【米国株】利下げの期待で株価は上がる。だけど買い時ではない。
『Bad News is a Good News』
株式市場は不思議なもので、一般的に見れば好ましくない知らせが
その分かりやすい例が、最近の米国の
「経済指標の悪化」→「利
の流れです。
果たして、利下げが期待される今は株の買い時なのでしょうか
モルガン・スタンレー証券のアナリストはこの雰囲気に警鐘を鳴ら
S&P500は利下げへの期待で株価が反転
■S&P500 3ヶ月チャート
S&P500の株価チャートです。
5月は米中貿易摩擦の懸念で株価が下落しましたが、6月は反転しました。
これは米中貿易摩擦や経済指標の悪化を受けて、FRBが利下げの可能性を示唆したためです。
金利が下がると企業は銀行から融資を受けやすくなります。投資家も金利の低い債券を買わずに株式を買うようになります。
そのため、利下げは景気の悪化を受けて行うもの、つまり「Bad News」と言えますが、株価は上がりやすくなる「Good News」がもたらされるという、素人目にはややこしい展開となります。
さて、飛んで火にいる夏の虫な私は、株価が上がっていると飛びつきたくなってしまいます。
でも、利下げが期待される今は本当に買い時なのでしょうか?
利下げが景気回復に繋がるかは不透明
モルガン・スタンレー証券のアナリストによると、今は買い時ではないようです。
その理由は、今回の利下げ期待の背景にあります。
利下げの可能性が高まっている理由は、主に以下の3つです。
(1)経済指標の悪化
5月の非農業部門雇用者数は前月比7.5万人の増加と、市場予想の18万人増加を下回りました。
それだけではなく、3月の増加を18.9万人から15.3万人に下方修正。4月の増加を26.3万人から22.4万人に下方修正しています。
このことから米国の雇用状況は既にピークに達したと見られています。
(2)インフレ率の低下
FRBは経済成長に適したインフレ率を2%と見ています。
しかし、個人消費支出から算出された物価変動率(PCEデフレータ)は1.6%のインフレにとどまっています。
この低インフレは消費者の購買意欲低下、失業率上昇の兆しかもしれません。
(3)経済成長の鈍化
加熱する貿易摩擦によって、世界中で経済成長の鈍化が懸念されています。
アメリカのGDP成長率は第2四半期に2.4%、第3四半期に2%、第4四半期に1.8%にまで低下すると予測する向きもあるようです。
これらの状況から、現在の株価は既に複数回の利下げを折り込み始めていると言われています。
だけど、利下げが景気回復に効果を発揮するのかは不透明です。
昔は利下げをすると、建設業や製造業で設備投資が旺盛になって景気回復につながるシナリオが描けました。
しかし、建設業、製造業に従事する人の割合は、年々減少しており、今は13%程度です。1980年代は25%程度でした。
金利の影響を受ける業界のウエイトが昔とは異なるので、以前のような利下げ効果が期待できない可能性があるようです。
こういった事態に備えて、
「利下げによる株価上昇に惑わされず、現金比率をある程度維持しておくように」
と、モルガン・スタンレー証券はアドバイスしてくれています。
こういう意見を目にすると「現金を増やした方がいいか?」と安直に考えてしまいますが、考えたところで将来を予測することはできません。
予め現金比率や現金保有額を決めておいて、そのルールに従って投資を継続するしか選択肢は無さそうです。
くれぐれも目先の株価につられて、ローソクの最後の炎に焼かれないように注意したいものです。
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