Visa 2019年Q2の決算発表 為替が売り上げを押し下げるも株価は安定
決済ネットワークの大手『Visa』が2019年Q2の決算を発表しました。
毎度お馴染みの好決算に見えますが、市場の反応はイマイチです。
売上高が市場予測を超えなかったためのようです。
Visa(V) 2019年Q2決算 為替影響でCross-boarder volumeが伸び悩む?
Visaの2019年Q2の決算結果です。
■Visa 2019年Q2 決算
純利益(Net Income)は約30億ドル。EPS(1株あたりの利益)は1.31ドルです。
EPSは前年から17%増加と市場予測を上回る結果でした。
一方で売上高(Revenue)は約55憶ドルで、前年から8%の増加。これは市場予測を超えられませんでした。
Q2は為替が売り上げや利益を押し下げたようです。
ドル高が進んだことで、アメリカ国外の人のアメリカでの支払いが鈍化したためと思われています。
それを示すように『Cross-boarder volume』=国際送金の増加率は4%の増加と、前期の7%増から伸びが鈍っています。
また、『Payments Volume』 = Visaのネットワークで決済された金額は、2.09兆ドルでした。これは前年から8%の増加でしたが、市場予測の2.2兆ドルには達しなかったようです。
他に『Processed transactions』= プロセシング事業(*)のトランザクション数は前年から11%の増加でした。
(* プロセシングはクレジットカードの発行会社と加盟店間で行う決済、利用者照会等のデータ処理を行うプラットフォームを提供する事業)
Cross-boarder volumeやPayments Volumeの結果が期待外れだったせいか、決算発表後の時間外取引で株価は下落しました。
ですが、すぐに持ち直しています。現在は前日とほぼ変わらない株価です。
■Visa 株価チャート(2019年4月26日)
ほっ。。。
前回もPayments Volumeが市場予測に届かず、株価が下落したのですが、今回は無事に通過してくれたようですね。
自社株買いと配当金で株主還元しまくりのVisa
2月あたりから株価が絶好調のVisaですが、株主還元力の高さが効いているのかもしれません。
VisaはQ2で約19億ドルのFree Cash Flowを生み出しました。
そして、株主には26億ドルを還元しています。内訳は、19億ドルの自社株買いと5.7億ドルの配当金です。
高配当株とは言えないVisaですが、自社株買いで1株あたりの価値を高め、株主に還元しています。
余ったお金は惜しみなく株主に還元。
これがあるから米国株は信頼ができます。Visaも例外ではありません。
Visaの将来の懸念は?
常に安定した業績を見せてくれるVisaですが、決算レポートの将来の見通しの中で幾つか懸念事項を挙げています。
ざっくり言うと、国内外の規制強化の可能性、そして競合相手との競争の激化が業績に影響しうるだろうとのことです。
カード決済手数料については、「決定経緯が不透明で高額」ということで、たまに規制や訴訟の話題を見かけます。
競合については、ライバルであるMasterCardとの競争はもちろん、将来的に仮想通貨が決済手段として確立されるのかも気になるところです。
Visaは世界で最も儲かっている企業の一つでしょう。そんな企業は規制の狙い撃ちにされやすそうな気もしますし、競争相手は強力です。
今は株価が絶好調なVisaですが、将来はどうなるか分からず、過信は禁物なのかなと思っています。
でも、株価がするすると上がっていくのを見ていると
「VisaにALL BET!!」
とかやってみたくなりますね。
そこはぐっとこらえたいです。
関連記事の紹介です。
VisaとMastercardの将来を楽観視する意見と、その座を仮想通貨が脅かすという対象的な意見があります。
こちらはVisaの2019年Q1の決算結果です。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
良ければクリックお願いします。