おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

ユニリーバの2018年Q4決算 欧米での売り上げが伸び悩む。

Dove,Lux等のブランドで知られる一般消費財メーカ ユニリーバ。

2018年Q4と通年の決算は売上が市場予測を下回る結果でした。

欧米での売り上げの伸び悩みや新興国のインフレに悩まされる1年でした。

 

でも、株価はそんなに落ちていない。ユニリーバホルダーの私は一安心。

 

ユニリーバ 2018年の決算

まず、ユニリーバの2018年Q4の売上高です。

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Q4の売上高は122億ユーロで前年同期から5.3%の減少でした。

Underlying sales growth(USG)という買収や為替の影響を除外した売り上げの成長率は2.9%の増加。

コンセンサス予想の3.5%を下回る結果となってしまいました。

 

次は2018年の年間決算です。

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年間でも売上高は5.3%の減少でした。

この売上高の減少は為替の影響が大きいです。

 

Underlying sales growth(USG)は年間でも2.9%の増加にとどまりました。

ただ、CEOのAlan Jope氏はこの売上の成長自体は「良い形の成長」と述べています。

理由は成長の2/3が商品の売上数(Volume)が増加したことによるもの、1/3が価格の値上げによるものだからです。Volumeが増えているということは、より多くの人がユニリーバブランドの商品を買ったことを示していると述べています。

 

 純利益は98億ユーロで前年から51.2%の増加しました。Operating margin(営業利益率)が24.6%と前年から8%改善しています。

ユニリーバは欧米で伸び悩む。でも、アジアは好調です。

 売上高の減少はユニリーバの売上が新興国に比重を置いていることが影響しています。

 

2018年の先進国と新興国の売上高の内訳です。

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Unilever Full Year 2018 Resultsより 引用

売上高の6割が新興国なので、為替の影響をもろに受けます。

2018年は新興国の通貨安が進んだので売上高が減少してしまったのでしょう。日本企業が円高で苦しむのと似てます。

 

Underlying sales growth(USG)の伸びが市場予測を下回ったのも新興国特有の問題が原因の一つです。アルゼンチンではハイパーインフレで物価が高騰し、Undelying volume growth(UVG)が10%も減少しました。

UVGは簡単に言うと売り上げた商品の数(Volume)の成長率です。アルゼンチンでは物価高騰で商品を買ってくれなくなったということですね。

 

ただ、地域ごとに売上高やUSGを見てみると、新興国全体での成績は悪くはありません。伸び悩みを見せたのは欧米での売り上げです。

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※AMETはアフリカと中東。RUBはロシア、ウクライナ、ベラルーシです。

 

先進国のUSGはQ4、年間ともに1%未満の増加にとどまっています。北米は0.9%、ヨーロッパが0.7%と低い成長率ですね。USGが市場予測を下回った大きな要因です。

アメリカでは競合(P&Gか?)との競争が原因で売上がよくなかったようです。

ヨーロッパではフランスが全般的に不調。ドイツでもドレッシングや調味料が不調でした。

 

でも、悪いニュースばかりではありません。

上の表にもある通り、アジアは好調です。

特にインドは全ての部門で年間を通して2桁成長を達成したとのこと。

Brooke Bondブランドの紅茶やSurf excelブランドの洗剤等が良く売れました。

 

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ユニリーバは2018年にグラクソ・スミスクラインからインドのホーリック (Horlicks)事業を買収しています。

 

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ホーリック (Horlicks)はインドでも人気のある麦芽飲料で、これから人口が増加し続けるインドでのシェア拡大が期待されます。

 

というわけで、2018年のユニリーバは欧米での伸び悩みをアジアの成長でカバーする展開でした。

 

株価は低迷。それでもユニリーバには期待しています。

市場予測を下回る結果となったユニリーバの決算ですが、株価はそこまで下がっていないです。ただ、ライバルのP&Gとは明暗が分かれました。

■ユニリーバとP&Gの株価チャート

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ユニリーバとP&Gの株価の比較チャートです。青がユニリーバです。
P&Gは売り上げが市場予測を超えたので、決算後に株価が跳ねていますね。

ユニリーバの北米での不振もP&Gに苦戦しているからでしょうね。

 

この結果だけを見ると

「素直にP&Gの株でも買っておけよ」

と思えてしまいますが、私はユニリーバに魅力を感じています。

 

Dove、Lux、紅茶のリプトン等、自分に身近なブランドが多数あるのも理由の一つですが、先に挙げた新興国での売り上げが大きいことが理由です。

特にこれから人口が増加し続けるインドでの業績が好調なことは将来に期待が持てるかなと考えています。

ユニリーバは日用品や食品・飲料を扱うメーカですからね。新興国でシェアを持ってれば、その国の人口増加が売上の向上に直結するのではないでしょうか。

 

ユニリーバにはアメリカンドリームならぬ新興国ドリームがある。私は勝手にそう思うことにしてます。

 

それに、ユニリーバは最近も積極的な買収を仕掛けています。前述したホーリック (Horlicks)の他に、大豆で作る肉、フェイクミートの「ベジタリアンブッチャー」。

エコに配慮したランドリーブランドの「ザ・ランドレス(THE LAUNDRESS)」。

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この買収を見ると「健康志向」「環境に優しい」事業に力を入れようとしていることが見えます。今のトレンドに沿ってます。

これらの買収が売上の成長に貢献してくれるのはもう少し先でしょうから、その結果が表れることに期待して辛抱強くユニリーバ株を保有し続けたいです。結果が出るか分からないですけど。。。

 

ユニリーバ株保有の試練は続く?

今回の決算が悪くて株価が急落したら損切りも選択肢に入ってきますから、少し心配してました。でも、株価はそんなに下がらず一安心です。

 

こうなると次の障壁はブレグジットですね~。

なんだかイギリスはハードブレグジットをかましてくれそうな雰囲気ですが、そうなったらユニリーバの株価はどうなるんでしょう~。私、凄く心配です。。

既に株価には織り込み済みで大した影響はない。という結果を望んでいるのですが、駄目ですか?

 

ちなみに、ユニリーバはハードブレグジットの需給障害に備えて、アイスクリームやデオドラント製品の在庫を積み増しているそうです。

優しいですね。

イギリスの皆さんにはEU離脱後もユニリーバ製品を買いまくって頂きたい!

 

他の記事の紹介です。

ユニリーバはフェイクミートを販売するベジタリアンブッチャーを買収しています。


グラクソス・ミスクラインからはインドの食品事業を買収しています。この記事の中にも書いたホーリックがメインです。


 

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