ユニリーバ 2019年Q2決算 アイスクリームの売上が落ちて株価も落ちる
「天気が悪けりゃ、株価も下がる?」
一般消費財メーカのユニリーバ(UL)。
2019年Q2の決算は、売上成長率が市場予測を下回る少し残念な結果となりました。
太陽の恵みが足りず、アイスが売れなかったようです。
ユニリーバ(UL) 2019年Q2決算 売上成長率が市場予測に届かず
ユニリーバ(UL)の2019年Q2決算が7月25日に発表されました。
■ユニリーバ 2019年Q2の売上高とUSG
売上高は137億ユーロで前年同期から横ばいです。
為替影響や買収効果を除いた実質的な売上成長率を示す「Underlying sales growth(USG)」は前年から3.5%の増加と成長していますが、市場予測の3.7%には及びませんでした。
売上が市場予測より伸びなかったのは、ヨーロッパでアイスクリームの売り上げが落ちたからです。
アイスクリームの売上はユニリーバ全体の10%、ヨーロッパでは20%を占めるとのことで、売上減少の影響は大きいです。
何故アイスクリームの売り上げが落ちたかというと、ヨーロッパの天気が悪かったからです。
寒いとアイスは売れないですからね。ユニリーバの成長には太陽が足りなかったようです。
この売上成長率がお気に召さなかったせいか、決算発表後のユニリーバ(UL)の株価は下落しました。
■ユニリーバADR(UL) 株価チャート
私が保有しているユニリーバADRの株価チャートです。
決算発表後に2%近く下がりました。
2018年は鳴かず飛ばずだったユニリーバADRの株価。
2019年は一転して絶好調だったのですが、また元に戻ってしまうのでしょうか?
ユニリーバ(UL) 新興国の売上は順調に成長中 買収したブランドの将来に期待
でも、今回の決算は悪い知らせばかりでもありません。
ユニリーバの売上を地域別に見ると、新興国では好調を維持していることが分かります。
■ユニリーバ 地域別の売上とUSG
先進国はヨーロッパの売上低迷が響いて-1.6%の成長率でしたが、新興国は7.4 %増加しています。
特にインドネシアやフィリピンといった東南アジア、中国の売上が伸びているようです。
南米については、昨年ブラジルがストライキをかましていたせいで、相対的に高くなっています。
ユニリーバは売上の6割近くを新興国で稼ぎ出します。
その新興国での成長が続いているのは安心できる材料です。
部門別に見ても、アイスクリームの売上減少が効いた「Foods & Refreshment」部門以外は前回決算と同等以上の伸びを示しています。
■ユニリーバ 部門別の売上高とUSG
「Beauty & Personal Care」部門はRexonaやDove Zeroといったデオドラントが好調でした。
「Home Care」部門も好調で、インドや中国、ブラジル等の新興国で柔軟剤が伸びています。
「Foods & Refreshment」部門は弱かったです。
USGは1%と伸びていますが、売上のボリューム自体は減少しています。製品価格が上がったことでリカバリされています。
先のアイスクリームの件もそうですが、先進国での需要が弱かったことが大きな原因です。
今回の決算では、この「Foods & Refreshment」部門のアイスの売上低迷がニュースとなっていました。
だけど、今のユニリーバが力を入れているのは利益率が高い「Beauty & Personal Care」部門の方です。
この分野で小規模だけど高価格帯のブランドを数多く買収しています。
評価の高いブランドを規模の小さいうちに買収して、大きく成長させるのが狙いです。ユニリーバの業績に大きく貢献するのは少し先になるのでしょうが、買収した「ダーマロジカ」や「アワーグラス」、「REN」といったブランドは今期も2桁成長を遂げているようですし、将来の成長に期待ができるかもしれません。
また、前述したとおりユニリーバの売上の60%は新興国です。
新興国の人口が増加するに連れて、生活に欠かせない「Home Care」部門の製品の売上も増えていくと思います。
ユニリーバの将来に希望が持てるかは
・「Beauty & Personal Care」部門がしっかりと成長しているか
・新興国の売上が伸びているか
この辺りが鍵になりそうです。
なので、決算でこれらの値に陰りが見えない限りはユニリーバ株を保有し続けたいです。
他の記事の紹介です。
ユニリーバはパーソナルケア製品を伸ばすために積極的な買収を繰り広げています。
その効果が業績に跳ね返ってくることを期待したいです。
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