楽天・全世界株式(楽天VT)を売却した理由は積立投資に向いていないから?
『楽天・全世界株式インデックスファンド(楽天VT)』は世界中の株式に投資することができるインデックスファンドです。
これ一本で世界全体に分散投資できることから
「楽天VTを積立てて国際分散投資。資産運用はこれ一本で大丈夫?」
と考える人もいるかもしれませんね。
私も以前は楽天VTを積み立てていました。でも、今は行っていません。
楽天VTは積立投資には向いていないと思ったからです。
楽天VTのリターンは高いのか?
楽天VTはバンガード社のETFであるVTを購入手数料無しで積み立て可能としたインデックスファンドです。
これ一本で世界43ヵ国、8,200銘柄に分散投資することができます。
一見すると素晴らしいインデックスファンドに思えます。
だけど、必ずしもリターンが高いというわけではありません。
■VTとVTIの株価チャート比較(2009年~2019年)
これはVTとアメリカのみに投資するVTIの過去10年間の株価チャートを比較したものです。青色がVTです。
アメリカのみに投資した方が2倍以上株価が上がっています。
過去10年間では世界中に投資するより、アメリカのみに投資した方が資産が大きく増えました。
このパフォーマンスの原因はVTの投資対象国の内訳にあります。
■VTの投資対象国の内訳(2019年6月末)
過去10年の株式市場で最もパフォーマンスが良いのはアメリカでした。
そのアメリカの比率が半分程度にとどまっているために、他国の株価がアメリカの株価上昇を相殺してしまう状態が続いています。
だからといって
「VTIでアメリカだけに投資していれば問題ない!」
等と言うつもりはありません。
この先、いつまでもアメリカ1強の状態が続くとは限りません。アメリカ以外の市場に投資家の資金が移る可能性もあるでしょう。
その時に備えて、世界全体に分散投資することは意味のある事だと考えています。
アメリカ以外の国は毎月の積立投資に向いていない
では、楽天VTの何が問題なのでしょうか?
それは、楽天VTで定期積立を行うとアメリカ以外の国の株式も定期的に購入することになる点にあります。
私はアメリカ以外の国の株式は定期積立に向いていないのでは?と考えています。
株式の積立投資が成功するのは、その株価が 長期的に右肩上がりで上昇していることが前提です。
■VTI(アメリカ) 株価チャート
先程も登場したアメリカのみに投資するVTIの過去10年間の株価です。
綺麗な右肩上がりの線を描いています。
どのタイミングで投資しても、長期で保有していれば利益を上げることができます。
これが定期積立に理想的な形です。
では、他の国の株価はこのような線を描いているのでしょうか?
■VGK(ヨーロッパ) 株価チャート
ヨーロッパの株式指数に連動するVGKの株価チャートです。
右肩上がりの上昇とはいかず、浮き沈みが大きいです。
株価が高いところで購入すると、利益を出すのが難しそうな値動きですね。ヨーロッパの株式はVTの20%を占めます。
■VWO(新興国)株価チャート
こちらは新興国の株式指数に連動するVWOの株価チャートです。
これも右肩上がりとはいかず、利益を出すには株価が安い時に買う必要がありそうです。新興国の株式はVTの10%を占めます。
例え株価の上昇率がアメリカより低くても、右肩上がりの線を描いているのであれば定期積立の対象になり得ると思います。
しかし、現在のアメリカ以外の国の株価はそのような動きをしていません。
このように一定範囲内を動いている株式は、安い時に仕込まないと利益を上げることができません。
アメリカ以外の国の株式を何も考えずに毎月一定額積み立てていると、高い時に株を買ってしまうリスクが発生します。結果的に効率の悪い投資に繋がる恐れがあります。
そして、半分近くがアメリカ以外の株式で構成される楽天VTの積立は、その非効率的な積立を無意識に実践することと同じことだと思いました。
これが楽天VTの積立を止めた理由です。
現在、毎月定額で積立投資をすることに適しているのは、米国株のみだと思います。
他の国の株式は株価が下がった時にスポット購入する程度が良いのではないでしょうか。
なので、楽天VTで国際分散投資をするよりは、米国のみ、米国を含む先進国、新興国のみに投資するインデックスファンドを個別に購入して国際分散投資をした方が良いと思いした。
私は、毎月の積立は米国株を含むインデックスファンドだけにして、新興国のインデックスファンドは株価が下がった時に買い増す程度にしています。
他の記事の紹介です。
米国株が圧倒的なパフォーマンスを示す昨今ですが、国際分散投資は必要と考えています。
国際分散投資は必要ですが、楽天VTの米国株の比率は少なすぎます。
米国のみに投資するインデックスファンドを使って、米国株比率を70%以上に上げるべきでしょう。
新興国だけに投資するインデックスファンドでは「SBI・新興国株式インデックスファンド」がおすすめです。
良ければクリックお願いします。