たわらノーロード全世界株式から投資信託を買う時の注意点を学んだ
つみたてNISAやiDeCoの普及も手伝って、様々なタイプのインデックスファンドが販売されるようになりました。
数多くのインデックスファンドの中で、どれが自分に合っているのか?
当然かもしれませんが、それを判断するには自分で考え、自分で調べる必要があります。
8月30日に「アセットマネジメントOne」のサイトで公開されていた「たわらノーロード 全世界株式」の販売資料を眺めていて、そんなことを思いました。
たわらノーロード全世界株式 「全世界株式」の理由は?
「たわらノーロード全世界株式」は信託報酬0.1296%で世界49ヵ国の株式に投資できるインデックスファンドです。
この信託報酬は同タイプの「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と同率で業界最低水準と、素晴らしい商品だと思います。
このファンドの販売資料を見ていて
「なかなかうまいな」
と思った箇所があります。
「なぜ全世界株式に投資するのか?」に対する説明部分です。
大雑把にまとめると、次のように書いてあります。
・世界経済と株式市場の成長には密接なつながりがある。先進国、新興国のGDPの拡大とともに株式市場も拡大してきた。
・今後も先進国、新興国のGDPは拡大していく。両方の株式に投資することで、世界経済全体の成長を取り込むのがコンセプトだ。
そして、次のようなグラフが掲載されています。
なるほど~。
先進国も新興国もGDPが拡大している。
そして株式の時価総額なるものも上がっている!
これを買えば資産を確実に増やせるに違いない!!
何となく読んでいると、そう思えてしまいます。
だけど、先進国と新興国の過去の株価を比較してみると、次のようになります。
■先進国と新興国の株価チャート
青色のグラフは日本を除く先進国に投資するETF「iShares MSCI Kokusai ETF」、赤色は新興国に投資するETF「VWO」の株価チャートです。
先進国は右肩上がりに株価が増えています。
でも、GDPが拡大している新興国の株価が上がっていません。
このチャートは過去10年間のチャートです。少なくとも過去10年間は新興国に投資しても大したリターンは得られない。先進国だけ投資していれば良いという状態でした。
たわらの販売資料が与えるイメージと現実は異なるようです。
宣伝文句に書かれていないことは何か
「たわらノーロード全世界株式」の販売資料には何も嘘は書いてありません。
先進国、新興国のGDPは拡大していますし、世界の株式の時価総額が増えていることも事実です。
ただ、GDPの推移は先進国と新興国で分けているのに、株式の時価総額は一纏めにして表しています。
これでは、本当に全世界に投資するメリットがあるのか分かりづらいです。
と言うか、あえてこの部分はぼかしているのだと思います。
ここで先進国と新興国の株価を別々に表したら、
「あれ、新興国いらない?」
「全世界株式である必要ないよね?」
となってしまって、売り手としては都合が悪いでしょう。
なので、この表し方は上手いな~と思いました。
販売する側は売ることが全てです。
彼らが出してくる説明やデータは真実であり、嘘をついていることはないはずです。
ただ、 買う気が起きないような都合の悪いデータは敢えて出しません。
この点を念頭に入れて、投資信託を選ぶ際は宣伝文句をそのまま受け取らず、そこに書かれていないことは何かを考えるという姿勢も重要なんだなと思いました。
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インデックス投資では株主還元力の強い企業が多い米国株を中心にした方が安全だと思います。
米国だけでなく世界全体に分散投資するのは、米国株が弱くなった時の予防のためです。
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