すべきETFは他にもあります。
一つは高配当株を集めたETFです。
利下げされると、投資家の資金が金利の低い債券から配当利回りが高い株に移るからです。
もう一つは新興国に投資するETFです。
2018年はアメリカの利上げによって新興国から資金が引き上げられ、新興国の株価は低迷しました。
リスクを負って新興国株に投資するより、安心・安全な米国債券の方が買われやすくなるためです。
その逆の理屈で、アメリカが利下げすれば、新興国の株式に投資家の資金が戻ってくるのではと期待されています。
高配当株に投資するETFは「VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)」、「HDV(iShares Core High Dividend ETF)」等があります。
これは米国株投資家にはおなじみですね。
新興国に投資するETFは「VWO(Vanguard FTSE Emerging Markets ETF)」、「EEM(iShares MSCI Emerging Markets ETF)」が有名です。
VYMとVWOの株価を見てみます。
■VYM,VWO,VOO 6カ月チャート(2019.06.21時点)
青が高配当ETFのVYM、赤が新興国ETFのVWO、黒はS&P500に連動するVOOです。
これもS&P500の方が大きく上昇していますね。
最近VYMを買いまくりな私としては、利下げ時に差が縮まってくれることを期待したい。。。
でも、VYMが利下げに強いかは微妙なところだと思います。
現在のVYMは金融セクターが最も多く、18%を占めています。
金融セクター、特に銀行にとって利下げは収入減につながるので、不利な気がします。
利下げに強いのは公益と不動産?
ここまでの内容をまとめると、利下げに強いETFは
・公益
・不動産
・高配当
・新興国
ということでした。
このうち、高配当系ETFは前述のとおり、利下げに弱い業種の株式も混ざっているので、純粋に利下げに強いとは言えないでしょう。
新興国も値動きが激しくてリスクがあるので、残った公益や米国不動産のETFに注目でしょうか。
特に低金利が不動産に有利というのはイメージがつきやすいです。何だか投資してみたい気にもなります。
でも、公益も不動産も長期で見ればS&P500に完敗しています。
投資資金を大きくしすぎると、利下げ局面が終わった時に痛い目を見そうです。
利下げが近いからといって、特定の業種に資金を集中するのは危険です。
幅広い業種に分散投資したうえで、公益や不動産の比率を少し上げる程度に留めておくべきでしょうね。
他の記事の紹介です。
高配当ETFに期待するのは株価の上昇ではありません。配当金が弱気相場における心の支えとなる事を期待しています。
VPUより水道株?
公益セクターのAmerican Water WorksはS&P500を上回るパフォーマンスを見せています。
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