米中貿易摩擦の株価への影響をチェック 米国株は強く新興国株が弱い
「今日のダウは大きく下落しました」
5月に入って米中貿易交渉の行方が懸念されるようになってから、そんなニュースを目にすることも多くなりました。
でも、米国の株価は下がっては上がり、上がっては下がりを繰り返している状態で、そんなに下落しているようにも見えません。
実際のところ、米中貿易摩擦は株価にどれだけ影響を与えたのでしょうか?
自分の保有している株式でチェックしてみました。
大きく下落したのは米国株ではなく、新興国株のようです。
米中貿易摩擦 S&P500は1ヶ月で3%近く下落も公益、生活必需品は強い
5月に株価がどれだけ下がったかを確認するために、自分の保有株の過去1ヶ月間の騰落率をチェックしました。
まずはETFの騰落率です。ドルベースでの比較です。
■ETFの騰落率(4/24~5/24)
S&P500に投資する「IVV」は1ヶ月で3%近く下落しています。
これを大きいと見るかは人それぞれですが、2018年末の下落と比べれば大したことないです。
S&P500は今年に入って15%以上上昇していました。この先さらに下落するのかもしれませんが、3%程度下がるのは調整の範囲内のようにも見えます。
米国の高配当株に投資する「VYM」はS&P500より下落幅は小さかったです。生活必需品やヘルスケアセクターといったディフェンシブ銘柄が多く含まれるからでしょう。
一方でインドに投資するETF「EPI」と米国債券のETF 「BND」は上昇しています。
インドは先日開票を終えた下院総選挙で与党が勝利したためです。
BNDが上昇しているのは、債券の利回りが下落したことで既存債券の価値が上がるためです。
次に個別株の騰落率を見てみます。これもドルベースでの比較です。
■個別株の騰落率(4/24~5/24)
私の保有している銘柄でS&P500より大きく下落したのは「ディズニー(DIS)」でした。
ディズニーはDisney+(ディズニープラス)の発表で株価が急上昇しており、年初来で20%以上、株価が上がっていました。
米中貿易摩擦で景気の先行きが不透明になったところで、利益確定した人が増えたのだと思います。
水道事業を展開する「American Water Works(AWK)」、スパイスを開発・販売する「マコーミック(MKC)」の株価が上昇していますね。
投資家の資金が公益や生活必需品セクターといった景気耐性の強い銘柄に移っているように思えます。
「Visa」も上がっています。決済ネットワークは米中貿易摩擦の影響は軽微と見られているのでしょうか。
「ユニリーバ」は米中貿易摩擦とは関係もないところで上昇しています。
これはポンド安が影響しているのだと思います。
ユニリーバは海外での売上が非常に大きいので通貨安は有利になります。イギリスのEU離脱がグダグダになってポンド安が進んだことで、ユニリーバの株価も上がっているようです。
あれ?私の個別株、意外と頑張っていますね。。。
今回の米中貿易摩擦で影響が大きいのは、中国と取引が多い資本財セクターの銘柄や、半導体メーカです。AppleやNIKEのように中国で製品を製造している企業も影響が大きいです。
私の個別株には中国の影響が強そうな銘柄が無いので、それが功を奏したようです。まさに偶然の産物。
ここまでは、主に米国株をドルベースの比較で見てきました。
この1ヶ月間、米国株はそこまで大崩れしていないですね。
では、米国以外の株価はどうなったのでしょうか?それに為替の影響は?
この辺りは投資信託の評価額から見えてきます。
米中貿易摩擦 新興国株式指数が弱い、弱すぎる。。。
投資信託の騰落率です。これは円ベースでの比較となります。
■投資信託の騰落率(4/24~5/24)
「楽天VTI」の下落率が-5.6%でした。VTIの株価の下落率は-3.1%程度なのですが、この1ヶ月で円高が進んだので、円ベースでは5%以上の下落となりました。
株安だけなら大したことないですが、円高が加わると少し痛い。
米国以外の先進国はどうでしょうか。
「ニッセイ外国株式」が「楽天VTI」より下落していないので、日本以外の先進国は健闘しているようです。スイス企業に投資する「UBSスイス ETF」はむしろ上昇しています。
駄目なのは新興国ですね。
「SBI・新興国株式」は7%近く下落しました。これは中国、台湾といった新興国株式指数の4割近くを占める国の株価が大きく下落したためです。
新興国株式指数は東アジアの国が占める割合が高く、米中貿易摩擦の影響が極めて大きいです。
新興国全体が悪いわけではないです。
先ほど見たようにインドの株価は上昇しています。ロシアの株価も上昇してますし、ブラジルも結構持ちこたえていますから。
新興国に投資するインデックスファンドは東アジアに偏っているのが懸念事項でしたが、今回はそのデメリットが大きく出てしまいました。
日本株も弱いですが、TOPIXは4%程度の下落なので、新興国よりはマシです。
私は日本株はアクティブファンドで投資をしています。
スパークスの「厳選投資」は下落幅を抑えていますが、「コモンズ30」は駄目駄目ですね。。。新興国並みの下落幅でした。
と言うわけで、米中貿易摩擦の影響が大きかったのは米国株ではなく、新興国株式でした。
中国が多く含まれるから当然と言えば当然ですね。
実際のところ「SBI・新興国株式」は電光石火で含み損に突入してしまったので、残念無念です。せっかく上がってきていたのに。。。
改めて新興国への投資というのは我慢が必要なものだなと痛感しています。
その我慢が報われる日が来るかは不透明なので、新興国への投資比率は控えめにして米国や他の先進国(日本以外)をメインの投資先にした方が安心して生活できそうです。
他の記事の紹介です。
最近の米国株は公益と生活必需品セクターが強いですが、長期的に見ればS&P500を下回っているので、比率を高めすぎるのもリスキーだと思います。
短期的な株価の下落に惑わされず、10年、20年先を目指して投資を継続していきたいです。米国株は長期で保有することで株価下落のリスクを抑えることができます。
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