VTIとVT どっちに投資する? ポートフォリオとパフォーマンスを比較
【2019.4.2 ポートフォリオを更新】
インデックス投資を始める時、多くの人が考えるテーマがあります。
世界中の株式に分散投資するのか、アメリカ一国のみに投資するのかという点です。
その答えのヒントを知るために、アメリカのバンガード社が販売する全米の株式に投資するETF『VTI』と、世界全体に投資する『VT』のポートフォリオやパフォーマンスを比較してみました。
果たして、VTIとVTのどっちに投資した方が良いのでしょうか。
VTIのポートフォリオ(上位10銘柄、業種別構成比)
まずは、アメリカ全体に投資する『VTI』のポートフォリオです。
上位10銘柄と業種別の内訳を見てみます。
■上位10銘柄(2019.04.01)
上位10銘柄は、Bloombergのデータから掲載しています。
1位はマイクロソフトです。その後をApple、Amazonが追いかけます。
他にもFacebookやGoogle等、世界を代表するIT企業が上位に入っています。
ディフェンシブ銘柄と言われるJohnson&Johnsonが6位に入っているのが目立ちますね。
次は、VTIの業種別比率です。
■業種別構成比 (2019.02.28)
VTIは情報技術や金融が上位を占めています。
VTのポートフォリオ(上位10銘柄、国別構成比)
世界全体に投資する『VT』のポートフォリオです。
上位10銘柄と国別の内訳を見てみます。
■上位10銘柄(2019.04.01)
これもBloombergのデータから掲載しています。
順位に多少の違いはありますが、上位10社はVTIと全く同じですね。
アメリカの株式時価総額上位10社が、そのまま世界の上位10社となります。
次は、VTにどの国の株式が多く含まれているかを見てみます。
■国別構成比(2019.02.28)
VTの半分以上は、アメリカの株式で占められています。
次いで日本が2位、EU離脱に揺れるイギリスが3位です。
中国がカナダやフランス、ドイツといった先進国を追い抜いて4位につけています。
VTの全投資対象国は次のようになっています。
■VT 投資対象国
投資対象国は全部で42ヵ国です。
VT一本で、先進国、新興国を問わず、これだけの国に投資できます。
なお、先進国と新興国の比率は次のようになっています。
・先進国(日本以外)・・・ 82.4%
・新興国 ・・・ 9.8%
・日本 ・・・ 7.8%
新興国が10%を占めますので、新興国の株価もVTのパフォーマンスに大きく影響します。
VTIとVTのパフォーマンスを比較
ここまで、VTとVTIのポートフォリオを見てきました。
VTの約半分はアメリカの株式で構成されていますが、アメリカの株式のみで構成されるVTIと、どちらのパフォーマンスが良いのでしょうか。
■VTIとVT 10年間のトータルリターン(配当込)比較
VTIとVTの配当金を含めたリターンを比較したチャートです。
2009年3月から2019年3月の10年間を比較しています。
VTIは10年間で401.5%、VTは261.3%のリターンです。
過去10年ではVTIの圧勝ですね。
新興国やヨーロッパ、日本等に分散投資するより、アメリカ一本に投資した方がリターンがよかったことになります。
今はVTIでアメリカのみへの投資の方が利回りが良い
VTで全世界に投資と言っても、半分はアメリカの株式で構成されます。
そして、過去10年の結果を比較する限りでは、アメリカ以外の国の株価がアメリカの株価を超えるパフォーマンスを発揮することは無かったようです。
であれば、今はわざわざ世界中の国に分散投資するより、VTIでアメリカのみに投資した方が効率がよさそうですね。
気になるのは新興国の株価の行方です。将来的には中国やインドのGDBはアメリカを追い抜くと言われています。株価もアメリカを追い抜く可能性を否定できません。
VTで世界全体に投資することで、これらの新興国株の成長に備えることができると思います。
個人的にはVTIとVTの両方に均等に投資するくらいが、バランスが良さそうな気がしますね。
VTIの方で、今現在パフォーマンスの高いアメリカの株価の恩恵を十分に受けれますし、将来、世界経済の中心がアメリカから他の国に移りゆく時が来るのであれば、VTでカバーすることができると思います。
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