Visaとマスターカード 4月からアメリカで手数料値上げをもくろむ
カード決済ネットワークの巨人、VisaとMastercard。
最近の株価は好調な両社ですが、4月からアメリカで取引手数料を値上げするとのニュースが報じられました。
Visaは手数料の値上げを肯定。Mastercardは否定。
VisaやMastercardはクレジットカードの決済ネットワークを提供しています。クレジットカードそのものは発行していません。
私たちがクレジットカードで買い物をすると、お店側はカード加盟店を管理する会社(アクワイアラ)に手数料を支払います。
そして、加盟店を管理する会社(アクワイアラ)はカード発行会社(イシュア)に手数料を払います。
これを「インターチェンジ・フィー」と呼びます。
カード発行会社は「インターチェンジ・フィー」の一部をVisaやMastercardに支払うようです。
今回値上げするのは、この「インターチェンジ・フィー」に絡む部分とのこと。
なので、VisaやMastercardが値上げ交渉をする相手は、カード発行会社=金融機関です。
「金融機関の手数料が値上げするだけなの?」
「じゃあ、私たち消費者には関係ないね?」
ですが、金融機関も利益を確保したいので、お店側の手数料を引き上げます。
そして、お店側も利益を確保したいので、商品・サービスの値段が上がるかも。
「あれ?」
結局、消費者にしわ寄せが来てしまう可能性があります。
一般庶民に厳しい世の中ですね。
アメリカの話なので、今のところ関係なさそうですけど。
この話、Visaのスポークスマンは値上げを認めているようです。
「Visaのプラットフォームの安全性、効率性を高めるために必要な値上げで、Visaが提供している価値に釣り合ったものだ」
とのことです。
一方で、Mastercard側はこの話を否定しているようです。今のところ。
手数料を値上げすれば、Visaの売上が上がって、株価もさらに上がってくれますかね。
それなら嬉しいですけどね。私、アメリカ人じゃないし。。。
カード手数料はVisa、Mastercardのリスクなのか?
しかし、クレジットカードの手数料は
「高すぎじゃね?」
「どうやって値段決めてんだよ」
といった具合に、価格決定のプロセスが不透明とかで、よくやり玉に上がります。
EUでは2015年に、前述した「インターチェンジ・フィー」の設定理由が不透明ということで、上限金額が設定されました。
アメリカでもクレジットカードの手数料が不当に固定されているとして、2005年にVisaとMastercardが訴えられています。
この訴訟は2018年、両社が最大62億ドル(約7000億円)を支払うことで和解に達しました。
アメリカの大手スーパーマーケットチェーンのクロガー(Kroger)は、2018年に手数料削減を狙ってVisaのクレジットカードの取り扱いを停止しています。
今はどうなったんでしょう?
カード手数料はVisaとMastercardの利益の源泉です。世界で買い物をする人が増えれば、両社に勝手にお金が入ってきます。
ですが、こういったニュースを見ると、一見素晴らしいと思えるビジネスモデルにも、何らかのリスクはあるんだなという気にさせられます。
株価が順調に上がり続けているからといって、過信は禁物でしょうか。
さて、このニュースを受けて両社の株価はどのように反応するのでしょうか!?
。。
と思ったら今日(2/18)はワシントン誕生日で、アメリカ市場はお休みでした。
他の記事の紹介です。
Visaの2019年Q1決算です。Visaの決済ネットワークを流れたお金は、Q1だけで2兆ドルです。僅かな手数料でも儲かりそうですね。
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