【米国株】S&P500に投資するVOOとIVV どっちかを選ぶならVOO
Vanguard(バンガード)の『VOO』とBlackRock(ブラックロック)の『IVV』。
どちらも米国のS&P500に低コストで投資ができるETFです。
コスト差も極わずかであり、両者に優劣を付けるのは難しいように思えます。
しかし、"低コスト"という点に着目すると、バンガードの「VOO」の方が優勢のようです。
その要因は会社とETFの構造の違いにあります。
VOOとIVVの純資産、コスト比較
まず、現在のVOOとIVVの純資産、コストを比較してみましょう。
VOO | IVV | |
---|---|---|
純資産 | 1182.7億ドル | 1815.8億ドル |
年間コスト | 0.03% | 0.04% |
VOOはIVVより歴史が浅いので純資産では劣っています。バンガードにはVTIという米国全体に投資できるETFがあるので、そっちの方が買われているというのもあるでしょう。
ですが、年間コストではVOOが0.03%とIVVを下回ります。
つい最近まではIVVと同じ0.04%だったのですが、今年になってコストを引き下げてきました。
こうなってくるとIVVもコストを引き下げてくるのかが気になるところです。
以前もVOOがコストを0.04%に引き下げた後、IVVが追随してVOOと同じコストに引き下げた経緯があります。
でも、IVVがVOOよりコストを引き下げるのは難しそうです。
コスト競争の面においては、バンガードの方が有利となり得る背景があるからです。
バンガードの会社構造が低コストを可能にする
バンガードとブラックロックの違いの一つに会社と株主の関係があります。
ブラックロックは株式を公開している株式会社です。
この場合、運用会社とその会社のETFを買う投資家、そして株主の間で利益を奪い合う関係性が成り立ちます。
ブラックロックのような会社は投資家にETFを販売する一方で、株主に対して配当金等を還元する必要があります。
ブラックロックがIVVのコストを引き下げれば、当然ブラックロックの利益は減ります。
そうすると、株主に還元する資金が小さくなる恐れがあるので、できればコストの引き下げは避けたいところです。
投資家の利益を優先させると株主の利益が減り、株主の利益を優先させると投資家の利益が減る。
そんな利益相反の関係性になっています。
一方でバンガードはこれとは違う会社構造を取っています。
バンガードは株式を公開していません。
バンガードは相互所有形態の会社構造となっていて、投資家がバンガードのファンドを所有し、そのバンガードのファンドがバンガード社本体を所有する関係性となっています。
投資家がVOO等のETFを買うと、間接的にバンガードの株主になるような感じです。
つまり、バンガードの株主とはVOO等のETFを買う私達です。
外部の株主に配当金等を支払う必要はないので、他の運用会社に見られる利益相反の関係性は発生しません。
だから、ETFを買う人たちの利益のみを考えて低コスト路線を突っ走ることができるようです。
バンガードのETFは合同運用でコストを下げている
バンガードとブラックロックの違いは、ETFの運用形態にもあります。
バンガード・インベストメンツ・ジャパンから引用
一般的な運用会社のETFは、そのETF単独で運用されています。
それに対してバンガードのETFは、他の機関投資家向けのインデックスファンド等と合同で運用する形態を取っています。
このスケールメリットを活かすことで、効率的な運用が可能となり、低コストでの提供を可能としているようです。
ちなみに、このETFの構造は米国でビジネス特許を取得しています。
VOOとIVVならVOOを買っておいた方が安心?
バンガードは他の運用会社と比べてETFのコストを引き下げやすい環境が整っているようです。
今後、ブラックロックがIVVのコストをVOOと同率にまで引き下げてくる可能性もあります。
でも、それはVOOに負けたくないから仕方なく下げるという感じでしょう。
下げすぎると売上に響いてしまうので、VOOより低いコストが設定されることは無い気がします。
もし、この先もコスト競争が続くのであれば、常にVOOが先行してコストを引き下げていくのではないかなと思いました。
それであれば、IVVよりもVOOを選んでおいた方がコスト引き下げの恩恵を早く受けれそうです。
そうとは知らず、私は資産規模の方に着目してIVVの方を買ってしまいました。。。
買う前に知っておくべきだったこの仕組み。
0.01%程度のコスト差を気にする必要は無いと思いますけど、次買う時はVOOにしようかな?
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