おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

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ユニリーバ 2018年Q3決算 為替の影響で売り上げは下がる

ユニリーバはDoveやLUXといった超有名なブランドを多数保有する世界有数の一般消費財メーカでです。P&Gのライバルですね。10月18日に第3四半期の決算が発表されました。

 

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売上高は前年比4.8%減少

売上高は125億ユーロで前年比4.8%減少です。為替の影響で5.2%売上高が減少したり、マーガリン等のスプレッド事業を含む事業売却等の影響が3.3%程あったようです。

このような為替や事業部門の売却の影響を除外した実質的な売り上げの成長を示す指標として"Underlying sales growth(USG)"という数値を発表していますが、こちらは前年比から3.8%増加しています。

この3.8%の内訳はvolume=売上数が2.4%、price=商品価格が1.4%でした。商品の価格が1.4%上がったけど、売り上げ数も増やすことが出来たということです。これはユニリーバのブランドの強固さを反映したものだとポール・ポールマンCEOは述べています。

 各事業部門の結果

 Underlying sales growth(USG)で各事業部門の売上増加率が報告されています。

事業部門 USG(%) 売上高(億ユーロ)
Beauty & Personal Care 4.0 52
Home Care 4.5 25
Foods & Refreshment 3.2 48

USGベースでは各事業部門ともに増加しています。

 「Beauty & Personal Care」部門ではスキンケア製品が強かったようです。Citra(チトラ)やPond's(ポンズ)といった製品が良かったみたいです。Doveも好調だったとあります。 

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「Home&Care」部門は4.5%の上昇です。為替によって新興国の商品価格が上昇したのと、ブラジルのストライキからの回復が影響しています。ユニリーバは利益の半分以上が新興国からなので、新興国の情勢や通貨安は売上に大きく影響するのでしょうね。製品ではCif(ジフ)のパフォーマンスが良かったようです。台所や洗面台の洗剤のジフのことです。

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「Foods & Refreshment」部門は3.2%の上昇です。アイスクリームの売り上げや新興国市場でBrooke Bond等の紅茶の売上が良かったみたいです。

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地域別の結果

地域別の結果です。各地域でUSGは上昇しています。

地域 USG(%) 売上高(億ユーロ)
Asia/AMET/RUB 6.6 56
The Americas 1.7 39
Europe 1.4 30

 

地域 USG(%) 売上高(億ユーロ)
新興国 5.6 72
先進国 1.3 53

 やっぱり新興国の方が伸びが大きいですね。ちなみにAMETはアフリカ(Africa)、中東(Middle East)、トルコ(Turkey)です。RUBはロシア、ウクライナ、ベラルーシです。

Asia/Amet/RUBではトルコが2桁増進、インドネシア、南アフリカ、ロシアでも上昇しています。

北米は1.9%の上昇。南米は1.5%の上昇です。南米は前述したとおりブラジルのストからの回復がよかったとのこと。アルゼンチンは物価が34%も上昇したので、売上が下がったようです。34%! さすがの新興国。。。

ヨーロッパはドイツとオランダのパフォーマンスが比較的良かったようです。

本社移転の話は出ず

ユニリーバは現在オランダとイギリスに本社を置いていますが、経営を効率化するためにオランダに本社を移転する計画を立てていました。しかし、今月に株主の同意を得られないと判断して移転計画を撤回しました。この件については今回の決算発表では特に言及されませんでした。引き続き株主と議論を続けるとのコメントが以前はあったので、完全に移転の話がなくなったわけではないと思いますが。

まとめ ~株価は下がっています~

あまり期待された結果ではなかったのか、株価は下がっていますね。でも、ボリューム面で見ると売上は伸びていそうですし、そこまで悪い結果ではないのかな?

何れにせよユニリーバ好きな私は売りませんけどね。

それにしてもこうして決算結果を見るとユニリーバがいかに新興国に比重を置いているかがわかります。P&Gの新興国の売り上げは35%程度に対し、ユニリーバは60%近くを占めていますからね。新興国の人口増加に伴い売り上げが伸びることが期待できますが、ブラジルのストのような新興国の地域情勢や新興国の通貨安の影響を受けてしまうというリスクもあります。まあ、特定国に集中しているわけでもないのでうまく分散されることを祈ります。

新興国の人口増加の恩恵を受けるのは新興国の企業ではなく、そこに進出している先進国の企業ではないか、という話をたまに聞きますが、ユニリーバには新興国の人口増加を利益に繋げていってほしいです。新興国の企業の株への投資は不安ですから、ユニリーバのような優良企業を介して新興国の成長の恩恵を受けてみたいです。

 

 今のユニリーバは決算より本社統合の方が関心事ですね。


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