おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

ヘルスケアセクターETF VHTの株価が国民皆保険制度で急落。VHTの弱点を考える。

米国株投資家ならみんな大好き? ヘルスケアセクター。

ヘルスケアセクターは景気に左右されない銘柄が多く、過去の利回りはS&P500より高いこともあって人気です。

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そんなヘルスケアセクター銘柄にまとめて投資できるETFとして、バンガード社が販売しているVHTがあります。

私も保有していますが、先週は株価が急落してしまいました。

 

売られた原因はファンダメンタルズ等ではなく、極めて政治的な問題「国民皆保険制度」です。

何だかVHTの弱点を直撃した感があります。

 

国民皆保険制度法案の提出でヘルスケアセクターETF  VHTの株価が急落

 ■VHT(ヘルスケアセクターETF) 6ヶ月チャート

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VHTの株価チャートです。先週になって株価が急落しています。

8%くらいは下がっていると思います。

 

私も少し保有していますが、気づけば含み損状態になっていました。 

原因はアメリカでメディケア・フォー・オール(国民皆保険制度)法案が提出されたためです。

 

日本では全員が何らかの公的医療保険に加入しています。健康保険組合や国民保険等です。

それに対し、アメリカでは受給資格を持つ人しか公的医療保険に入れません。

現在はメディケアとメディケイドという2つの公的保険があるようです。

 

メディケアは65歳以上の高齢者、身体障がいを持つ人が対象です。

メディケイドは低所得者を対象にしています。

 

つまり、健康でばりばり働いている人は公的保険には入れません。保険が必要なら民間の保険に入る必要があります。

今回提出されたメディケア・フォー・オール(国民皆保険制度)法案は、全国民が公的医療保険に入ることを目指した法案になります。

 

これが実現されると保険会社の利益を直撃してしまいます。製薬会社の売上にもひびくでしょう。

そのため、医療保険大手のユナイテッド・ヘルスを始めとしたヘルスケアセクターの株価が急落する結果になりました。

 

この法案を提出したのはバーニー・サンダース上院議員です。 

何でも、ツイッターでユナイテッドヘルスに対して「お前たちの強欲は終わりだ」とか言ったらしいです。

 

サンダース議員は米国企業の自社株買いを規制する考えも出しています。

来年の大統領選挙に立候補すると宣言していますが、この人が大統領になったら米国株が暴落しそうです。

。。。。。

頑張れ、トランプ?

もう少しバランス取れた大統領候補はいないのだろうか。。。

 

ヘルスケアセクターETF VHTはディフェンシブではない

今回の急落はヘルスケアセクター ETF VHTの弱点を直撃したように思えます。

 

ETFだと複数企業にまとめて投資できるので、ある特定の企業の業績が悪化して株価が暴落しても、損失を分散させることができます。これがETFのメリットです。

 

でも、VHTのようなセクター別ETFの場合、特定企業のリスクは分散できますが、今回のような業界全体に関わるリスクに対しては無防備な状態となってしまいます。

今回も個別株並みに下がっていますからね。。。

 

個別株並みに下がってしまうのは、VHTがディフェンシブ銘柄とは言えないからでしょう。

ヘルスケアセクターは景気に左右されないので、ディフェンシブ銘柄と言われています。

では、そのヘルスケアセクター銘柄を集めたVHTがディフェンシブかと言うと、必ずしもそうではないようです。

 

確かにVHTにはJohnson&Jonhsonのようなディフェンシブ・高配当銘柄が含まれています。

ですが、無配の成長銘柄も多く含まれているので、株価の変動は比較的大きい気がします。

 

■VHTとVOOの株価(配当込み)チャート比較(10年)

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これは過去10年のVHTとS&P500に連動するVOOの 配当込みの株価チャートです。

VHTはVOOより大きく利益を上げていますが、株価の変動はVOOより少し大きいです。

 

このチャートを見ると「VHTすげ~」と思ってしまいますが、比較する時期を変えるとイメージも変わってきます。

■VHTとVOOの株価(配当込み)チャート比較(5年)

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こっちは過去5年間の比較です。VOOの方が利回りが大きくなりました。でも、値動きはVHTの方が大きい感じです。

過去10年でVHTがS&P500を大きく上回ったのは、昔はヘルスケアセクターの評価が低かったからなのでしょうか?今後はどうなるのか分かりません。

 

一つ言えるのは、VHTはS&P500より株価の変動が大きいETFということです。

ヘルスケアセクターのETF=ディフェンシブと言うわけではないようです。

 

VHTを保有していれば、個別企業の株価下落リスクは回避できますが、今回のような業界全体のリスクは回避できないです。

かつ、VHTは無配銘柄も多く含まれることもあり、市場平均より株価変動が大きいときています。

 

この辺はVHTの弱点かなと思いました。

ヘルスケアセクターでディフェンシブなポートフォリオを組みたい場合、ヘルスケアセクターの中から2,3銘柄ピックアップした方が、VHTより無難と思います。

高配当な銘柄をピックアップすれば、VHTより配当金に期待できるポートフォリオができますしね。

 

VHTのように、セクター別ETFには成長銘柄とディフェンシブ銘柄がごっちゃ混ぜになっているものがあります。

セクター別ETFを買う際は、その構成銘柄が自分の目的に沿っているのかをしっかりと調べる必要があるのでしょう。

 

今回のVHTの急落を見て、そのように感じました。

 

 

関連記事の紹介です。 

セクター別ETFの構成銘柄を掲載しています。VDCやVPUのようにディフェンシブ銘柄で統一されているETFもあります。

 

ETFの配当込みの利回りを比較するにはETF Replayが便利です。

 

 

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