SBI証券 米国株式・ETF定期買付サービス 手数料の改善で使いやすくなりそう
SBI証券の『米国株式・ETF定期買付サービス』は、その名の通り米国の個別株やETFの定期積立を自動化してくれるサービスです。
今までは米国株の購入手数料がネックとなり、気軽に使えるサービスとは言い難いものでした。
しかし、このジレンマは突如として終わりを告げました。
「米国株式・ETF定期買付サービス」は、SBI証券の手数料改善によってグンと使いやすいサービスに変貌を遂げそうです。
「日付と曜日指定」「株数と金額指定」での定期購入が可能
最初に「米国株式・ETF定期買付サービス」の使い方を簡単に見てみましょう。
次のような画面で、SBI証券で取り扱っている米国株、ETFを自動的に購入するように設定できます。
買付日は毎月の日付、もしくは曜日での指定が可能です。
複数日指定することもできますし、曜日指定もできます。
「毎月5日と20日にVTIを購入するぞ」
「毎週水曜日にAmazon株を購入しよう」
こんな感じで購入日の設定ができます。
購入単位は株数か金額で指定します。
金額で指定できるのは良い仕組みですね。
インデックスファンドのように、株価が高いときは少ない株数、株価が低いときに多めの株数を買うことができます。
これだけ設定すれば、毎月好きな米国株やETFを自動的に購入してくれます。
お手軽に積み立て投資ができます。
米国株の購入手数料の改善で格段に使いやすくなる。
このサービス。今までは購入手数料の制限のせいで、あまり使い勝手が良くないサービスでした。
2019年7月10日現在、SBI証券では米国株の購入時に次の手数料が必要になります。
- 約定代金の0.45%(税込0.486%)
- 最低手数料:5ドル(税込5.4ドル)
- 上限手数料:20ドル(税込21.6ドル)
基本的には購入金額の0.45%が手数料として課されるのですが、最低手数料5ドルという制限があります。
これが曲者でした。
例えば、上の絵のように
「VTを月に2回、20,000円ずつ買うぞ~」と考えたとします。
仮に1ドル=110円とすると、20,000円は約182ドルです。
この0.45%は5ドルに満たないので、最低手数料の5ドルを払う必要があります。
結果的に、2.7%もの購入手数料が必要になってしまうのです。これはかなり高い。
購入手数料を0.45%に収めるには、1,111ドル以上で購入する必要があります。
日本円で12万~13万円の金額を一度に投入しないと、手数料負けしてしまいます。
つまり、このサービスを使うには、毎月12万円以上を投資に回すという条件が必要だったのです。
しかし、この状況が7月22日から劇的に改善されることになります。
SBI証券は7月22日から、購入手数料の「最低手数料:5ドル」の条件を撤廃するからです。
これにより、SBI証券では、どれだけ少額で米国株・ETFを購入しても、かかる手数料は約定代金の0.45%になります。
先の例のように
「VTを毎月20,000円ずつ買うぞ~」
と決めた場合、かかる手数料はわずか90円!
もう、一度に12万円以上も突っこむ必要はありません。
7月22日からは、気軽に少額から「米国株式・ETF定期買付サービス」を使えるようになります。
バリエーションに富む海外ETFを少額から自動積立。多様な投資が可能に。
手数料の改善により「米国株式・ETF定期買付サービス」は魅力的なサービスへと変貌を遂げそうな気がします。
使い道の王道は、やはりVOOやVTI等の米国全体に投資するETFの定期購入でしょうか。
これは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」や「楽天VTI」といった投資信託で代替可能ですが、米国のETFの場合は四半期に1回、配当金をもらうことができます。
投資信託の方も配当金を自動再投資するので、トータルリターン的には大差無いと思いますが、キャッシュで配当金をもらうのが好きな人には、ETFの積立の方が魅力的に映るでしょう。
しかし、何と言っても最大の魅力は、数多のETFにお手軽にアクセスできるようになることです。
米国にはVOOやVTI以外にも投資意欲をそそられるETFがたくさんあります。
いくつか例を挙げると、 、、
・VDC(生活必需品セクターETF)、VHT(ヘルスケアセクター ETF)のようなセクター別ETF
・連続増配企業に投資するVIG
・高配当株に投資するHDV
・高成長が期待できるNASDAQ市場に投資するQQQ
等々、細かなニーズに応えるETFが一杯あります。
これまでは手数料制限の関係で一度に12万円以上を投資する必要がありました。
投資に出せる金額がそこまで多くない場合、この類のETFを毎月12万円も積み立てたら、ポートフォリオが偏ったものになってしまいます。
しかし、これからは少額からの定期買付が可能になります。
これらのETFを使って、自分好みにカスタマイズしたポートフォリオを少額から、かつ自動的に構築することができます。
例えば、
メインの積立投資先は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」や「楽天VTI」等の米国全体に投資するインデックスファンドにしておく。
そこに「米国株式・ETF定期買付サービス」でVDCを少額で積立し、生活必需品セクターの比率を少し引き上げる。
こんな感じで、こだわりのポートフォリオでの積み立てを自動的に行うことができます。
新興国の投資に用いるのも面白そうです。
「eMAXIS Slim新興国株式」のような新興国に投資するインデックスファンドは中国、韓国、台湾の比率が非常に大きいです。
そこに「米国株式・ETF定期買付サービス」で、将来の経済成長が期待されているインドや東南アジアに投資するETFを定期購入することで、「eMAXIS Slim新興国株式」のアンバランスさを少し解消したポートフォリオを構築できそうです。
日本の投資信託やETFの積立では、ここまで柔軟なポートフォリオの構築は難しいと思います。
しかし、「米国株式・ETF定期買付サービス」を使えば、多様なポートフォリオを自動で構築することもできるでしょう。
しかも、それが少額からの投資で可能になるのです。
「米国株式・ETF定期買付サービス」+「手数料制限の撤廃」。
これは積立投資における選択肢を大きく広げてくれる手段になりそうです。
他の記事の紹介です。
VDC,VHT,VPU。リセッションに備えて、強いセクター別ETFを少額から積立しておいてもいいかもしれません。
新興国に投資するインデックスファンドは、これからの経済成長が期待される東南アジアの比率が小さいです。この記事の最後に東南アジアに投資するETFを掲載しています。
東南アジア同様、将来の経済成長が期待されるインド。インドの高収益企業に投資するETFの紹介記事です
最後までありがとうございます。
良ければクリックをお願いします。